BPO_20周年記念誌
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127BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージないが、こうしたコンテンツはキー局同様、TVerや有料配信サービスに展開されている。ただ、著名なタレント等が出演する一部の番組を除けば、キー局が制作する番組の中に埋没してしまうという課題がある。TVerでは、全国のローカル局の番組がユーザーに視聴されやすいよう、サウナ、キャンプ、グルメといった特集を組んだりしている。しかし、レギュラー番組が約650(2023年夏現在)あるというTVerの番組群の中からローカル局の番組を選んで視聴してもらうには、地域コンテンツを目立たせたり見つけやすくしたりするユーザーインターフェースの設計やレコメンド等が導入されなければなかなかに難しいだろう。実は、ローカル局が最も得意とし、量産しているのが、情報番組の中の数分間のコーナーVTRのようなショートコンテンツである。こうしたコンテンツは今のTVerでは受け入れる体制がなく、ローカル局は自社サイトやYouTube等で展開しているが、マネタイズが十分におこなわれているとは言えない状況であった。こうした中、ローカル局自身が個社ではなく、また外部サービスに委ねるのでもなく、連携することによって、これらのコンテンツを再価値化し、流通を促進させていくことができないか、といういくつかの動きが広がっている。中京エリアでは、エリア内の民放が連携し、2020年から無料テレビ動画・見逃しネット配信サービス「Locipo(ロキポ)」を運営している。同エリアで視聴率を競い合う民放が一つのサービスを運営するというのは極めて画期的である。2023年10月からは5局全てが運営に携わることになった。また東北では同年9月、宮城県のkhb東日本放送が呼びかける形でテレビ朝日系列の東北ブロック6局が、

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