全体的には2006年5月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(824件)の61%にあたる503件が【報道・情報系番組関連】意見。次いで【バラエティー・ドラマ・アニメ関連など】(456件、55%)となっている。(複数意見を含む)
【報道・情報系番組関連】では「取材・報道のあり方」に関する意見(213件)が多く、以下「公平・公正・中立(“内容が偏向”との指摘を含む)」(67件)、「放送の影響力」(56件)、「匿名・実名報道」(51件)、「放送の公共性、公共の電波」(40件)の順である。
特に、“東京キー局アナウンサーの迷惑防止条例違反(盗撮)容疑”に関し「放送局の姿勢と報道のあり方」について非難・抗議(78件)が集中した。
また、秋田県で発生した小学生児童死亡事件における“憶測報道”および“メディアの取材方法(メディアスクラム)”や、“架空請求問題で犯人グループと接触・取材しながら警察への連絡をしない”放送局の取材手法と防犯意識を問う意見や、“JR新大久保駅での人命救出関連”、“ワールドカップ・サッカー強化試合日本vsドイツ戦衛星中継の編成と中継表示”への意見・批判・抗議が多く寄せられた。
一方、政治問題関連意見では、「偏った報道」などの意見(35件)、「近隣諸国関連」(韓国関連32件、中国関連13件)、「選挙関連(総裁選を含む)」(13件)となっている。
【バラエティー・ドラマ・アニメ関連】では、「不適切な表現・発言や内容」への意見(114件)が多く、「モラル・倫理を問う」(43件)、「低俗・下品・悪影響など」(35件)の批判が寄せられた。
これらの意見を、個別の番組やテーマ別にみると、“バラエティー番組での危険な行為や悪質な言動”、“白隠元豆ダイエット”、“焼きそば2,400食・完食”や“食料品を粗末に扱う番組”などに対する批判・抗議をはじめ、“消費者金融のCM”、“アダルトゲーム・コミックを性犯罪と結びつけたコメンテーターの発言”および“性的少数者(同性愛者)への中傷発言”、“女性占い師などの発言”についての意見が目立った。
【放送局の対応】についての苦情・抗議は148件と前月(64件)と比較し大幅に増加した。(*アナウンサーの盗撮事件関連によるもの)
【CM関係】では前月(55件)とほぼ同じ傾向にあり、5月(59件)の意見のうち、業務停止処分を受けた消費者金融の報道を機に消費者金融・生保などのCMに対する批判は前月に引き続き寄せられており、次いで“不適切な表現・内容のCM”とする意見が目立つ。
なお、「放送と人権等権利に関する委員会」への相談・意見(29件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたるのではないか」との提起や懸念等は105件で、前月(128件)より減少した。
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4月に秋田県藤里町で小4年女児が死体で発見され、今回同じ町営団地に住む小1年男児が殺害された報道で『少女が最後に会ったのが男児だ』とコメントしていた。もし少女が死体で発見された時点でこのような発言があったとすれば、犯人が男の子を殺害する動機になった可能性がある。この局は以前から殺人事件などの報道で、犯行の手口を再現ビデオなどで余りにも詳細に伝えているので疑念を抱いた。
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民主党新代表が就任した際、テレビは“強面”“豪腕”などイメージ面ばかりを報道していたが、どうして政策の話を取り上げないのか?かつて、政治改革が問題となった時、各局はこぞって“政策の議論に基づいた選挙”を実現するために『選挙制度改革が必要なのだ』という論陣を張っていた。しかし、例えば新代表が靖国参拝について明確に反対の論理と立場を表明したにも関わらず、この問題を取り上げて首相の参拝の論理と比較し、公平に分析するような報道にはお目にかかれない。単に『チルドレンだ』『自転車行脚だ』など、政策とは無関係のことばかりで、どうして“政策の議論に基づく選挙”ができるのか。パフォーマンスを取り上げないと視聴率が取れないというならば、ワイドショーは政治報道に首を突っ込まないでもらいたい。
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最近、「格差社会」という言葉がよく使われるが、能力の有無、都会と地方などを取り上げてもそれを単純に「格差」で表現していいのか大変疑問だ。取り上げる場合はもっと突っ込んでほしい。政治を分かりやすくした点で首相の取組みは評価できると思っているが、マスコミはそうした評価抜きに首相をあげつらう内容が目立つ。マスコミの最近の報道は時流にのること、あるいは時流をつくることに一生懸命だ。もっと正確に突っ込んだ報道を心がけてほしい。
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NHKニュースを朝昼夕欠かさず見ているが、ヤンキース松井負傷のニュースは、当日と翌日朝のニュースを含めて4回続けてトップ扱いしたのには腹がたった。松井がナイスガイなのは認めるが、米国のオールスターにも選ばれていない選手だ。連続試合出場にしても、大リーグの場合は選手の休養を考えて積極的に休ませると聞いており、連続出場は必ずしも「美徳」ではない。NHKはBSで大リーグ中継をやっているため、そのPRも兼ねているのかもしれないが、公共放送の使命を忘れたニュースの扱いだ。総務省の研究会で、原則、今のNHKを存続させる方向が出て良かったと思っていた矢先の「松井トップニュース」は問題だ。
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韓国人留学生がホームに落ちた女性を助けたというニュースで、『数年前に同じ事をして亡くなった留学生の魂を受け継いだ』と取り上げていた。留学生の行動は立派だとは思うし、ニュースを見た時は感動したが、女性キャスターが『周りの日本人が手を貸さなかったのは恥ずかしい』と話しているのを聞き引っ掛かるものを感じた。『駅に落ちた人がいたらまず駅員を呼ぶか緊急のボタンを押す』ことが周知されている。人助けをする事は立派だとは思うが、正しい対処の方法を広める事のほうが重要だと思う。それなのに『恥を知れ』と言われているようで不愉快に感じた。
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「電話詐欺集団を撮った初スクープ」の中で、記者が一味のアジト前でのリポートの際、建物の窓越しに一味の動きも見えていた。アジトを押さえたのだから詐欺集団は一網打尽と思っていたら、なんと逮捕されたのは一人で、残りの40人近くは逃亡したのだという。この局は警察に適切に連絡をしたのだろうか。同局の不手際が犯罪集団を逃がしたのではないか。局の防犯意識(警察への対応)や姿勢に疑問を感じた。
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録画放送なのに生放送のごとく視聴者を欺き、視聴率の事しか考えず、W杯強化試合日×独戦の中継をした放送局にサッカー中継をする資格はない。“最低の実況”という視聴者の声が多いアナウンサーも不愉快、解説も同様だ。「衛星中継」として視聴者を衛星“生”中継と誤解させる表示。 ちゃんと“録画”と表示しないのは公正取引法違反だ。
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在阪キー放送局と名乗る女性と男性カメラマンの2人組が『人材派遣の現状について取材させて欲しい』と突然当社に訪れた。上司も不在だったので『内容を確認してから取材に応じるかどうか決めたいのでお引取り下さい』と伝えると、『普通、取材ってこんなだよ』のようなことを言われた。この件で同放送局に確認をすると、訪れたのは報道局関係のスタッフとの事だが、電話に出た男性も『あ〜聞いとくわ』という対応で、こちらの連絡先も聞かずに電話を切り問題を解決しようという態度ではなかった。放送局の取材というのはいつもこんなに横暴な態度でおこなわれるのか?非常識にも程がある。
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人殺しの手口を教えるようなドラマやサスペンスもの、スリラーが多すぎる。そんなテレビが最近の犯罪増加を招いているのではないか。ワイドショーにしても、事件・事故の追及を詳しく取り上げすぎる。これも犯罪手口を教えているようなものだ。もっと番組が健全化すれば犯罪も減少するはずだ。
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コメンテーターの元警視庁捜査第一課長が平塚5遺体発見事件について『当分使えるネタじゃないですか』と発言した。大変痛ましい事件について、このような発言は不適切であり、元警視監として警察への信頼を損ねるものでもある。この他の事件についても軽はずみな発言を繰り返している。元警察官として恥じないよう人権に配慮した発言をしてほしい。
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秋田小1男児殺害事件の現場を、コメンテーターが取材する報道番組があったが、BGMやナレーションで視聴者の恐怖心を煽る中、コメンテーターが現場を歩きながら得意げに自身の推理を披露するという、まるで実在の事件を利用した推理ショーだった。事件をおもちゃにしたような映像が報道番組で流れた事に強い怒りを覚える。報道や言論の自由は守られて当然だが、報道の名を借りた人の死をもてあそぶ姿勢は断じて許されない。
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もともと同性愛者に対する良い情報が少ない中、偏見に満ちた形で放送することは、私たち同性愛者を怪しい存在として強調させるものと思われる。性的指向による差別は日本でも人権問題として法務省も認知し改善すべきこととなっている。まだまだ社会的に認められず偏見にさらされている私たちをさらに貶める番組を作ってなんとも思わないのか?番宣と新聞ラ・テ欄では「真夜中の新宿2丁目・禁断の同性愛の楽園・潜入レズビアンナイト愛の修羅場」などとひどい扱いだ。
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農薬の問題を取り上げた民放の番組で「ほうれん草、じゃがいも、りんごには280種類の農薬が使われている」と言っていた。視聴者センターに問い合わせたら280種類の《成分》と訂正した。農薬と表現されたら消費者は野菜など買う気をなくしてしまい農家にとっては大問題だ。かつて所沢の《ダイオキシン被害に関する“葉もの(お茶葉)”を“ほうれん草”と連想させ各方面に影響を及ぼした》報道と同じ問題なので、局に「訂正」を申し入れたが、局では電話にも出ないという対応だ。是非ニュースで訂正をしてほしい。
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番組で紹介した白隠元豆のダイエット料理を試したら激しい嘔吐と下痢に襲われ入院を余儀なくされた。全国で700人もが同じ症状を訴えているという。当該キー局は、総務省の指導で放送から4日経った11日の午前中に1分程度の放送をしたが、この程度では済まされない。当該局に抗議したら「5月末までに原因を調べる」という答えだった。普通の企業なら「営業停止」になるところなのに、放送局はほとんど何の咎めもないのはおかしい。
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世界には食料不足で困っている人が多数いるにもかかわらず、料理ができない出演者に高級食材を用意し料理を作らせ、まずくて食べられず吐く出演者もいる。料理人が料理を教えるのならまだいいが、作れない人に作らせ面白おかしく見せようとする番組の企画は不謹慎であり、製作費の無駄だ。
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インスタント麺焼きそば計2,400食をまるでおもちゃのように扱っていた。とてもスタッフ全員で食べきれたとは思えない。【完食】のテロップさえ出せばいいのか?世の中には食事もままならない人々がたくさんいるのに不謹慎だ。局としても報道機関としての立場上、責任を持って少しは番組作りの勉強をしたらどうか。こんな話題で視聴者を笑わせる考え方が全く理解できない。食べ物を粗末にする映像を公共の場で流すなど最悪だ。
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視聴者の実体験という形で夫が突然失踪。それは癌と診断された夫が誰にも知らせずに青年海外協力隊に参加し、派遣されたアフリカで死亡。その国の大使館から連絡があって初めて妻がその事実を知るというものだった。私は協力隊OBだがこれは虚偽ではないかと思う。協力隊参加時に健康診断書を提出しなければならないし、派遣前訓練中にも健康チェックがある。また妻への連絡は協力隊事務局から行なわれるはず。番組に対して事実を確認したか否かの質問をメールで送ったが返事はない。税金で運営されている組織の活動に誤解を与える内容には疑問を覚える。
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言葉遣いや礼儀のなってない某プロボクサーを、女性評論家が批判していた。私も同意見だ。なぜあのような品格や対戦相手に思いやりのない人間をテレビ局は持ち上げてまつり上げるのか?その批判意見に対して、他の出演者は沈黙するのみだった。特にその直前までそのボクサーをべた褒めしていた2人の野球評論家はかなり気まずそうだった。テレビとは真っ当な意見が黙殺されてしまう世界なのか?見ていて悲しくなった。