放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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   委員紹介
   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

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■ 番組委員会 視聴者からの意見

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◆番組全般

 2007年3月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,314件)の53%にあたる694件が“不適切な内容や発言・表現、低俗、下品、モラル欠如”など、番組のあり方についての指摘となっている。
  中でも【情報ワイド番組・バラエティー番組】に関する意見が多く、“不適切な内容・表現と不適格な出演者”(369件:全体の28%)、 “モラル・倫理観の欠如”(163件:同12%)、“低俗・下品”(162件:同12%)の順となっている。
  特に3月の視聴者意見では“放送界批判”(個別番組批判や放送局の窓口応対批判を除く)は290件と全体意見の22%に達した。そのほとんどは関西テレビのデータ捏造に端を発した問題に関して、放送界・放送局(制作会社)の責任や処分を求める意見(161件)と、他の放送局の捏造報道や報道のあり方など、放送姿勢に言及した「放送界への批判・批評」(106件)が中心である。
  個別番組や特定放送局への意見では【情報ワイド番組】を中心に“取材・報道のあり方”に234件、“放送の影響力”(81件)、“公平・公正”(71件)、“公共的な放送のあり方”(61件)、“言論・報道の自由”(27件)、“メディア(取材)規制”(24件)となっているが、「洋菓子メーカーに関連した情報番組の捏造報道や司会者発言と放送局批判」(77件)、「格闘技捏造メール」(67件)、「世界フィギュア大会に関連した番組での不適切なコメンテーターの発言批判」(30件)が目立った。
  継続的に寄せられる意見では【情報ワイド】での“捏造・やらせ、情報操作”と“不適格な出演者”に関する意見は333件にのぼる。【バラエティー番組】に関して“不適切な表現・発言、不適格な出演者(司会のタレントやお笑い芸人批判)”との指摘が180件(そのうち、『いじめや差別につながる発言・表現、放送倫理上問題』などの指摘は92件)あり、占い師や霊能者の出演する番組についての批判も続いている。
  この他に、「政治・生活関連」には161件が寄せられた。中でも“生活・年金”などくらしに関する意見は30件あった。
  なお、「人権等権利に関する委員会(BRC)」への相談・意見(17件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は202件と多い。
 【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は87件で視聴者応対に関する苦情がほとんどである。
 【CM関係】「不適切な表現・内容」との指摘を中心に63件の意見があった。

◆概要

<特記事項>(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

  • 企業には不正を行えば生産、営業等の一時停止というペナルティーがある。マスコミは、捏造、嘘の報道をしても放送停止等ペナルティーがないのはおかしい。「政府の介入をさせない」と主張するなら、嘘や捏造が発覚したらその全容が解明されるまで放送停止等の自主規制をするべき。未だに「あるある」の件は説明不十分だと思う。放送停止をしないなら特別番組を制作させて捏造の経緯、問題点、今後の防止策を明確にしてほしい。マスコミはある意味政府以上の影響力があるので真剣に考えてほしい。それができないなら政府に統制されても仕方がないと思う。

<取材・報道のあり方>

  • 本日能登半島沖で強い地震が発生し緊急放送をすぐに行う放送局があった一方、一部の放送局では予定されている番組(バラエティーやアニメ等)をそのまま放送し、30分以上経ってからようやく緊急放送をする局や全く流していない局もあった。また、この緊急時に放送を一旦打ち切りCMを流す放送局もあった。地方の地震は関東地方に直接影響がないとして流さないのか。緊急時にも関わらず民放局の対応の遅さや危機感の希薄さを感じた。緊急時の放送体制等の改善策をすべきではではないか。因みにNHKは地震発生後直ちに放送を開始した。

  • 能登地震を各局が現地リポーターを派遣して伝えているが、新潟地震の際、避難所近くはメディアの車で一杯になって救護の人達が遠くから避難物資を運ぶことを強いられていた。一体メディアというのは自分達をそんなに偉いと思っているのか?やはり国家権力で規制してもらわないと日本のメディアに職業倫理は期待できないのか。

  • “賞味期限切れチョコレート回収・再利用”など早朝の情報ワイド番組の報道および司会者の図に乗った不埒なコメントに対し、同社の「信頼回復対策会議」が『事実と異なる部分がある』と抗議をしたと新聞で報じられている。相変わらずこの放送局は捏造、欺瞞、中傷、誤報などを繰り返している。これについては総務省も関心を示していると聞くが、当の放送局は論外として、他局もこの件について今日まで取上げていない。護送船団方式の民放界の体質を如実に表していないか。「捏造」「やらせ」「(意図的なものも含めた)誤報」は何も関西のテレビ局だけの問題ではない。また「捏造問題」を当該局に一極集中させるかのようにしか見えない民放界に、BPOはもっと指導力を発揮してほしい。昨日の今日ではBPOも動けないだろうが、昨今の放送界の体たらくを見るに付け、BPOさもなくば総務省のどちらかに強権力を持たせるしかないだろう。この局にはほとんど自浄作用は期待できないが“説明責任”だけは果たせと言いたい。局に電話をしたが苦情・抗議が殺到しているとみえて通じない。

  • 芸能人やタレントが、時にはキャスターや報道機関の解説委員までもが、何の知識もなく思いこみと独断と偏見だけで無責任な発言をし、間違っていた場合でも、最後にお詫びの言葉を述べる位で、特に責任を問われたということも聞いたことがない。他人の言動には、揚げ足取りと思うくらい執拗に批判するくせに、自分たちテレビ局や出演者の間違いはなあなあで済まし、反省しようともしない態度は全く不愉快だ。『報道の自由』の名の元に、何を言っても構わないというのは大きな勘違い。傲慢さの現れだ。

  • NHKでは考慮されているが、殺人事件や事故などの報道時にBGMをかけるのは不謹慎ではないか。被害者にとっては大きな精神的苦痛になるのでは。面白く見せる必要はないと思う。

  • 番組中、新聞各紙の記事を紹介していたが、タミフルによって引き起こされた異常行動の事故記事で、ある新聞の「開業医がインフルエンザと診断しタミフルを呑ませた」という記事を紹介していた。ところが他の多くの新聞では「診療所が普通の風邪と診断したが、家族がタミフルを所望したのでタミフルを渡した」としていた。同局に「ウラをとったのか」と聞いたら「取っていない。間違いがあったら記事を掲載した新聞社の責任だ」と言う。放送局の放送はそんなに無責任で良いのか。

<不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢>

  • キャスターが四国の橋の問題を論じていた。そこで「不必要な橋を作って云々」というような発言をした。四国在住のものにとっては、橋は病院に通うなどのための生活道路である。地方の実情をろくに知らないのに地方を馬鹿にしたような発言をしたのは許せない。東京は食料から何から地方に頼っているというのに軽率な発言をすべきではない。

  • 新聞に「ありもしない霊界をテレビで取り上げるのが問題」との指摘があった。「あるある」問題は食品に関する嘘が問題だが、霊界の問題は精神に関わる嘘の問題で食品よりもたちが悪い。霊能者や占い師が登場する番組は即刻止めて欲しい。某司会者の番組も偏向している。逆にゴールデンタイムの20%ぐらいは視聴率も関係しない良心的な番組の放送を義務付けてはどうか。BPOの権限が強化されたのであれば、こういった問題を正面から取り上げて欲しい。在阪の視聴者センターに電話したら「視聴率が取れれば何でもやる。それが本音だ」と言っていた。ともかくBPOに頑張ってほしい。

  • 夜9時という時間帯にポルノ的映像を流すのは非常に不快である。愛情表現としてセクシーなシーンを放送するのは必ずしも否定しないが、ドラマの冒頭でセックス中に男性が女性の首をしめるシーンを放送するのは大人が見ても不快である。ましてや、家族で見ている人が多い時間帯に放送すべきではない。本や映画なら買わない、見ないようにすれば済むが、テレビは家庭に密着したメディアである。テレビ制作者にとって視聴率は大切だとは思うが、視聴者に対する配慮をした番組づくりを願う。

  • 何年も前から昼の健康情報番組の司会者が人生相談の回答として、「浮気夫の性器は包丁で切り落とせ」とか「ウルセーババアは2階から突き落としてしまえ」などと、のうのうとふてぶてしい態度で司会しているのは公共の電波を使う放送としてどういうことか。

  • フィギュアスケート世界選手権終了後の関連番組で金・銀メダリストになった選手へのインタビューが酷い。女性エッセイスト、経済評論家、漫才コンビなどのゲストはフィギュアスケートについてまったく知識がない。選手が「自分の演技の前は、他の選手の演技は見ていない」と言っているにもかかわらず、男性出演者は何度も「韓国選手が転んで『やった!』と思った?」と聞いたり、そう言わせて面白おかしく番組を作ろうとして不愉快だった。インタビューをする場合は、そのスポーツや選手に敬意を払うべきだ。

  • 新聞の番組欄では「シングル出場の選手が金メダル挑戦、ペアの選手が表彰台争い」との記載があったため当然その模様が放送されることと思い視聴したが、実際にはペアの競技だけでシングルの競技は放送されなかった。番組欄にはその時間に放送される内容が記載されるべきと考えるがいかがか?本件を直接キー局に苦情の連絡をすると「『挑戦』というのはこれから行われることで今日放送されるとはどこにも記載していない。『表彰台争い』というのは今日実際に競技が行われ放送されるものと意図して記載している」と開き直られてしまいました。視聴率を目論む番組の虚偽記載としか受け取れない。

  • 在京キー局が12日夜に放送した格闘技番組において、インターネット掲示板の書き込みを視聴者の見解として紹介し放送した件は、実際に調査の結果掲示板にはそのような書き込みはなかった。しかるにこの局が掲示板への書き込みをさも視聴者からの意見であるかのように放送した内容は、実際は独自のフォームによって当掲示板を真似て作成した茶番であった可能性が高い。このような自己制作の題材を一般的意見であるかのように誤解させる同局の報道は放送倫理に反する。

<その他、番組全般>

  • 環境問題を取り上げることは非常に有意義だと思うが、内容のほとんどが問題を伝えるにとどまり、実際に一般市民が環境保全のためにどのような行動をすればよいのかが抜け落ちている。自分が取り組める対策を知らなければ人は行動しない。メディアは一般市民が出来る環境対策を重点的に取り上げることが必要だと思う。

  • 東京キー局で年配(OB)のアナウンサーが集まって座談会を行う番組があったが、日中から何を馬鹿な番組を放送しているのか?子供が真似をしたらどう思うか考えてほしい。しかも、路上生活者に軽率に接する言動が見てとれた。つい最近、金品欲しさにホームレス生活者を殺害する事件が起きた折から、こうした問題を面白おかしく取り扱う事自体、道徳上問題である。

<CM>

  • 四国の電力会社が“二酸化炭素を出さない原発”と宣伝しているが、原発の出す廃棄物には何万年も減衰しない放射性物質がある。それにより健康、生活が破壊されている労働者、一般市民が多数いる。これらの事実も記述した宣伝でなければならないと思う。一方的なものでなく公平な立場で検討してほしい。

  • 英会話学校については国民生活センターへの相談・苦情が年間1000件を超えている。他の企業・語学教室に比べ格段に件数が多く、雑誌では数年前から問題企業として報道され、先日は当局の立ち入り検査となったにもかかわらず、未だ学校側の謝罪CMもなしで、あいかわらずCMを流し続けている。このようなテレビ局の姿勢には疑問をもつ。TV局には娯楽と同時に報道機関としての役割もあり、問題企業のCMを流し続ける事について社会的責任をどう考えているのだろうか。放送局が「問題企業が引き起こす消費者に対する被害」を助長していると言っても過言ではない。報道機関としての放送局自体の使命感のなさが気になる。このような状態を放置しておけば「行政の放送への介入」の口実となる。社会的問題を起こした企業のCMは全局で中止とすべきである。

以上