2007年1月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,348件)の95%にあたる1,277件が“不適切な内容や発言・表現、低俗、下品、モラル欠如”など、番組のあり方についての指摘となっている。
特に、納豆ダイエットのデータ捏造番組批判は一放送局の単一番組への1か月の意見としてはこれまでにない148件を数えている。更に批判はこの番組を放送したキー局や制作会社にも及び、夫々の責任を問う意見や処分を求める声は1月末で195件にのぼっており、“視聴率優先姿勢” “放送局と制作会社との制作責任体制” “健康情報番組のあり方” “放送への規制と放送の自主性” など、問題の大きさを示している。
また、紅白歌合戦での裸と見紛うコスチュームとパフォーマンスやその演出および番組の倫理を問うものが112件と、NHKへの意見としては過去最も多くBPOに寄せられた。
その他にも“死置人”と称し“代わって仇をとる”ドラマに対する批判は34件、年末の格闘技中継への苦情等は52件、ラジオ・パーソナリティーの“不適切な表現・発言”に対し21件の抗議など、上記の意見数だけで367件(全体意見の27%)に及び、1月の意見数の急増の要因となった。
この他【情報番組(ワイドショー)・バラエティー・アニメ】に関する意見は259件(全体の20%)と多く、続いて“取材・報道のあり方”に関する意見(188件)、 “公共的な放送のあり方”(104件)、“放送の影響力”(101件)、“公正・公平・中立(内容が偏向との指摘を含む)”(57件)、“メディア規制の必要性”(30件)の順と、いずれも前月の倍の意見数となっている。
とりわけ、事件報道の「過剰なまでの」詳細な犯行手口の報道や、事故被害者・遺族・関係者への「見識を問う」取材など“報道のあり方”について厳しく指摘している。
一方、情報番組のキャスター・コメンテーターの「偏見・独断・無責任」な発言や、バラエティー番組の増加とその質の低下、女性占い師の出演やその過激な発言についての批判意見が目立っている。
なお、「人権等権利に関する委員会(BRC)」への相談・意見(16件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は242件で、前月(179件)から大幅に増えたが、これは事件報道に関する“人権・プライバシー”や、“いじめ”につながる表現を指摘した意見が増加したためである。
【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は331件と前々月(64件)、前月(123件)から大幅に増えているが、視聴者応対に関する苦情がほとんどである。
【CM関係】前月の75件から94件と増えており、その内容は「不適切な表現・内容」とするもので、「宗教団体の不透明なCM」への苦情が目立った。
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放送って何だろうと考えさせられる事件。完全に放送を信じ切ってしまった私たちに、警鐘だったと思ってこの事件を終わらせなければならないのか。オレオレ詐欺に引っかかったわけでないし良かったね。健康が損なわれたわけでないし良かったね。でも、実態がわかるにつれて怒りがこみ上げてきています。捏造、無断借用、何よりも許せないのが英語の部分の翻訳を全くでたらめにおこなったということです。無知な視聴者を完全にだまして。これが、本当に放送局のすることなのでしょうか。詐欺師の行為。洋菓子メーカーの場合は営業停止になり、社長が辞め、そして今後も商品は売れないだろう。それなりのペナルティーは受けたと思う。在阪テレビ局の処分内容を見ると全く「アンフェア」。やったことはどちらも最低の行為なのに国民を騙して営業停止になるわけでもなく、社長が辞めるわけでもなく、ほかの番組が見られなくなるわけでもなく、何のペナルティーにもなっていない。絶対に許せない。信頼回復のためにも、真偽誠実の精神に基づき放送局自ら処分を科すべき。洋菓子メーカーと同様、営業停止も含めて考えていただきたい。
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当方は胃と食道を癌で摘出しているので、たんぱく質の摂取を主に納豆に頼らざるを得ない生活を送っている。最近のニュースや情報番組など複数の番組で納豆の効用を放送したらしく、関西圏でも納豆が売り切れて店頭から姿を消した。納豆を食べればダイエットや老化防止に即効性があるかのような報道をしたために納豆の買占めが起きたようだ。たんぱく質を納豆から得ていた当方としては入手困難になり非常に困っている。最近のテレビ報道は、ひとつの事柄を、ニュース、バラエティー、情報番組などで面白おかしく取り上げて大きな報道被害を生む構造になってきている。こうした報道のあり方について、BPOで何とかしてもらいたい。
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世間全般に関心の高いダイエットを題材に放送されたが、そのダイエット成分を多く含む食材に納豆を取上げた為、全国の大手スーパーより引合いが殺到し、地方市場や納品業者に全く入らなくなってしまった。納品業者のユーザーのうち、30%程度は介護事業や福祉施設、病院などのいわば弱者。関心があるからと言って世論を操作し弱者に被害を与える。こんな事が許されるのか?納豆は翌日すぐ出来る物ではない。今一度、放送のあり方を考えて下さい。
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血圧が高い事もありこの番組を見て納豆を買い集めていたが、放送されたデータに捏造があった事をテレビのニュースで初めて知った。キー局に苦情を言ったが、担当者の上司と名乗る男性が「在阪系列局が制作しているので、そちらに文句をいってくれ」と「すみません」の一言も無くケンモホロロに扱われた。制作したのが何処であろうと私が見たのはあくまでもキー局の放送である。放送局は総務省の許認可事業で、放送した内容はその局に法的な責務があるのだ。
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紅白歌合戦という家族団らんで視聴する番組(しかも今年は「家族」がテーマ)で女性の性を売り物にするかのような内容を放送することは非常に不適切であり、国民の公共放送への信頼を踏みにじる悪質なものであると感じます。国民はこのような番組に多大な予算をかける放送局のために、年間少なくない費用を強制的に徴収されなければならないのか。スポンサーである視聴者のコントロールが不可能ならば、NHKは税金で運営し国民の代表である国会議員の監視下に置いて欲しい。
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年末の格闘技中継について。高視聴率を取りたいための番組構成は理解できるが、過去の放送をあたかも生放送で放映しているかのような演出で番組開始から2時間、未だ本編が始まらない。視聴者が過去のものか生放送か判別できない放送は許せないし、この番組のスポンサーの商品は購入しない。
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先日の火曜日に放送のドラマは医療ミスや凶悪殺人などに対する被害者や遺族が、復讐を依頼して恨みをはらすといった内容。見ていて強い不快感が残り1週間経った今も怒りが治まらない。このドラマでは殺人シーンをリアルに描き、復讐のシーンは面白おかしく短時間で描かれていた。何がいけなくて復讐されているのかも加害者に理解させないで殺してしまう。内容も制作の意図も全く理解できない最悪のもの。実際に被害に遭った方や遺族は恨みを果たしたくても何もできず苦しみ続け本当に辛いと思う。現在も苦しみ続けていることを考えたらこのような番組は作れないはず。でもこの局は作っている。本当に気持ち悪くて制作者の心が信じられない。
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某占い師が出ている番組。日本民間放送連盟放送基準を見てみると『第8章 表現上の配慮』に「(46) 人心に動揺や不安を与えるおそれのある内容のものは慎重に取り扱う。(53) 迷信は肯定的に取り扱わない。(54) 占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」という項目があった。この占い師の発言や態度はこれに抵触するのではないか?また、この占い師は調べてみると様々な黒い噂や情報も流れており、このような人物を番組にレギュラー出演させている放送局にはモラル欠如と思う。
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新春早々(大晦日から正月)不適切ないじめ番組があった。芸人が人をだまし車に手足を縛りつけ鉄缶に体当たりさせ、散々引きずりまわした後、とりもちに埋めるというシーンに見ていて恐怖を感じた。この番組に出演していた関西の芸人とお笑いコンビ、関係者を放送界から追放すべき。
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この番組は日本の医療を誹謗・中傷していたずらに市民を不安に陥れ、医療に対する不信感を募らせることを目的とした極めて悪質な番組である。番組の中で三流役者を医師役に仕立て出演させている。あくまで本物の医師と言う設定である。このように国民に不安と虚偽の情報から医療不信をもたらす俗悪番組を放置するのであれば「放送の倫理」など無いに等しい。医師の多くが貴機構の動静に注目している。
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歯科医師の娘殺害に関連して法医学者が容疑者の深層心理を語るというものだったが、ただの憶測に過ぎないことをあたかも『間違いない』かのような言い回しで語ることに非常な嫌悪感を抱く。また、加害者とその家族への人権侵害ではないかとさえ思った。「性的な興味を持っていたと考えられる」などという発言に際してはあくまで仮説であるということを強調すべきではないか。私は精神医学に携っているが法医学者が何だ?と言いたい。あまりに偏った身勝手な放送で抗議したい。
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この番組は一体いつまで続くのか。「子供に見せたくない番組No.1」等さんざん悪評高い番組でありながら未だに内容を変えず続けているのに腹が立つ。まるで批判している視聴者を挑発しているのかのよう。まだ家族全員がテレビを見ている時間帯に女性タレントまでもが聞くに耐えない言葉や下ネタを大声で言い、司会のお笑い芸人が女性タレントの目の前で素っ裸になって見せたり、「性欲の強い女ランキング」などという相変わらずバカげた内容で大騒ぎしたりとこんな事を面白がって騒いでいる出演者と制作側のレベルの低さに本当に呆れるばかり。貴重な時間帯にこんな酷い内容を垂れ流しにするのはいい加減にしてもらいたい。見なければいいという問題ではない。自分の国がこんな低俗な番組を娯楽番組として平然と普通の時間帯に流している事が恥ずかしくてならない。このような内容のない馬鹿げた番組はなくしテレビ番組の品格を取り戻してほしい。
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在阪局のお昼のラジオ番組。パーソナリティー(元同局アナ)が“吼える”というコーナー内で、公共の電波であまりにも不見識な「生きる価値が無い」「首くくれ」などの暴言を吐いた。反面「自分は正当な意見を述べている」と主張するなど人権・倫理について配慮に欠ける放送を行っている。
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秋田児童連続殺人事件のニュースをゲラゲラ笑いながら話し、容疑者を“ちゃん”付けで呼んだり、人の死に対する取り扱いが目に余る。今回の放送の冒頭でもバラバラ殺人の件で「切断が上手だった」とか、殺害方法について冗談半分で報じており、客席から大きな笑い声が聞こえるなど、社会的感覚が麻痺しているとしか思えない。司会の関西芸人は先日一般人への人権侵害で敗訴しているのに全く反省が見られない。日曜の午後という時間帯なのに、余りにも死に対する尊厳の軽視に呆れる。
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「芸能界のドン」と言われている女性大物歌手が司会をしている番組でお笑いタレント出身の宮崎県新知事との中継があったが、会話の中で新知事に対して女性大物歌手が「お前」と言って会話をしていたのが大変不愉快だった。たとえ昔からの知り合いであったにしても、いやしくも県民の期待を受けて知事となった「県民の代表者」である以上、プライベートではともかく、公の放送中ではもう少し丁寧な言葉遣いで話をすべきではないだろうか。また、番組側も彼女の発言については十分予想できたはず。なぜ、事前に申し合わせをしなかったのか。それとも出来なかったのか。バラエティーだから面白おかしくしようと思ったのか。いずれにしてもあれでは新知事に対しても、そして県民に対しても失礼だ。