放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

   ■委員会の説明
   委員紹介
   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

[HOME]


■ 番組委員会議事のあらまし

::バックナンバーはこちらから

● 2006年7月(2006年度第4回)

 7月7日に開催した今年度第4回番組委員会(有識者委員と放送事業者委員が出席)では、「テレビ報道を考える」の3回目として、情報生ワイド番組担当者を招き、意見交換を行った。また視聴者意見についても検討した。

 議事の概要は「放送番組委員会記録」7月号に掲載。

■番組委員会の審議

◆「テレビ報道を考える」その3

 一般論でなく、具体的な番組について担当者と意見交換をしたいと、テレビ朝日『スーパーモーニング』の青木吾朗・チーフプロデューサー、水野篤・チーフディレクター、日本テレビ『ザ・ワイド』の千葉知紀・プロデューサーを招いて、意見交換を行った。委員は同じ日の両番組を録画で見て委員会に臨んだ。

主な発言は以下の通り。(▽委員 ▲番組担当者)

番組の構成、情報の価値や順番はどう決めているのか。
朝の番組は、前日の夜にラインナップを決めるが、番組内でも、時間帯によって、構成・配分を考える。8時前はなるべく新しい情報、動いているものを入れ、8時過ぎは独自取材を加えたり、識者のインタビューを入れたりプラスアルファーを加えてじっくりと伝える。どれだけ伝える内容があるかによって枠の大きさが変わってくる。
取り上げる話題は、取材結果や新たなニュースによってどんどん変わる。
前夜や早朝番組と違う何かオリジナルなものを付けられるかどうかが勝負所。
視聴者に直結する問題を、時間をかけて分かり易く伝えるよう心掛けている。しかし、長期取材ものもある程度のところで見切りを付けないと、タイミング的に出せなくなってしまうこともあるので難しい。
ビデオで見せて、スタジオに戻るとまた同じ映像を見せるという、よくある映像の繰り返しが、『ザ・ワイド』ではなかったが、何故か。
朝は、出勤時間が人によって違うので、同じ話題を繰り返し伝えることがあるが、午後の番組では、その必要がないからだ。しかし、映像素材が少ない場合はどうしても繰り返してしまうことはある。
コメント中の映像は、コメントを遮ってしまうのではないか。顔の表情も含めてコメントではないか。
確かに、現場は無意識に、余り深く考えずにやっているかもしれない。
番組ごとに違うだろうが、スタジオとビデオのどちらに重きを置いているのか。
かつてはスタジオショーだった時代があり、その後ENGが導入されてビデオ至上主義になった。最近は生の番組でスタジオをどう演出するか工夫をしている。しかし、それぞれの担当ディレクターは自分の取材した素材をどう加工してビデオにするかに命をかけているので、現実にはまだまだビデオ至上主義が続くだろう。
企画ものはいつでも出せるが、なぜこの日に放送をしたのか。
大きなニュースが入ると、企画ものは飛んでしまうので、無風状態の日にやらないとお蔵入りになる可能性がある。放送するタイミングが難しい。
情報生ワイド番組はつい最後まで見てしまう。それは、新聞は結果報道であるのに対して、テレビは視聴者を現場に立ち会わせるジャーナリズムだから。それがテレビのすごいところだ。
客観報道のバックに何故おどろおどろしい音楽やナレーションを入れるのか理由がわからない。
ながら視聴者に、自分の作ったものを何とか見てもらいたいと、過剰な音が始まったのではないか。どういう音を付けるかで、客観性が崩れるので、個人的には情報系番組からこういうものが無くなるといいと思っている。
センセーショナリズムの手伝いを一番音楽がしているような気がする。
テロップと音の組み合わせによっては一層の相乗効果を生むのではないか。特に文字の色はどう決めるのか。
ディレクターが決めるが、20年ほど前の殺人事件のタイトルと音は下品の極みだったが、あまりにもみっともないねと言う声が制作サイドから上がってきて、随分変わってきていると思う。
リポーターはニュースと視聴者の距離感を縮める存在だが、この形しかないのか、これは宿題だ。
番組を構成するときに、自局、他局を参考にするのか。
参考にはするが、自分たちの取材が十分出来た物を並べていく。不十分な物を出しても視聴者に届かない。
他局より、自分の局の他の番組での扱いの方が気になり、少しでも違う視点を工夫する。
どの番組も似たり寄ったりで、息苦しくなることがある。そういうときは、ネットなど他の媒体に接したくなる。
「似たようなことばかりやっている」というのは、他局を意識し合った結果そうなったのではなく、情報の出所が記者クラブなど同じだからではないか。
局によってニュースの価値観が異なってもいいのではないか。それが局の個性だと思う。
番組にはそれぞれターゲット、狙いがあり、制作者の個性は出しにくくなっている。
日本にも報道・情報系専門チャンネルが出来たら、ニュースは変わるかもしれない。
テレビは総合デパートだと思うので、ニュースだけではつまらないメディアになってしまうのではないか。
報道ニュースは何故か“書き言葉“、情報ワイドの伝え方は”話し言葉“。言葉が変わることが報道の質が変わることに繋がるのではないか。
情報ワイドは時間的余裕があるので、報道局が伝えていない問題に切り込んでいくなど、各局が個性を出してほしい。
出演者や、コメンテーターがどういう人かわかるように肩書きを表記してほしい。

◆視聴者意見の検討

 秋田小一男児殺害事件の容疑者の過去の写真や文集など事件と関係ないことまで詳細に伝えることに対して、節度を持って伝えて欲しいとの意見や、ワールドカップでは、事前にはしゃぎすぎ、惨敗すると一転して叩くのはあまりにも勝手だなどの意見が多く見られた。

 委員からは、弱いチームを強いように錯覚させた責任がマスコミにはあるのではないかなどの意見があった。また、秋田の過熱報道に対してBRC(放送と人権等権利に関する委員会)が出した要望について、視聴者からどういう意見が来たのかとの質問があり、事務局から、評価する意見が来ていることの報告があった。

以上