BPO_20周年記念誌
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092つまり、青少年モニターと交流した局員たち自身が、放送が置かれている社会的状況を日常業務とは異なる視角から再認識することにつながったそうです。言い換えれば、これからの放送の役割を考えるための局員研修という意義があったわけです。デジタルメディアなどの普及にともない、いまやメディア・リテラシーは受け手だけではなく、放送の送り手もつねに学ばなければならない時代になっています (2)。現在、青少年モニター制度を長期的におこなっている局は、少なくとも本調査の結果からは皆無であって、安定的な運用が非常に困難であることが分かりました。ただし、とりわけリサーチを通じた局員研修を主目的とするのであれば、単年度限りの取り組みであっても十分に意義があると考えられます。放送の未来を構想する貴重な手がかり再びBPOの話に戻りましょう。放送局とは立場が異なるのはもちろんですが、青少年委員会の中高生モニター制度の意義については、各局の取り組みと通底しているように思われます。1年を通じてレポートを読ませていただくと、中高生モニターのみなさんの成長を実感することが多い反面、〝テレビ離れ〟といわれるようになって久しい現代において、青少年が放送をどのように捉えているのかを詳しく知ることができ、委員である私たち自身が、たくさんのことを学んでいます。ただし、急いで断わっておかなければならないのは、全国各地から選ばれたモニターといっても、約30名のみなさんは決して、現代の中学生や高校生の考え方や価値観を代表しているわけではないということ

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