2006年9月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(735件)の51%にあたる378件が“不適切な内容や発言・表現、低俗、下品、モラル欠如”など、番組のあり方について指摘している。
とりわけ【情報ワイド番組・バラエティー・アニメ】などに関する意見は今月も多く、「不適切な内容・表現と不適格な出演者」(213件)、「低俗・下品」(119件)、「モラル・倫理観の欠如」(46件)の他、個別番組や特定放送局への意見で、中でも【情報ワイド番組】については「取材・報道のあり方」に関する意見(159件)が多く、以下「放送の影響力」(57件)、「公正・公平・中立(“内容が偏向”との指摘を含む)」(49件)、「公共的な放送のあり方」(34件)、「実名・匿名報道関連」(33件)、「メディア(取材)規制」(17件)の順となっている。
また、「報道のあり方」や「放送局の姿勢」については[政治関連(総選挙、政治家、報道姿勢など)]の意見が54件と多く、次いで続発する[飲酒運転報道]26件、[実名・匿名報道]25件(そのうち16件は“山口高専女子学生殺害事件”での未成年容疑者実名報道)、[アジア外交(韓国、北朝鮮、中国)関連報道]25件、[アナウンサー不祥事関連]14件であった。
一方、個別の番組や放送局に対する意見では[秋篠宮妃ご出産]に際し、“皇室報道のあり方”や、“皇位継承についての電話アンケート(テレゴング)の手法と結論の出し方”および、“コメンテーターの不適切な発言”に対する批判(58件)が多く寄せられた他、飲酒運転や、アナウンサーの不祥事に関して放送局の報道姿勢や倫理を問う意見が目立った。
なお、「人権等権利に関する委員会(BRC)」への相談・意見(11件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念等は99件で、前月(86件)より13件増えている。
【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は126件と前月(164件)より減少したものの、今月は“放送局の電話応対の悪さ(『聞く耳を持たない』『言葉遣いや態度の悪さ』)”を指摘する意見の他に、“報道の姿勢”や“番組制作の姿勢”を指摘する声も多い。
【CM関係】では前月(58件)より6件減の52件で、意見としては「不適切な表現・内容」とする意見とともに、“消費者金融や生保業界のCMの多さ”を指摘している。
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司会者が「親王様も天皇になるまで生きられないかもしれないし…」という趣旨の事を発言していた。これは犯罪予告か?あきらかに人権蹂躙だ。生まれたての赤ちゃんにも人権はある。
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秋篠宮家に親王が誕生したニュースを伝える際、女性アナウンサーが「一応、おめでとうと言っておくべきなんですかね」と親王誕生に対し露骨に不快な顔をし、それを受け男性司会者が「おめでとうのコメントを業界用語で略すと“おめこめ”になるんですよ。“オメコメ!”」と茶化した態度で答えた。“オメコメ”は、関西では卑猥な俗語に近い言葉だ。天皇家のお子様に何という非礼な発言だろうか。とても不愉快だった。
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アナウンサーが携帯カメラで女子高生のスカートの中を盗撮し書類送検された件でテレビ局は本人の氏名も公表せず、被害者に対する詫びの一言も無かった。今回同局のアナウンサーが系列の女子アナウンサーにセクハラ行為をした問題で、同局総合広報部は「詳細については申し上げられないが…降格処分をした」と話し前回と同様にお詫びのコメントが一切無かった。
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プライムタイムの放送にも関わらず、毎回々電話で話せないような男女の卑猥な話に終始している。免許制度のFM放送局でこのような内容の番組が許されている事に疑問を持つ。もし、何ら指導を受けていないのであれば、免許制度そのものに疑問を持つ。
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美容整形外科女医が個人情報を得意げに話していた。同局の昼のショー番組に出演した時にも今回同様に、美容整形に訪れた患者の様子を話していたが、このような行為は「刑法134条」に定めた医者としての守秘義務に違反している。放送局は生放送の場合でもお詫びのコメントをするべきである。局に苦情を言ったが担当者は「ハァ?」「そうですかね」等と応対し、全く聞く姿勢がない。
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大阪の女性社長を紹介していたが、自閉症と障害者について誤解を与える表現があった。「障害者を積極的に雇用している」という話の中で、女性社長は「引きこもり、いわゆる自閉症ですね」という表現をした。もしかしたら編集したのかもしれないが見ている限り、“引きこもり”と“自閉症”を同様に捉えていると思った。その後の番組は、引きこもりと思われる若者が、働き出し次第に生き生きしているという結論だった。自閉症は、しつけや環境で治ると思われても仕方のない表現だったと思う。もちろん、他の捉え方があることも理解できるが有名な番組だけに残念だ。
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最近のアナウンサーの言葉遣いの乱れが気になる。例えば天気予報などで「風が吹く予定です」というのはおかしいし、「子孫に美田を残すな」というところを「美談を残すな」などと言い間違えたりする。また、食べ物を扱う番組で男女ともに「美味い」とよく言うが、食べ物に関しては「美味しい」と言うべきではないか。民放ならいざ知らず、公共放送であるからには言葉の乱れには特に気をつけてもらいたい。
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サブタイトルは“人間の病気を犬が発見し癌予防を進めたい”で、犬が癌を匂いでかぎわけられるといった内容。癌細胞はDNA遺伝子の一部が変化したものであり、細胞から出る匂いはない。基本的な科学的根拠がない中、間違った世間の知識と期待によって世間を騒がせた罪は重いと感じる。体臭を含めて匂い成分を作り出すのは、食物を人体で分解した際に出てくる匂いと、汗等が体表面についた細菌によって匂いがする場合の二種類に分けられ、呼気からの匂いというのは口臭以外に無く、口臭は歯周菌他から発せられるため癌とは基本的に無関係だ。こうした事実を検証せずに報道したテレビ局には、今後何らかの形で社会的責任をとらされる可能性があると考え、速やかなる科学的見解を示しておかなければならないと思う。昨今この局は科学的根拠がなく間違った知識を視聴者に与える番組を制作している。
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町の発明家達が発明のアイデアはどんなことから生まれるのかを夜のラジオで語り合っていた。話はアイロンの様々な使い方を考えてみようという展開で、「漬け物石」とかいろいろなアイデアが出される中で或る人が「アイロンのコードは首吊りの練習に使える」と答えた。余りにも非常識な発言なので驚き、ショックを受けた。子供と聴いていたのだが、あわてて他の局に切り替えてしまった。アナウンサーのフォローもなく公共放送がこんな発言を電波に乗せるなんて信じられない。
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少年法改正について、コメンテーターが「厳罰化はおかしい」と発言していたが、その裏付けとなる再犯者の増大率、凶悪化率とか種々のデータを示すこともないし、言葉で数値すら述べないのは説得力を欠いたとしか云えない。
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バラエティー番組等で“ハーフ”と言う呼称が連発されているが、再考を要望する。ドイツ系の米国人の父親と日本人の母親の間に生まれた人間であるが、日本では“ハーフ”の呼称は「半人前」又は、「あいのこ」「混血」等の意味合いに使用される、人種差別的用語である。英語圏でこの言葉を使用すると、殺人事件に繋がる恐れがある。このため、一般的には「ミックス」が用いられている。現在日本の報道等でも人に対しては使用されていないが、スポーツ番組を除く他のジャンルの番組においても使用するべきではない。
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ケンタッキー州航空機事故の事故原因を「間違えて短い滑走路に進入、離陸するのに必要な浮力が得られず墜落」とスーパーもキャスターも放送していた。浮力とは「船が水に浮かぶ原理」で、航空機は「揚力」で飛んでいるもの。浮力の定義=水などの流体中にある物体には、重力とは逆の方向の力が作用する。この力を浮力(ふりょく)と言う。揚力の定義=水中で浮かそうと働く力が、静的な場合を浮力といい、動的な場合を揚力という。水泳ではその総合して働く力を、浮揚力といっている。人間の比重はだいたい1前後だが、個人的な差と呼吸をしたときとしないときの違いがある。これに対し揚力は、スピードに比例して増加する。そしてスピードは推進力に比例し、抵抗に反比例する。どちらも流体である以上、水も空気も同じ原理と考えると何もしないで空気中に浮く、熱気球、水素、ヘリウム、など空気より比重の軽いものでないと空気中には浮かばないことになる。何度か訂正をお願いしたが聞き入れてもらえなかった。
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番組の予告があり「このあとすぐ」と言っていた。そこで聞きたい。「すぐ」とは@CM放送後、他の番組は入らず放送するということ。A「すぐ」と言った直後に放送すること。どちらなのか。子どもが見ている時にどう説明したらいいのか。クライマックスの直前でCMが入った場合、すぐに他の番組に替えている。また、替える前後のCMの商品は買わないようにするなどささやかな抵抗をしている。
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テレビ局が異様に執着して「視聴率○○%達成」とよく騒いでいる。視聴者にはどうでもいい話である。視聴率が高かろうが低かろうが、つまらないものはつまらない。ただそれだけであり、「高いから私も見ます」という性質のものではない。テレビ局は異常とまでは言わないけど異様だ。疑問として、“視聴率の信憑性”に懐疑的になってしまうことが多い。安っぽいドラマや芸とも呼べない堕落したお笑い番組が高視聴率の場合、低いギャラ(?)のタレントをひな壇に座らせ、「ギャー、ギャー」2時間気ままに喋らせ、簡単かつ低予算で番組を作る。それを“高視聴率番組”と流布すれば、CMスポンサーは似たような番組にも喰いつく。もしこんな“楽をして金を儲けるスタイル”が放送界にあったとしたら大変なことだ。
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各局で地上デジタル放送のPRスポットを放送しているが、それがどういう物かを十分に説明する必要があると思う。単純に「綺麗になる」や「チャンネルが増える」等ではなく、沢山の税金が使われる事や利点が明確ではない事を説明するべき。放送局側にとっては嬉しいだろうが、利用者側にとっては必ずしも良い事ばかりではない。最大のメディアであるテレビが悪い所を言わずに良いイメージだけを伝えているのは問題だと思う。
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タイトルは「生テレビ」となってはいるが、今年の1月から8月までの間で既に4回も録画の放送であった。生放送ならば電話やネットで視聴者側からも番組への参加が可能であるが、録画ではそれが出来ない。今年に入って半分が録画と言うのでは生放送を期待して見ている視聴者への裏切りであり、「生テレビ」というタイトルは変えるべきである。また、録画の場合にはその旨視聴者に分かるように番組表に明示すべきである。テレビ局に電話をしたら、「出演者の調整がむずかしいから」と言っていたが、そのような出演者は出さなければいいのではないか。
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シンクロナイズドスイミングのワールドカップを放送しているが、リアルタイムの放送ではなく録画・編集したものであることを明示しない放送である。録画したものをリアルタイムのごとく装って放送するのは、視聴率を上げるために民放のスポーツ番組で時々使う手法であり、かつてバレーボールのワールドカップでも同様の手法を使った。すでに結果が出ているものを編集して放送しているのであればその旨をテレビ欄に明示すべきであり、放送中にもその旨を言うべきである。
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“県民性”の番組タイトルを見ただけでゾッとする。一時期、血液型で行動パターンを分別して人格まで決め付けるような番組が多数放送された際に問題になったはずだ。なぜ同種の番組は問題ではないのか。ましてや“県民性”など、血液型以上に科学的根拠もなければ統計的根拠もない、単なる思い込みや番組制作者の勝手な意図を押し付けるだけのプロパガンダではないか。最近はこういう番組だけでなく、報道やドラマなどでも勝手な県民性を押し付けるような傾向が強まっており、その烙印を押された側の県民にとっては人権にかかわる問題にもなりかねない。