BPO_20周年記念誌
136/280

128東北総合ポータル「topo(トポ)」を立ち上げた。こちらは月額550円の有料配信サービスである。ローカル局由来のコンテンツだけで勝負しようという挑戦的な取り組みだ。また、A−PAB(放送サービス高度化推進協会)では、全国各地のローカル局が集って、「ローカルコンテンツバンク(LCB)」という実証実験が開始された。LCBとは、ローカル局各局が、情報番組から切り出したショートコンテンツを集積する〝バンク〟を作り、それらにメタ情報を付与することで、様々なプレイリストを自動生成できるようにするというものである。地味な作業であるように思えるが、こうした下準備をすることで、外部プラットフォームへの展開や海外番販等がしやすくなり、個社で取り組むよりも展開先が増え、マネタイズも見込めるのではないか、という問題意識である。いずれも東京主導、キー局主導ではない、ローカル局主導の連携である。こうした取り組みから、ネット展開の新たな可能性の扉が開かれることに期待したい。「地域プロモーター」から「地域プロデューサー」へローカル局の現場を訪ねていて、キー局と最も異なると感じるのが、図⑦⑧の機能である(P125参照)。ローカル局の人たちは、地域を元気にするために自分たちにどんな役割が果たせるのかを常に考えている。言い換えれば、地域の中できちんとお金が回る仕組みを作るにはどうしたらいいのか、そこにどう関わることができるか、という視点である。地域メディアとしてというより、地域で生きる一企業としての立ち位置である。

元のページ  ../index.html#136

このブックを見る