BPO_20周年記念誌
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004一番の大きなテーマで、自由と自律をどのように考えていったらよいかということは、BPOの「これまで」の振り返りだけでなく、本日の対談全体を通してつながっていくことと思います。濱田さんは、BPO10周年の時も、2003年設立からの10年を振り返って「BPOがここまでやれるということを当初は予想もしなかったし、これはすごいことだと思います」とおっしゃっておられます。当時、「BPOがここまでやれた」ということに、どんな思いがおありだったのでしょうか。濱田 何よりも、第三者機関の前例がなかったということです。BPOの設立は、公的規制を避けなければいけないという判断によるものでしたが、第三者機関がどのようにできあがっていくのか、具体的にどのように機能するのか、イメージが当初からあったわけではありません。当時は自主規制や自律のあり方、それが機能しない時の公的規制のあり方を含めて、いろいろとアイデアや提案はあるものの、それが確実に動くというエビデンスはありませんでした。私も最初の頃は、この第三者機関がどのように組織され動いていくのか、実のある形でどのような役割を果たしていくのかというイメージが、しっかりつかめていませんでした。BPO設立当初の方々は、本当に大変な努力をなさったと思います。BPOとは何であるのか、どういうことができるのかということを地道に積み上げてくださったことが、今日のBPOの存在感に繋つながっていると思います。求められる放送の自由と自律、社会的責任に伴う〝分限〟大日向 自由と自律のバランスは今も直面してい

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