全体的には2006年6月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(805件)の50%にあたる400件が【報道・情報系番組関連】意見。同じく【バラエティー・ドラマ・アニメ関連など】も404件、50%となっている。
【報道・情報系番組関連】では「取材・報道のあり方」に関する意見(232件)が多く、以下「放送の影響力」(61件)、「公正・公平・中立(“内容が偏向”との指摘を含む)」(29件)、「公共的な放送のあり方」(25件)、「メディア(取材)規制」(20件)、「匿名・実名報道関連」(15件)の順である。
特に、[秋田小1男児殺害事件]報道における「取材・報道のあり方」への意見(101件)の中では、“憶測報道と人権問題”、“過熱取材(メディアスクラム)”および“容疑者名表記”(事件関連意見101件中26件)に集中、[女子大生誘拐事件](12件)や、[奈良高校生放火殺人事件](7件)関連の“過熱報道”と併せ、その大部分がワイドショー番組への批判となっている。
また、「不適切な表現・発言や内容」(254件)とする意見の内の約25%がワイドショー番組批判となっており、中でも一部の番組のキャスター・コメンテーターの不適切な発言への批判・抗議が多い。
更に“ワールドカップ・サッカー中継”に関し、ゲスト出演者への批判などの意見(14件)も目立った。
【バラエティー・ドラマ・アニメ関連】では、「不適切な表現・発言や内容」への意見が多く、「低俗・下品・悪影響など」(104件)、「モラル・倫理を問う」(46件)などの意見が寄せられた。
これらの意見を個別の番組やテーマ別にみると、“バラエティー番組での著名タレントやお笑い芸人の品のない言動”をはじめ、“情報系番組のキャスターやコメンテーターの不適切な発言”、“青少年に悪影響を及ぼす性風俗特集”や、“児童を対象とした下品な番組企画”とする番組への批判が寄せられている。
また、“消費者金融やパチンコのCM”、“女性占い師などの発言”、“タバコの喫煙シーン”についての意見が目についた。
【放送局の対応】についての苦情・抗議は49件と前月(148件)と比較し大幅に減少した。
【CM関係】では前月(59件)と比較し35件と減少した。6月(35件)の意見のうち、「回数の多さ」と「不適切な表現・内容」とした指摘が多い。
なお、「人権等権利に関する委員会」への相談・意見(36件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたるのではないか」との提起や懸念等は114件で、前月(105件)より微増。
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マスコミは国民に真実を伝える使命があり、そのために国家権力に立ち向かうという姿勢があっても良い。しかし最近の某キー局の報道姿勢はそれを大きく逸脱している。例えば、秋田小1男児殺害事件の一連の報道の中で、女児の死亡原因を独自に調査し警察とは異なる見解を示している。山口・光市母子殺害事件では殺人犯の父親を取材して犯人の息子を擁護する発言を報道した。視聴率を取りたいという単純な意図によるものだろうが、最近のこの局の報道姿勢は世論操作を意図しているかのようであまりにも行き過ぎである。
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ワイドショーでは凶悪事件が起こるたびに、犯罪心理学者なるものが登場し、犯人の生い立ちや性格をあげつらって『このような生い立ちだから、このような性格だから、このような趣味があるから犯罪を起こした』といわんばかりに決め付け、それに対して司会者や他のゲストも否定しないことに憤りを感じる。このような報道が続けば特定の性格や生い立ちを持つものに対する偏見や差別を助長することになりかねない。学者達の言動は“心理学”に名を借りた単なるこじつけだ。
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秋田小1男児殺害事件の報道で、容疑者をなぜ“鈴香容疑者”と名前で呼ぶのか?新聞のラ・テ欄にも同様の記載がされている。名字またはフルネームでの報道をしてもらいたい。同名の娘が学校でいじめを受けている。昼のワイドショーのキャスターの言い方が気になったので、局に電話をすると『フルネームだと言いにくいので』と余りにもお粗末な返事だった。全国にも同じような思いをしている子どもたちもいると思う。各局は人権にもう少し配慮していただきたい。
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小学6年の孫が秋田小1男児殺害事件容疑者と同じ名前で、報道の際『鈴香容疑者』と表記・報道されるため被害(学校でのいじめ)に遭い、塞ぎこみ悩み続けている。このままでは孫が自殺をするのではないかと日々不安だ。各局はなぜ畠山鈴香容疑者を『鈴香容疑者』と名のみの表記・コメントをするのか。先日、四国の民放に抗議をしたところ『死んだ彩香さんと区別をするための表現』と愚にも付かない理由での回答に呆れ果て、以降放送局には電話をしていない。挙句の果てに責任逃れのためかBPOを紹介する始末。今日(14日)も大阪と四国の民放局のワイドショー番組を見たが全てが『鈴香容疑者』と表記・アナウンスをしている。NHKは当初同様表現だったが、その後フルネームに訂正済み。これらの局はなぜ『畠山容疑者』または『畠山鈴香容疑者』としないのか。番組宣伝やラ・テ欄も同様だ。孫が悩み続けている様子を見るに忍びないし当事者にとっては深刻な問題だ。全国にもこのような被害に遭っている子(人)は多いはずだ。どうか報道被害者の立場を理解され、早急に全放送局に改善のための手立てを講じてほしい。《*注 BPOでは同様意見をまとめ在京キー局に直ちに送付。徐々に改善されている》
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秋田小1男児殺害事件の報道で、畠山容疑者の学生時代の文集を持ちだし内容を紹介しているが、中には彼女に対し「死ね」や「帰ってくるな」などの言葉もある。又、『そのように書かれる原因は容疑者にあって、今回の事件の要因となっている』かのような正義を振りかざすコメンテーターの発言がある。常識で考えれば、このような個人を誹謗・中傷する内容を許可し制作した学校側の感覚がおかしいのではないかという疑問を投げかけるのが報道の務めではないか?報道の視点を間違えている。こんな報道は子ども達には決して見せたくない。
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秋田小1男児殺害事件を報じていたが、ニュースの中で音楽(BGM)が流れたのには呆れてしまった。これは民放の最近の傾向であるが、ニュース番組に音楽は要らないし、事件や事故をただ興味本位に放送することは慎むべきである。また、去年のJR福知山線脱線事故の時にも、女子アナがイヤリングをして現場中継をしていたのには違和感があったが、悲惨な事故のニュース報道などでは、女子アナの服装にも気を配るべきである。おしなべて、民放のニュース番組はやかましく騒ぎ立てるものが多いが、それならばいっそ芸能とスポーツニュースだけに限定して放送してもらいたいくらいである。民放もニュース番組では、視聴者が納得のいくけじめのある番組作りをしてもらいたい。
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女子大生誘拐事件の第一報で、以前、被害者母娘を取材対象とした過去の“お金持ち番組”を繰り返し流していた。その番組が犯行のきっかけになったかもしれないということもさることながら、被害者が保護されたとはいえ、本当に無事かも分からない段階でいかにお金持ちかを描いた番組を流すのは如何なものか?放送局にとっては、『一粒で二度おいしい』のだろうが、“人権”という点で疑問がある。明日のワイドショーでも多分その手法で放送するのだろう。
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放送番組委員会の皆さんに18時台の各局報道番組を是非見ていただきたいと思う。正常な報道であると思うなら仕方がない。演出過剰で情緒的な報道によって“真実が伝えられる”とテレビ局が信じているのなら、或いは“視聴者が求めている”と考えているなら、テレビジャーナリズムはただのタブロイド系の新聞と同じだ。特に某局のニュースナレーションの異常さは目に余る。又、この手法を全ての局が追随している事がどうしても理解できない。
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最近のワイドショーにおける視聴率男や毒舌で売るキャスター達の発言内容がまるで裁判官気取りで懲罰機関になったように感じる。耐震偽装問題では、姉歯単独犯の色合いが強くなった現時点では、かつてほかに槍玉に挙げられた関係者の名誉を回復する報道がされるべきにもかかわらず、一切そうした扱いがない。こういう報道では最初から疑ってかからないと安心できない。テレビ報道は影響が大きいだけにしっかりした対応を心がけて欲しい。
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新大久保駅で転落した女性を韓国人留学生が助けた事故について、転落原因が“酔っ払い”から“貧血”に変わったり、情報ソースについても『新聞ではこう発表された』と、放送局としての独自性や信頼を得るための努力が全く見受けられない。また全体を通して『韓国人は素晴らしい』や『国民栄誉賞を与えるべきだ』、『国と国が争っている場合ではない』といったあからさまな作為や誘導行為が見受けられる。
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佐賀県の中古車輸出会社の鉄門扉で小学生が挟まれ死亡した事故で、事故現場となった会社をモザイクも掛けずにそのまま放送して一方的に会社の管理状況が悪かったように報道していた。事故原因は小学生が勝手に敷地内で遊んでいたことではないのか?この放送によりこの会社に損害が出た場合は報道した局は責任を取るのか?自社の不祥事はほとんど放送しないといういくつかの放送局の姿勢に疑問を持つし、憶測で報道をするマスコミに対して不信感が募るばかりだ。
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村上ファンドの問題で村上氏本人が記者会見をした。今日は村上氏の主張を新聞各社や民放は詳細に報じている。ところが、昼のニュースで見ると、村上氏の会見内容と検察側の見解とは大きくかけ離れていることがわかった。そもそも、事件の被疑者が逮捕直前に報道機関を集めて記者会見をすること自体がおかしいし、被疑者側の真実とは限らない内容を克明に報じるのは、マスコミが村上氏に利用されているのではないか。
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このところ、ワイドショー番組では常に畠山容疑者関連の報道を続けている。その事自体も放送局の姿勢として問題があると思うが、各局が競うかのように「畠山容疑者」の人となりや中学、高校時代の話しを紹介している。これは放送倫理から逸脱しているのではないか。これ程しつこく、しかも容疑の内容とは直接関係のない同容疑者の個人情報を暴くのは“人権問題”にも関わってくると言わざるを得ない。せめて各局のワイドショー番組の責任者にはもう少し紳士的にとまでは言わないが常識をわきまえた放送をしたらどうか。午後のワイドショー番組に電話をしたら『どこの局もやっているので・・・』と呆れるやら腹立つ返事だった。
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母が経営しているアパートに「秋田小1男児殺害事件の畠山容疑者が偽名で入居」と言うことで取材があった。不動産会社にも確認したがそのような事実はなく、取材は一切拒否したにも拘らず【鈴香容疑者ナゾの隠し部屋発見・疑惑の使用目的】のタイトルで6月14日に放送された。取材スタッフはアパートの入居者や、近所の住人を尋ねたり、母に対し『(放送は)予防注射みたいなもので、我々の取材を受け入れれば何処のテレビ局も取材に来ない』等と強引に取材しようとした。このような取材や報道によりアパートの入居者や、近所の住人、空き部屋の予約者などにも迷惑が及び困っている。
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いかに深夜のバラエティー番組とはいえ、卒塔婆を使ってビリヤードをするなど言語道断。企画(企画を承認)した放送局の人間の倫理観を問う。この局もさることながら、全く近頃のテレビ界は常軌を逸しているかのようで、この番組以外にも多々下品な番組を見受ける。倫理・モラル以前に、やって良いこと・悪いことの判断ができない“常識”を持ち合わせていない者は番組制作に携わる資格はない。ことさら社内教育で教えるものでもないはずだが、このように我が物顔で文化破壊を進めるテレビ局は存在価値がない。
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女性占い師の出演する番組は多数の批判が寄せられているにも関わらず、改善される兆しが全く見られず、今も占い師の発言と酷似した詐欺事件は全国各地で繰り返されている。脅迫や詐欺、名誉毀損、人権侵害など、当事者側から訴えがない限り、或いは同氏が何か大きな事件を起こして検挙されるまで番組を続けるつもりか。視聴率さえ取れれば何でもありの体質は改めるべきではないのか。
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バラエティー番組に出るお笑いタレントたちの言葉遣いが汚すぎる。平気で「バカたれ」「バカヤロー」を連発している。言葉遣いを正すよう指導してほしい。
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早朝の報道番組で秋田小1男児殺害事件に関し、ズバリ突っ込むことで知られるキャスターが『彩香ちゃんは亡くなる前に146円の焼きそばを食べていた』と言ったが、そんな事まで放送する必要があるのかと疑問を感じてキー局に電話をした。女性が出て『警察発表によるものです』と言われたので、能代警察に確認すると『そのような発表はしていない』と言われ、再度局に電話をすると男性が『調べて電話をする』と言ったがまだ返答がない。局の対応にも不満だが、事件報道でそこまで踏み込んで放送する事は被害者に対しての人権侵害になるのではないかと感じる。
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日曜日放送のバラエティー番組のあるコーナーで司会のお笑い芸人が『足から献血をした』という発言があった。日赤に問い合わせたところ『このような献血方法はない』と言われた。実在しないことを公共の電波に流していいのか?視聴率のためなら何でもするのか?このような番組を放送する局の姿勢に疑問を感じる。
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数々の賞を受賞している漫才コンビのひとりが中心となり“日本の改革を討論する”番組で、『働かない奴には石を投げればいい』とか『働かない奴には発言権はない』と言っていたが、これは人権侵害ではないか。
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関西の民放局の解説委員と芸人の出演する番組で、狂牛病の話題の際、ゲストの弁護士某が『狂牛病の牛の肉は年寄りに喰わせれば年寄りはいなくなり若者は喜ぶ』と言った。弁護士は有識者でもあり、そのような人が余りにも心無い発言で悲しくなる。
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日曜朝のラジオ番組担当の男性アナウンサーが話す言葉は「…で〜す」「…ま〜す」「そうですか〜」「思いませんか〜」など、多くの言葉の語尾や言葉尻が伸びるので聴き苦しく不快だ。いらいらしてラジオのスイッチを切ってしまうこともある。NHKアナウンサーならば正しい発音、イントネーションできちんとした日本語を話してもらいたい。
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最近の料理番組は、料理内容を正確に紹介することよりも面白い番組として見せようとして、本来の料理番組から逸脱している。局の料理番組に、元風俗レポーターをしていた映画監督とか、タレントなどを出演させるのはふさわしくない。さらに、料理研究家が真面目に料理を作っている横で、タレントや担当アナウンサーがつまらない駄洒落を連発しているのも聞き苦しい。局に電話をしたが視聴者対応が非常に悪い。