BPO_20周年記念誌
137/280

129BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージこのため、近年ローカル局では、観光・インバウンド事業、企業誘致活動、地元での就職支援や定住促進・移住者の受け入れやUターンの促進、eコマース・ふるさと納税等による関係人口の拡大、企業の事業継承の支援、地域商社による新商品開発・新市場開拓といった、地域活性化や地域課題解決事業に関わる局が増えている。こうした事業は自治体の業務委託という形で行われることも少なくなく、ローカル局の中には、自治体の企画競争入札に対応するための専門部署を設けるところも増えてきた。数年前までは、ローカル局が手がける地域事業の内容は、情報の伝達や、広報・宣伝(プロモーション)のためのコンテンツ制作といった、放送の本業の延長線上にあるものがメインであった。しかし、こうした業務を通じて自治体や地域の政財界等と関係が深まる中で、もっと幅広い地域事業への参画が期待されるようになり、手がける事業が拡張しているのである。その状況を見ていて、筆者はローカル局が、「プロモーター」から「プロデューサー」へと進化しているのではないかと感じている。人と人をつなぐ、人と地域をつなぐ、地域と全国をつなぐ〝媒体〟として、広義のメディア機能の実践が地域社会で始まっているのである。〝二刀流〟経営の必要性筆者は、地域を元気にする役割を果たそうとするその先に、ローカル局の新たなビジネスの未来があると信じている。地域の実情が違えば、元気にするために果たせる役割も違う。同じ地域でも、複数の局がそれぞれの強みを生かし、すみ分けをしながら取り組むこともできるはずである。これまで以上により深

元のページ  ../index.html#137

このブックを見る