放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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■ 番組委員会議事のあらまし

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● 2006年5月(2006年度第2回)

 5月12日に開催した2006年度第2回番組委員会(有識者委員と放送事業者委員が出席)では、報道・情報・ワイドショーを含めた「テレビ報道を考える」の一回目として“テレビジャーナリズムの現状と役割”について意見交換し、6月の委員会でも引き続き議論することにした。視聴者意見については、事務局からの報告にとどまった。
  なお、今年度は、放送事業者委員の内、関西局代表が関西テレビ放送に、ラジオ局代表がニッポン放送に交代した。

 議事の概要は「放送番組委員会記録」5月号に掲載。

■番組委員会の審議

◆「テレビ報道を考える」その1

“テレビジャーナリズムの現状と役割“

 天野委員長は冒頭「テレビジャーナリズムのあり方がいろいろなところで問題になってきた。テレビの場合は、報道番組だけではなく、娯楽的なものも含めてテレビというジャーナリズムなのだろうと思うが、幅広い意味で“テレビジャーナリズムとは何なのだ”というあたりから自由に発言してほしい」とのべ、意見を求めた。

(▼は有識者委員 △は事業者委員の発言)

今日は松井のケガがトップニュースだった。NHKのニュースは柔らかく柔らかくという意図があるのか。
大事なニュースから伝えるのが基本だが、いつも裃を着て政治ネタからやらなければという考え方は今はない。
ニュースの価値基準は、固定的な観念から自由になって、今の大衆が何を面白がるかから入っても悪くない。 それが、ジャーナリズムとして本当の信念になっていれば。しかし、何故かどの局も価値基準の物差しが同じになってしまうという問題がある。
ニュースの価値基準は視聴率にあるといわれているが、テレビ局は視聴者をパターン化してみてはいないか。視点を変えれば視聴率が取れるニュースはあるのではないか。
出来事だけを並べるだけのニュースは広報になっていく。一方、視聴者を惹き付けるやり方もパターン化している。出来事の周辺にあることから、もう一つの視点を持ち出してきていないところに、ニュースの元気のなさがあるのではないか。各局が全て同じ視点で違いが見えない。
項目を多く伝えるニュースと、掘り下げ型など、いろいろなニュース番組があって良い。
ドラマだってジャーナリズムだ。ドラマという形式が一番適している報道の仕方、伝え方もあると思う。
ワイドショーは現代の井戸端会議だ。世間話に反論や議論は期待されていないのではないか。
しかし、井戸端会議が皆同じである必要はなく、局ごとに特色があるべきだ。
良い意味でも悪い意味でも、テレビニュースはインパクトのある映像が優先される。これで本当によいのか自戒もしているが。
画にならないものはニュースにしてくれない。大事な問題をどう伝えるか放棄してはいないか。
重要で緊急性のあるものから伝えるが、見てもらわなければ意味がない。視聴者の関心のあるものを、分かり易く伝えるようにしている。ただ、視聴者の関心度だけで良いのか、抜け落ちているものはないのかという点も気になる
テレビには社説がない。これは免許事業と放送法の不偏不党などで縛られているからだ。しかし、テレビはごちゃ混ぜの、庶民に寄り添ったメディアだと思っている。
テレビには社説はないが、ヌエ的な曖昧さの中でテレビ全体としては、かなりの主張をそれぞれの番組はしている。
今、いろいろなところからテレビを利用する動きがあり、公正・中立をどう保っていくか注意しないといけない。
ラジオはいち早く娯楽から情報に変身したが、今のテレビをどう思うか。
従来のラジオ番組のやり方を全部ぶちこわしてきた歴史がある。そして、娯楽性より過激性で生き残らざるを得ない。いま、テレビがそうなりつつある。

 委員会では、問題を整理して、次回も引き続き検討することにした。

以上