放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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■ 番組委員会議事のあらまし

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● 2006年2月(2005年度第10回)

 2月3日に開催した2005年度第10回番組委員会(有識者委員と放送事業者委員が出席)では、4月の番組編成改編期を前にして、「番組編成“視聴者の意向と局の独自性”」というテーマで意見交換をおこなった。また「視聴者意見」について検討した。
  議事の概要は「放送番組委員会記録」2月号に掲載。

■番組委員会の審議

◆「番組編成“視聴者の意向と局の独自性”」

 番組改編に当たっては、視聴者の意向をどうとらえて番組編成に反映させるのか。また、視聴者の好みに合わせると、どの局も同じような番組が並ぶことになるが、局の独自性、個性をどう確保しようとしているのか。4月編成の特徴などについて、放送事業者委員から話を伺い、議論した。
  NHKの委員からは「受信料に支えられた公共放送だからこそ出来る放送に全力を傾ける。信頼されるニュース、緊急報道、災害報道を機能的に放送できる柔軟な編成が大きな柱。ドキュメンタリー、調査報道、大型企画番組、大型討論番組、蓄積してきた過去の映像を生かす番組、また、夜のゴールデンアワーにも地域放送を編成したい。4月からは夜10時から1時間半枠でいろいろなジャンルの多彩な番組を編成し、NHKが生まれ変わった姿を見ていただきたい」との報告があった。
  民放キー局の委員からは「朝の4時から夕方4時まで12時間の生情報番組をつなげて行く。ドラマは独自路線をさらに突き進める。バラエティー番組は、各局が非常に似通ってきて局の、制作者の独自性が消えていく可能性が大いにある。若手ディレクターのやりたいことと、視聴者の動向のバランスの取り方が難しい」「視聴者の意向はマーケティングリサーチではわからない。時代感覚として視聴者が漠然といいと思っているものをいかに吸い上げるかが鍵だ。意義のある特番には制作費もかけていく」「視聴者の意向より、編成マンの、制作者の主体性、やりたいものをのばしていくことを基本にしている」「視聴者の求めているものが非常に多様化している中で、より現実に即したもの、リアルタイムのものへの要求が高まっていると感じる」「視聴者の目が非常に肥えていて、また飽きっぽくなっている中で、他局にない、真似をしない、そして内容の濃い、制作者の熱が伝わってくる番組をと常に考えている」関西局の委員は「大阪局から全国に出している番組の作り方には苦労している。関西らしい番組は、関西では受けるが、東京では視聴率が半分ぐらいになる。東京でいい視聴率を取らないと売り物にならない。深夜とタイガースの試合をどう編成するかが大阪では大きなポイントになっている」、ラジオ局の委員からは「各時間帯でメインターゲットをどこに絞り込むかでも局の独自性が出る。最近は団塊の世代にこだわっている。また、ナンバーワンかオンリーワンかの選択もある」などの考えが示された。
  有識者委員との意見交換では、ドラマの路線、討論番組、作りたいものとスポンサーとの関係、若手の育て方など、多方面の意見交換があった。又有識者委員からは「ものを書くときに、あまり読者の事は考えない。その点放送の世界は大変だ。テレビの役割とか公共性を世の中に対して分かり易い形で表現していくことが、業界としても大事だと思う」という意見が、更に木村委員長からは「私たちが外国を見るイメージと、外国から日本を見た場合では、かなりギャップがある。外国から日本を見た場合、日本は考え方の変わった国、心理的に遠い国、というイメージはぬぐえないと思う。それが日中問題を引き起こしている主な原因になっているだろうし、観光客がなかなか増えない原因にもなっている。外国から見た日本のイメージについてもっと正直に報道してもらいたい」との要望が出された。

視聴者意見の検討

 ホリエモン報道について「“テレビは手のひらを返した”と言われているが、現場ではどう考えているのか」との有識者委員の問いかけに、事業者側から「映像的にいっぱい出たことで、視聴者の印象として、テレビが持ち上げたという印象を持たれた事はあっても、現場として持ち上げたことはない。タレント性がある、キャラクターが良い、面白いから出したというレベルで、時代の寵児のように賛美したという実感はない」との意見が出た。これに対して有識者委員から「しかし、それがあたかも賛美のように感じられたということの中に、テレビというメディアが持っているある種の特殊性があるのかもしれない。このメディアはいったいどういう弱点を持つのかという事を、認識していくことが大事ではないか」「ネットのヘビーユーザーは“ホリエモン事件でメディアが悪い”と認識する人が圧倒的だとの調査があるが、そうしたテレビ離れの若者の信頼を取り戻さないと若い視聴者が枯渇してしまうのではないか」などの指摘があった。

以上