放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

   ■委員会の説明
   旧放送番組委員会 委員紹介
   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

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■ 番組委員会議事のあらまし

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● 2007年5月(2007年度第2回)

 5月11日に開催した2007年度第2回番組委員会 (有識者委員が出席)は、放送倫理検証委員会発足に伴い今回が最後の委員会となった。最初に4 月分視聴者意見の概要を報告、続いて6人の有識者委員に「放送番組委員会を終えるにあたって」というテーマでこれからの放送のあり方や新委員会への期待をお話いただいた。

概要は「放送番組委員会記録」5月号に掲載。

■ 番組委員会の審議

◆放送番組委員会を終えるにあたって

各委員の意見は次のとおり。

    ▽反省ですが、『発掘!あるある大事典』のような大きな問題に発展する前にかねてから放送事業者の方と「こういうのはいかがなものだろうか」「こういう点は問題だからどうにかならないでしょうか」と、話し合っておけばよかった。そういう事が現場に少しでも反映されればいいような気がしていたのだが、出された問題についてのみあれこれ言ってきた。また、『あるある大事典』問題でも自分の言葉で喋ってきたのかなという反省がある。新しい委員会というのは真面目にやればやるほど、総務省的な価値基準を意識してしまって、 いつの間にかそちらの方向に動いてしまう事が一番怖いことだと思う。

    ▽2ヵ月に1度の放送事業者との話し合いにはいつもギャップを感じていた。放送事業者と話をしていると言葉が違う、議論がいつもパラレルに進んで行ってしまうということがずーっと繰り返されていた。新委員会は、あまり極端な検閲機関のような形にならずに民主主義と自由な文化を守れるようなそういうものであって欲しい。

    ▽新委員会はチェック機能が強化されて、国家権力がいろいろ言う前に自浄機能を発揮させるということだが、チェックしたり監視したりする機能はやっぱり怖い。本質は、放送による言論の自由を守り続けていくことが最大の目的・目標でなければいけない。チェック機能というのは一つ裏を返せば怖いものになるから自戒しながら関わっていかなければならない。

    ▽この委員会に参加した時、正義の味方が何かを振りかざすみたいな感じがして、楽しみというかやりがいを感じた。でもそれが怖いところで、もし自分が独裁者だったら、世の中のために良かれと思ってちょっと行儀が悪い番組や下品な番組を切ってしまう。そういう思い上がりが怖いところだと感じた。力を持つと慎重でなければいけない、力を振りかざすことが目的ではない。私たちはチェックするのも大事だが、やはり一視聴者としてテレビ局、制作者にエールを送りつつ、見続けていきたいと思う。

    ▽この2、3年はテレビが非常に揺れた時代だった。時代状況が非常に悪化していて、それゆえBPO的なものが要請されてきた。それは放送だけの問題ではなく、例えば個人情報保護法、憲法改正の動きまで何でもかんでも法律とか明確なルールを作って、それに従って行動基準を作る、あるいはそれからはずれたものについては厳罰で臨むという風潮が、放送に限らず広まっている。しかしある意味“無法地帯”を恐れてはいけない。そういった“無法地帯”が公共性を鍛え、公共性の水準を豊かにすると思う。新委員会は総務省の先駆けみたいな機関であってはならない。そのための方策を今からきちんと考えておかないと、もっと嫌な時代になると感じている。

    ▽この委員会で皆さんから刺激的でいい話が聞けたことは喜んでいるが、ただそういった意見をテレビにどう反映していけるのか、簡単にはテレビは変わらないことに、もどかしさも感じた。裁くとかチェックするということは嫌なことで、事前にたとえば「こういうふうになっている部分はおかしくないかな?」というような提言が、お互いのジャーナリズム表現の場に役立てれば一番いいと思う。現場のジャーナリズム意識を豊かにするため、また先回りして土壌を豊かにするためのお手伝いができればいいなあと、絶えず苛立ちながら思い続けてきた。そういった意味で新委員会では世の中に“広場”の人たちに「みんなで話し合ってるんだよ」という証拠を、具体的に見せていくことが必要だ。大変なことだが、それを期待したい。

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  この後、「番組委員会」有識者委員6人による記者会見が行われ「広場のルールは広場でつくる〜私たちは放送法の改定に反対します〜」のメッセージが発表された。

■ 記者会見

    ▼記者からの主な質問:「番組委員会」の活動を踏まえて放送倫理検証委員会への期待、抱負を伺いたい。

    ▽チェックして罰することよりも事前に「こういうことはテレビジャーナリズムとして問題だよね」と投げかけながら、テレビ局の人たちの意識づくり、自浄作用の空気つくりに役立つ方向で改善できたら良いと思う。

    ▽メディア同士の足の引っ張り合いが気になっている。メディアが生き生きと作用するため広い視点からメディア同士が批判、批評し、そこから何をやるか語りかけてもらいたい。

    ▽ジャーナリズムというのは本来、みんなの代わりに世の中のことをいろいろ見張って、“ここが火事だぞ”とか“あっちのほうでこんなことが起きたぞ”という「見張り役」だ。誰のための、何のジャーナリズムかが、今、非常にあいまいになっている。

    ▽いま制作現場は本当に制作したいものがつくれているか、土壌を育て、編成制作の風土に刺激を与えていかないといけない。システム的に番組をつくっていくだけで思考停止状態だ。新委員会の立ち上げを放送事業者は真摯に受け止め、「提言」などにも取り組んでいただきたい。そうでないと「勧告」をやたら乱発して、それを無思考で受け入れるというのではちょっと怖い社会になるのでは。

「広場のルールは広場が作る」
〜私たちは放送法の改定に反対します〜

以上