放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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   委員紹介
   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

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■ 番組委員会 視聴者からの意見

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◆番組全般

 2006年10月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(749件)の60%にあたる446件が“不適切な内容や発言・表現、低俗、下品、モラル欠如”など、番組のあり方について指摘している。
  とりわけ【情報ワイド番組・バラエティー・アニメ】などに関する意見は多く、「不適切な内容・表現と不適格な出演者」(284件)、「低俗・下品」(111件)、「モラル・倫理観の欠如」(51件)の他、個別番組や特定放送局への意見で、中でも【情報ワイド番組】については「取材・報道のあり方」に関する意見(140件)が多く、以下「放送の影響力」(69件)、「公共的な放送のあり方」(47件)、「公正・公平・中立(“内容が偏向”との指摘を含む)」(23件)、「メディア(取材)規制」(18件)、「実名・匿名報道関連」(8件)の順となっている。
  また、「報道のあり方」や「放送局の姿勢」についてはいじめによると見られる[中高生の自殺関連報道]は29件であるが、“いじめ”に関する意見を見ると66件(番組委員会12件、青少年委員会43件、人権2件、その他9件)と、9月から過去3か月平均の15件を上回っている。更に、核実験をはじめとした[北朝鮮関連報道]25件(その他東アジア関連意見では中国:8件、韓国:7件)、10月からスタートした[中学生の妊娠をテーマにしたドラマ]への意見22件、[政治関連]14件、[消費者金融CM関連]13件、[飲酒運転事故関連報道]12件などであった。
  個別番組では、早朝からの情報ワイド番組司会者の発言への批判や、中学生の妊娠をテーマとしたドラマのあり方、女性歌手によるトーク番組への発言批判、食生活からADHD(注意欠陥/多動性障害)を引き起こすことを紹介した番組への指摘、女性占い師の不適切な発言への批判などが目立っている。
  なお、「人権等権利に関する委員会(BRC)」への相談・意見(19件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は131件で、前月(99件)より32件増えている。
  【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は88件と前月(126件)より減少したが、局側の言葉遣いや態度の悪さを指摘する意見が圧倒的に多い。
  【CM関係】では前月(52件)より3件減少し49件であった。意見としては消費者金融や生保業界のCMの多さを指摘する意見とともに、「不適切な表現・内容」とする意見が寄せられている。

◆概要

<特記事項>(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」から抜粋)

  • 今回の自殺事件の取材で、子供たちの登校途中を捕まえてマイクを突きつけたり、家まで追いかけたりするので、子供が情緒不安定になり学校に行きたがらなくなってしまった。子供たちにとっては同級生が亡くなっただけでも大変な出来事なのに、聞き取りなどが行われてさらに大きな傷を受けている。内情を知っていても言えない事が多いのに、遺族の方々の側に沿った一方的な報道がされて、先生ばかりではなく子供たちまで傷ついている。新聞社も含めて早く報道をシャットアウトしてもらいたい。

  • 福岡中2男子自殺事件を各報道番組で取りあげているが、校長や当該教師、教育委員会に対しての批判は聞かれるものの、当のいじめをしていた生徒およびその保護者に対しての責任の追及などの声はほとんどないように思う。人間形成を担うのはあくまでもまず親が第一の責任者であり、中学生なら先生や友達の不適切な発言に対して「NO!」をつきつけるだけの心を持てるように育ってなければならないのではないか。このような視点から追究した番組作りを期待している。

  • 放送中に「北朝鮮が2回目の核実験をした」というニュース速報を流した。2回目をやりそうだとは素人にもわかるが、事実確認もしないでニュース速報などを流すのはマスコミとしてやるべきではない。真実を放送するからこその報道の自由である。民放局では誤報を認め謝罪したが、NHKは訂正も謝罪もない。

  • 菅総務相が北朝鮮による拉致問題を、NHKの国際放送で重点的に取り上げるよう命じる方針を表明したが、これは“報道の自由(放送の公平・公正、放送局の自主自立と編集権)”に関わる重大な問題だ。現在軍人恩給を受けている身であるが、国家のこのような放送命令は戦前戦中の報道管制を彷彿させる。この問題は最近のNHKの民放化にも原因があると思うが、今後他の報道機関にも及ぶ問題だと認識し阻止すべきであるにもかかわらず、何故か民放では取り上げていない。

<取材・報道のあり方> 

  • 川口市の保育園児事故に関する報道を見ていると、どうして事故を起こしたのか、どのようにすれば事故を防げるかなどを掘り下げた報道をするより、加害者個人に関する報道のほうが目立つ。重大な事故を起こしてしまった加害者は確かに悪いが、事故とは直接関係のない家族関係や中学時代のエピソードなどを暴いてさらし者にするのは行き過ぎである。加害者という立場といえども、個人の人権は守られるべきではないか。個人の周辺の情報を暴きたてて叩くのは、マスコミの暴力であり加害者をさらし者にしたリンチである。このような加害者個人の情報を暴くことに力を注ぐよりも、どうしたら交通事故をなくすることが出来るかなどのマスコミとしてのキャンペーンでもやるべきである。

  • 国会で消費者金融の金利を下げる法律の議論が行われているが、消費者金融がスポンサーになっているニュース番組では、その事について放送が行われていない。逆にスポンサーに入っていないニュース番組では放送されて色々とコメントがされていた。やはりスポンサーに不利な内容は放送されないのか?ニュース番組にスポンサーは必要ないと思う。 

  • 法務省が最高裁に判断を委ねた問題を、夫妻側の会見に同調した報道をしていた。女性タレントと、元プロレスラー夫妻が米国で代理出産し、品川区に出産届を提出した。東京高裁の判断で一度は受理されたが、法務省が品川区と協議し、最高裁の判断を仰ぐ必要があるとの結論で品川区が高裁に許可抗告し、高裁が許可すれば最高裁が審議する事になる。ガンで子宮を摘出した多くの女性がいるが、代理出産は法律上の問題や多額の金額を要するため、殆どの夫婦が養子縁組等で凌いでいる。このような問題は有名人という話題性だけで取り上げるのではなく、法整備が不可欠な事も併せて報道するべきである。

<不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢>

  • 交通事故で息子を亡くしたことから、番組内容に興味があって視聴した。番組では同様にお子さまを亡くされたご遺族が出演していたが、霊能者は「亡くなったお子さまの魂を連れ戻さなくてはうかばれない」ということで、事故現場から魂を連れ帰るという趣旨の行動を行っていた。番組の趣旨は、このような不幸なことを経験した人の気持ちを救済していくようなものだと思ったが、逆に見た人の気持ちを傷つける内容になっている。

  • 「雑種犬が家に戻ってきた時、自分の飼い主が見知らぬ血統書つきの犬をかわいがっていたら?」というお題で実際に検証をするものだった。気性のおとなしいレトリバーを次々と雑種犬と体面をさせ、嫉妬に駆られた雑種犬が血統書の犬に対してどのような行動を起こすかを検証していた。中にはそのレトリバーが抵抗せず震えながら噛まれているシーンもあり、見ていて耐えられなかった。この企画は悪質な行為で精神的苦痛を与える動物虐待行為にあたる。

  • アナウンサーのセクハラ問題やチーフ・プロデューサーによる多額の裏金の問題等民放関係者の不祥事が続いているが、当該放送局の不祥事に対する取り扱いがあまりにも低く、局の姿勢として問題ではないか。同様の不祥事がNHKで発生したときには散々批判しておきながら自局の問題に対しては逃げ腰で、処分と対策等は甘すぎる。こういった態度では今後、各種の社会問題を取り上げて批判する資格は全くない。

  • 某キー局は映画の撮影のため東京・福生市の駅を何日か使用して一時的に立ち入り禁止にし、そのため私は電車に乗り遅れた。女性スタッフに「今使用中なのでこないで!」と言われ反論したが全然聞く耳を持たなかった。その駅では電車は1時間に3〜4本しか出ていなく一本遅れると次が来るまでにまたしばらく待たないといけない。しかも、スタッフの態度が非常に悪い。他局の長時間テレビのマラソンでの事をこのテレビ局は散々批判していたが、全く同じことをやっているではないか。

  • 朝の情報番組などで、必要以上に“人気タレント”や“お笑いタレント”の登場が増え、最近は政治や経済、事件などを伝えるワイドショー番組の司会まで務めているが、彼らを起用する制作側の意図が理解できない。アナウンサーの中にはニュース原稿を読むのに上手とは言えない人物も多いが、それでも彼らはニュースを中心に担当をしている場合が多い。司会は各局のアナウンサーで充分ではないか。

  • 新聞記事を引用しニュースを読み上げるコーナーで、某紙の記事が読まれた。その中に間違いがあったので、新聞社に問い合わせたところ間違いを認めた。それをふまえ放送局に電話したが、局は「私達が書いた記事ではないから知らない」と言った。テレビで放送するなら、内容に間違いがないか確認するのが放送する側の責任ではないか?それを確認もせず、そのまま放送するのは無責任だ。間違った言葉は放送されることにより、正しい言葉と認識されることも多い。指摘しても「関係ない」というような返答しかなく話しの途中で電話を切られた。放送局といえども一企業として視聴者の対応を改めるべきだ。

  • 女性キャスターと民主党国会議員との不倫騒動のために本人が昨日から休みをとっているが、局として何らかの説明、見解、謝罪などを一切しないのはおかしい。同社の視聴者センターに電話したら「緘口令がしかれている」ということ。乳製品から始まって瞬間湯沸かし器、エレベーターなど企業の不祥事は執拗に追及するのに自分の問題になるとダンマリでは報道機関とはいえない。他の民放局やNHKの使い込みよりももっとたちが悪い。民主党に配慮しての対応かと勘ぐりたくなる。

  • キー局アナウンサーに続き同局アナウンサーのセクハラ問題が発覚したが、このテレビ局の総合広報部は「詳細については申し上げらないが、就業規則違反の事実があり、降格処分をした」「実名報道はプライバシーに関わるので…」とコメントしたが、同時期の元客員教授のセクハラ行為は実名で報道している。局アナ同様に、一部マスコミ(週刊誌)が今回のアナウンサーのセクハラを報道しなければ続投させていた可能性すらあるが、2次的被害者を出さない為にも実名報道すべきである。もし、広報部の発言を“報道の自由” “言論の自由”と言うのであれば電波は兇器だ。

  • 「このあとすぐ○○と○の試合」と何度も繰り返しながら、まったく違う試合を放送し続けている。BPOのHPでもいつも指摘されているがまったく改善されていない。「このあとすぐ」という表現に対する指標を作るべきだ。

  • 移植医療や救命救急に焦点をあてた番組で、以前は傷口などのシーンに画像処理を加えていたが、ここ最近は処理をせず鼓動している心臓や内臓をそのまま映している。放送時間が食事時間帯に重なると気分を害し、医療関係者以外の一般人は内臓を見るに耐えられない。民放各局への指導をお願いします。

  • 北朝鮮の暴虐な振る舞いは止まりそうもないが、「拉致はでっちあげだ」と言っていた人間が未だ知識人面して責任もとらず、テレビに出ているのはどういうことか。日本列島を越えて太平洋に墜ちたミサイルを「人工衛星だ」と強弁した人間が未だに司会者をやっている番組が日曜の午前にあるが、この局の良識は一体どうなっているのかと問いたい。

  • 今回のテーマは「デカ盛り」と称する“大食い番組”。中学生が死んで社会問題となり中止した“大食い番組”を、テレビ局は10月1日と19日復活させた。まさに、喉もと過ぎればなんとやら…社会の批判を浴びた好ましからざる番組を、何の反省もなく、恥も外聞もなく再び電波に乗せたこの局の姿勢は許せない。しかも、この日の内容には“やらせ”の臭いがプンプンしていたのも問題だ。抗議に対して同局はどんな調査か知らぬが「“大食い番組”を見たいと望んでいる人が60%以上もいる、だから放送した」といい訳をしたがとんでもないよ。

  • 朝の情報ワイドで「いじめ」に関する視聴者からの手紙を積み上げ4千通を超えたことを紹介しその中から3通を取り出して読み上げていた。司会者はそれに対し「天誅を下す」とか「学校名をバラス」とか言っていたが、それぞれについて徹底的に取材・追及すれば許されるが、ただわめくだけでは問題の解決にならない。

<その他、番組全般>

  • 全盲の視覚障害者であるが、天気予報で「ご覧の所に大雨洪水注意報(警報)が出ています。今後の予報に注意して下さい」とアナウンスしているが、注意報が出ている地域を読み上げない限り、障害者は避難する事が出来ない。人命に関わる災害情報は、ハンデキャップを背負った障害者が避難する為の最低限の情報だと認識すべきである。また、宛先や連絡先等も「こちら」ではなく、読み上げるべきである。

  • 専門医ではない医師の「食生活からADHDになる」というような誤解を招く発言は、全国のADHDの子ども達の生き方に大きな影響を与える。ADHDは脳の機能障害で生まれながらに持つ特性が日常生活に支障をきたすものに対しての診断名で、ADHDそのものに“キレル”ということが在るのではなく二次的障害として“キレル・不登校・引きこもり”があり、あの発言はADHDと二次障害を履き違えたものだ。専門医でない人の意見を全国放送で流し、多くの児童と生徒、保護者に誤解と悪影響を及ぼす結果となった。

  • 女性占い師が結婚20数年の子供のいない芸能人夫婦に「外腹をつくりなさい」と言った。亡くなった姑の言葉を代弁したとの事だが不妊夫婦にはあまりにも残酷な発言である。子供が出来ない夫婦がどんな思いで先の見えない苦しい治療をしているか。どれだけ精神的金銭的負担が大きいか。彼女もひどいが流した放送局もひどい。

  • 民放各局のBSデジタル放送は朝から晩まで通販番組だらけで、いってみればCMを垂れ流しているようなものだ(通販番組はCMとしか思えない)。余りにも無責任、節度が無さ過ぎる。公共の電波の無駄づかいだ。民放連はBSデジタル放送のCM規制(通販番組を含めて)を厳しく行うべきだ。

  • 中国残疾人芸術団によるダンスパフォーマンス「千手観音」を紹介していたが、カメラワークが最低だった。せっかくのすばらしい企画が、頻繁にカメラを動かすことで、本来の美しい動きが半減した。

  • 民放のスポーツ中継は、スポーツを純粋に楽しむことができない。サッカー中継は実況が絶叫しすぎ。モータースポーツはレース前の貴重な時間を無知なタレントの無駄話に費やすだけ。スポーツ中継は現場に行けない人が、正確な情報を得、現場の臨場感を感じることができるものでなければいけない。スポーツ中継を無理矢理感動ドラマにしようとしているのもおかしいし視聴率にもとらわれすぎ。NHKのように普通に事実のみを伝えれば、それが純粋なドラマでありスポーツだと思う。

  • 昨今の番組に出演する“お笑い芸人”の品のなさ、ひいては各放送局の番組の質の低下が著しい。特に“いじめ”を助長するような言動が著しい。これは“教育問題”にもつながる。また、高齢者(今まで苦労して家庭、地域、会社、日本を支えた人達)に対して最近のテレビ界は“思いやり・優しさ”が欠けている。報道番組にしてもキャスターやコメンテーターの自己主張が強く、バラエティー番組に至っては企画や出演者のレベルが低くとても“娯楽”とは言えないものばかり。テレビは若者中心の文化になっている。

  • 2011年に地上デジタル完全移行と言われているが高齢者への配慮が不足し高齢者無視の一例だ。今や社会の1/4が高齢者で、私も含めた“年金生活者”(その殆どが低所得者)にとって、毎日の暮らしで一番の楽しみはテレビなのにそれが奪われようとしている。まだ使えるテレビの買い替えなどしたくないし、一斉に買い替えをしたら低所得者(年金生活者)の負担やゴミ問題はどうなるのか。結果は中国、北朝鮮を利するだけのことではないか。

<CM>

  • チャンネルを変えていたところ、あまりにひどいCMが夜9時台に流れているので驚いた。テレビ局は社会公共性や倫理が求められるべきものであり、CMについても審査すべきではないのか!“頭髪”のCMで、AVに出てくるような若い女性が下品にビキニ姿でしつこく勧誘するものだったが吐き気がした。CMの質についても即刻見直すべき!

  • 保険の契約でCMの電話連絡先に電話してもCMで表現されている保険金額が提示されたことがない。年齢、職業を言った途端に金額が変わる。「CMどおりの金額で」というと、応対者は「あれはCMですから」と逃げる。看板に偽りありだ。

  • 携帯電話会社のCMで番号ポータビリティー制度やワンセグなどサービスの売り込みはよく見るが、携帯マナーを守る呼びかけのCMも放送してほしい。

以上