放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

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■ 番組委員会 視聴者からの意見

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◆番組全般

 2006年12月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(664件)の53%にあたる350件が “不適切な内容や発言・表現、低俗、下品、モラル欠如”など、番組のあり方についての指摘となっている。
  なかでも【情報ワイド(ワイドショー)・バラエティー・アニメ】に関する意見が多く、“不適切な内容・表現と不適格な出演者”(202件)、“低俗・下品”(109件)、“モラル・倫理観の欠如”(39件)の他、個別番組や特定放送局への意見では【情報ワイド番組】を中心に“取材・報道のあり方”に関する意見(92件)が多く、以下“放送の影響力”(43件)、“公共的な放送のあり方”(30件)、“公正・公平・中立(内容が偏向との指摘を含む)”(22件)、“メディア(取材)規制”(19件)、“実名・匿名報道関連”(14件)の順となっている。
  特に“報道のあり方”や“放送のあり方”については「いじめ」と「自殺」に関する意見が121件(その内「いじめ問題」:98件、「自殺関連」:23件)にのぼり、その指摘は問題の取上げ方や番組自体の過剰なバラエティー化への不満、情報ワイド番組司会者やキャスター・コメンテーターの発言への批判が中心である。
  この他、「政治関連報道(政治問題、政党関係、生活関連法案など)」に59件が寄せられた。
  個別番組では、バラエティー番組の質の低下、スポーツ中継番組への苦情、中学生の妊娠をテーマにしたドラマや、女性占い師の不適切な発言や出演に対し放送倫理上問題であるとする批判などが目立っている。
  なお、「人権等権利に関する委員会(BRC)」への相談・意見(14件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は179件で、前月(218件)よりは少ないものの「自殺」報道を危惧(主として“いじめ”“差別”に関連)する意見が多い。
【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は123件と前月(64件)から倍増した。
【CM関係】前月の39件から75件と倍増している。意見としては、「不適切な表現・内容」とする意見や「差別を助長する携帯電話のCM」への苦情が目立った。

◆概要

<特記事項>(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

  • 今我々が享受している言論の自由は先輩達が命をかけて戦って勝ち取った権利だ。それを日本のTV局は“言論の自由”の名の下に下劣な俗悪番組を垂れ流している。BPOにも番組に対する批判・苦情が多数寄せられているが、TV局はこれらの声に真摯に耳を傾けたのか?自浄能力がないのなら、先日政府がNHKに対し“命令放送”を下したのと同様に公権力介入はどんどん進むだろう。言論の自由は水や空気の様に“あって当たり前”と思ったら大間違いだ。

  • 最近、「いじめ」による自殺報道についての規制なり基準が必用だと強く感じる。報道がむしろいじめ自殺の誘引原因になるほどの集中的報道は極めて憂慮すべき問題である。欧米のメディアによる自殺報道に関してはかなり厳格な基準や規制がかけられていると聞く。いじめの原因を特定することは困難である。それを短絡的に教師や教育委員会や学校の対応が原因であるという報道が目立ち、むしろ親の問題が自殺者と同じ被害者扱いになる傾向を持って伝えられている。だからメディアはどうしても教師や教育委員会や学校の責任を追及するパターンとなり、親の問題にはふれないという編集になる。是非ともこの状況改善の為に規制等を決めてもらいたい。二度とメディアによる連鎖はあってはならない。

  • バラエティー番組を見ていていつも思うのは、人の生死を軽々しく言うような発言で笑ったりしているバラエティー番組が多すぎます。「死ね」だとか「殺す」という最低な言葉を電波で平気で流しているのは問題ではないですか。そもそもこんな言葉は冗談にしても面白くもない。不愉快なだけです。こんな言葉を笑いに利用するな。「いじめはいけない」、「命の尊さを学べ」と言う一方でこういう言葉が氾濫するいまのメディアは憂慮すべき状態にあると思います。放送に不適切な用語はいくつか知っていますがそれらと比べても、人の生死を軽々しく言うこの言葉は不愉快極まりないです。

<取材・報道のあり方>

  • この4〜5か月の間、いじめ問題や高校未履修問題を発端とした“教育叩き”がどのニュースやワイドショーでも行われているが、すべての教員や教育委員会全員が悪いことを行っているわけではなく、熱心に児童・生徒と向き合って真面目に仕事をしている人は数多くいる。悪い面ばかりでなく良い面も同じくらい報道して欲しい。また、現場のことを何も分からないのに知ったような大口を叩く芸能人は非常に腹立たしい。

  • まったく困ります。ノロウィルスについてのニュース、「カキなどの二枚貝の生食が原因と思われ・・・」の報道です。新聞にもどこにもカキが原因とは見つからないのに、「“生食はだめ”」的な報道は一般消費者として食べるのを考えてしまう。市場も大打撃と訴えているところへこのニュース。料理店の宴会などもキャンセルが多いと聞く。乳製品の時も風評被害は少なくなかったのに、ここにきてまた何で!って。弱りました!

  • 殺人事件や交通事故においては加害者と被害者当人のみならずその家族らもその影響を大きく受ける。事件を報じるリポーターは、そうした家族らの複雑、微妙な心情を斟酌した、そんな思いやりあふれる報道をして欲しい。最近は、人の心に土足で踏み込むようなリポートばかりが目立つ。

  • 政治問題をテーマにした番組は不偏・不党であるべき。政府与党を全面的に支持している評論家(未来学者)がコメンテーターとして出演しているが、重要な政策法案について議論する場面にも与党の議員のみを出演させ、野党の議員を出演させていない。報道番組であるにも関わらず偏向的な、与党の広報番組に成り下がっている。不偏・不党の精神を貫いてこそ報道番組と言えるのではないのか。

  • 不法投棄の廃棄物から個人情報が続々出てきたという報道の中で、あたかも問題の廃棄物を扱ったのは産業廃棄物業者であるというような決め付け方をしていた。しかし、番組で問題になった書類などのゴミは市町村の委託による処理業者が扱うべきもので、産業廃棄物処理業者が扱うものではない。ゴミ廃棄事件が起きると、いつでも産業廃棄物処理業者が問題を起こしているかのような報道姿勢は、業者に対する悪意ある報道であり、業者として報道被害を訴えたいくらいである。こうした報道によって、産業廃棄物に関わる仕事をしている人たちの子供たちまで、いじめや仲間はずれなどの被害にもあっている。公共の電波を使って報道するからには、基礎的な調査をして正確な報道をしてもらいたい。

  • ライブドア事件や元大学院助教授の痴漢事件もそうだが、容疑者が否認しているにも関わらず、その容疑者を完全に有罪と決めつけた放送が行われているのが多く見受けられる。このような、裁判前の容疑者を有罪と決めつけることはどこまで許されるのか?2009年までに裁判員制度が導入されるが、裁判の中で明らかにするべきことを先走った放送によって裁判員に容疑者有罪の固定観念を植え付け、裁判結果に大きな影響を与えてしまうのではないかということを危惧する。ロス疑惑でもテレビでは有罪と決めつけた放送が連日連夜行われたが、結果は被疑者(推定)無罪になっている。当時もし裁判員制度を導入していたなら、テレビを見た裁判員は被疑者を有罪にしてしまったのではないかと思えてならない。これらについて議論をしてほしい。

<不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢>

  • 近年、番組の質が落ち嘆いており放送の将来に危機感を感じざるを得ない。どの局を見てもお笑いタレントが出演し低俗な番組ばかりだ。視聴率を取るためだろうが残念でならない。また、テレビショッピングは番組全体がCMになっている。地方では、テレビショッピング番組の編成が全番組の35%を超えた局もある。もっと視聴者のための放送局であって欲しい。何らかの規制が必要ではないか?

  • 各局ともアナウンサーの教育が全くなされていないためか、イントネーションや言葉遣いの乱れがはなはだしい。「放棄」と「箒」、「厚い」と「暑い」などのイントネーション、湿度を「ひつど」と読んだり、フレーズ間の息継ぎが荒ら荒らしく下品だ。「○○会議が開催されました」とすべきところを「開催しました」と表現するケースが多い。身の「処し方」が(ほどこしかた)と、「遊興費」が(ゆうこうひ)と読まれたりしている。放送は免許事業なのだから、「日本語の乱れ」も免許条件のひとつにすべきだ。本来は各局が自主的にただすべきだが、今やそういってはいられないほど乱れている。

  • お笑いコンビの片割れが司会の番組で、その司会がコンビの相方やコメディアンの頭を何度も叩いた。この男は他にも司会をしている他局の番組でもゲストの頭を叩く事があった。人気があるのだろうが、傲慢・思い上がりも甚だしく、よく「死ねばいいのに」などと発言している。こんな態度の悪い礼儀知らずな人物を出演させている日本のテレビは社会常識がない。

  • 医学的な誤りや制度に対する理解不十分に基づく不適切な内容が多く、勤務医の私は見ていて悲しくなった。特に産婦人科関係の部分は医学的に滅茶苦茶な内容だった。また、告発匿名産婦人科医として登場した医師は男性であるにもかかわらず、女性用の白衣を着用していた。現場の人間が見たらできの悪い芝居であることはすぐにわかるが、一般の方が見た場合には、本当の医師が告発しているように受け取ってしまうのではないか。医療関係の番組を制作する時はきちんとした考証が必要であると思う。

  • 精神障害の病名を笑いのネタにしていた。13時10分頃、ゲストのお笑い芸人が相方に対し「この子多動なんです」と病名をネタにしていじめ、観客の笑いを取っていた。自分の子供も自閉症で悩んでいるが、この様な行為を絶対に許すことは出来ない。また、録画番組にも関わらず何故担当者は編集しないのか、放送局の倫理観も欠落している。局に苦情を言ったが、女性担当者には「番組担当者が会議なので分かりません」と冷ややかな応対をされた。

  • テレビはNHKと民放の2局しか受信出来ない地域のため、早朝は出かける前の支度をしながらラジオを聴いているが、早朝には相応しくない下ネタの話しが多い内容だ。山間部で生活しているため一般の企業勤めの人達に比べれば確かに早い時間帯だが、朝は交通や生活の情報番組にして欲しい。局にも苦情と要望を言ったが全然変わらない。

  • 潜水を競技する企画について一言。競技中に失神した人をゴールデンタイムでカットせずに写すとは何事だ?深夜でも映してはいけない上に、潜水をバラエティー番組の企画で安易に扱うスタッフらもどうかしている。潜水とは習得したものでも危険な面があり、真似をすると極めて危険な行為である。この番組では、それ以外に怯えている人に対して水中高飛び込みを無理にさせたり、陸上競技で敗北した者にパイを投げつける行為を行っているが、スポーツをバカにしているのではないかと思う。このテレビ局は、以前不祥事を起こした時に免許を剥奪された方が良かったのではないのだろうか。

  • 民放のフィギュアスケート競技の中継番組を見ていたら、画面の右上に”Taped Coverage”(録画報道)の字幕が出た。録画なら録画と正直に日本語で表示すればいいものを、この部分だけ英語にして誤魔化している。なぜこういう信用をなくす様な事をするのか。このテレビ局の視聴者を馬鹿にした放送は許せない。

  • 東京キー局のフィギュアスケート中継について局には何度も苦情を申し入れたが改善が見られない。過剰な女子種目偏重(特に10代の選手に執着)で、男子・アイスダンスがほとんど放送されない。アナウンサーがとてもうるさく他の局と比べても最低レベル。選手への敬意や配慮が不足しています。視聴率だけが目当ての放送権獲得のようですが、あまりにも勉強不足で耐え難いシーンがいっぱいです。今後はNHKに放送権が戻ることを切に願います。

  • 雇用についてフリーター、パート、アルバイトなどの言葉が乱発されるが、これらの言葉は差別語ではないか。自分は分類からいうとフリーターになるんだろうが、フリーターはぶらぶらしているという響きが強い。自分はフリーターで生計をたてているという自負があるがフリーターと表現されると差別表現だと強く感じる。マスコミとしてはそうした言葉の使い方が差別を生み出していることを反省し厳密な定義づけをして使用して欲しい。

  • 最近批判の多いこの局には倫理観というものが無さ過ぎる。いじめや女性差別をやめようと言っておきながら女性ペルー人出演者なら許すのか。年上の人を「こんな婆なんか誰も相手にしない」とか、一生懸命子育てをしている日本女性の事を「日本人母の格好は汚いから浮気されても仕方無い」などと好き放題言わせ、その一方で南米はこんなにも素晴らしいなどと根拠の無い事を言っている。こんな輩に好き放題言わせているから、日本人に対して罪を犯してもいいと思う愚かなペルー人が出てくるのだ。こんな人間を出している局も事務所もスポンサーも同罪である。これではいじめも差別もあっていいと言うのと同じだ。公共の電波を使った暴力行為ではないか。ペルー人なら何を言っても許されるわけではない。ペルー人と関係者に対し放送倫理上対処が必要だ。

<その他、番組全般>

  • 命の大切さや、家族愛、友達など、とても考えさせられる番組でした。深夜の2時という、とても遅い時間帯の“贈り物”と称した放送でしたが、この番組をぜひ、夕方の6時台とか、子供さんなども見られる時間帯に放送してほしいです。番組を見てとても感動しました。

  • 近年「ニュースのワイドショー化」が叫ばれて久しいが視聴者の批判そっちのけで改善されるどころか益々ひどくなっている。よほど時間を掛ける内容がない限りいきなり芸能やスポーツ、新聞記事の紹介で10分近く掛けた後、ようやくメインニュースに入るなど無駄に時間を掛けすぎている。それに、最近CMを挟む回数が減るどころか更に増えている気がする。放送時間を長くするのならスポーツやニュースに掛ける時間を増やすなどもう少し内容の充実を図るべきではないだろうか。

  • 最近、視聴率が取れれば内容など気にしない番組が多すぎる。ライブドア事件で風説の流布で逮捕されてもおかしくない詐欺まがいの女占い師が未だに好き放題言っている番組や、ボクサーを祭りあげるだけのボクシング中継、世界でメダルを狙える程の実力も実績もないのにタレントがはしゃいで煽るバレーボール中継。番組制作にかかわっている人間の程度の低さが知れる様な番組ばかり。一体いつまでこんな状況で放置しておく気なのか?

  • 日曜日の討論番組で、岐路に立つ同和行政と題し部落解放同盟問題を取り上げていたが、当たり障りの無い表面だけの討論だった。横領事件や、奈良市職員が5年病欠であったにも関わらず給与が満額支給されていた問題など、既に報道された事件ばかりで、部落解放同盟という肩書きがどのように利用されたのか問題の核心を突いていなかった。名刺に刷り込んだ「部落解放同盟」という肩書きが、“恫喝”として利用されている事実を出演していた同盟の幹部と討論すべきだった。

  • 民放のフィギュアスケート競技の放送は本来のスポーツ放送のあり方から逸脱している。ワイドショー的な過剰な演出。競技を理解していない実況。出場選手への配慮を欠いたリポーターの言動などが問題である。このような放送ではフィギュアスケート本来の魅力が伝わらず、結果的にこの競技を支える健全なファン層の育成はもとより、この競技の人気を一過性のものにしてしまう恐れがある。

  • 最近の政治討論番組やワイドショー番組に乱暴な言動の元政治家や自民党寄りの政治評論家がよく登場する。公共の電波を使うからにはもっと公平に出演者を選ぶべきである。

以上