BPO_20周年記念誌
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133BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージ主的な取り組みを基調としていた。1959年の改正により、放送法制は、自律重視の原則を維持しながらも、放送番組の適正化に関しては、法的規制と自主規制を組み合わせた、いわゆる共同規制へと移行した。そうした制度の特徴は、現在まで維持されている(詳しくは、村上聖一『戦後日本の放送規制』(日本評論社、2016年)118頁以下参照)。放送法が放送局に設置を義務づけた番審には、視聴者に代わって番組についての批判機関となることが期待されている。ところが、実際には番審は放送法が期待するような役割を果たしていないという批判があり、放送法の義務づけによって設置されている機関であるため、放送局がその活性化に意欲的に取り組む動機が弱いという限界が指摘されてきた(鈴木秀美・山田健太編著『放送制度概論』(商事法務、2017年)68頁以下[本橋春紀])。そこで放送局は、放送法によって求められる高い倫理水準を維持し、向上させるため、純然たる自主規制のために第三者機関たるBPOを設置している。BPOは、これまでの活動を通じて、放送制度にとってなくてはならない存在になっているといっても過言ではない。2 BPOと総務省放送法4条には「政治的公平」や「報道は事実をまげない」などの番組に対する内容規制が定められてはいるが、番組の放送法4条への適合性の確保は、放送局の自律によるべきと考えられてきた。学説では、番組編集準則は放送局の自主規制のための倫理的規定(ガイドライン)であって、放送法違反について総

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