● 2005年6月(2005年度第3回)
6月3日に開催した2005年度第3回番組委員会(有職者委員と放送事業者委員が出席)では、事務局から、放送事業者委員の一部交代を報告した後、「視聴者意見の検討」と「放送の品位」をテーマに審議を行いました。
議事の概要は「放送番組委員会記録」6月号に掲載しています。
◆視聴者意見の検討
5月の視聴者意見は前月に続いてJR西日本脱線事故報道、不祥事を起こしたタレントの復帰についての意見が多く見られましたが、委員会では
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「バッシング報道の検証」をした番組は良かった。
こんないい番組もあるという発信もした方が良い。 |
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BPOに寄せられるものは、どちらかというと苦情や批判が中心になり、「BPOは取り締まれ」ということになってしまうが、そうではなくて視聴者がお互いにきちんと議論出来るような場を作る必要がある。そうしないと、一方的に「あいつはけしからん、あの番組はひどい」というだけで終わってしまうことをことを懸念する。 |
などの意見が出されました。
なお、4月の議事録に“ (出演者が)ニートではないにもかかわらず、ニートと偽りテレビ局はそれに騙されてしまっている”と記載された部分について、日本テレビの委員代表から「リサーチ会社が用意した人ではなく、ディレクターが見つけた人で、明らかにニートである」として“局は騙されてしまっている”事実はなかったとの説明がありました。
◆放送品位を考える
深夜番組、バラエティー。ワイドショーなどについて「下品だ」「見るに堪えない」との声が多く寄せられていますが、今回はJR西日本事故報道、特に記者会見を中心に報道の品位、取材記者の品位について議論しました。委員会の主な発言は次のとおりです。(▽は有職者委員、○は放送事業者委員です)
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過激なシーンで視聴率を獲得しようという意図があるのは事実だと思う。しかし切り取る人の感性だとすると、自制して行くべきだ。 |
○ |
事故後のボーリング大会や宴会の報道を見ていると、バッシングのきらいがあったように思える。 |
○ |
テレビは放送できる素材を集めて加工するトリミングの文化のようなもので、出演者が放送にふさわしくない発言をしたとしても、それを選ばなければ放送されない。つまり、ものを作る側の人間が最後の砦であるということだと思う。 |
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報道を情緒的にやられるととても下品になる。 |
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バッシングは結局、話せなくさせて、事実や真実を隠してしまうことになる。報復感情を助長するような形で、事件や事故の真相をうやむやにしてしまうことが一番品位がないことになる。 |
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今、加速度的にテレビの信頼性が無くなってきているのではないか。 |
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ボーリング大会を非常に悪いことだと事件と関連させて報道することがニュースなのか。とても悲しく、テレビは見たくないと思った。報道する側は事件や事故との距離感をどうして持てなくなるのか?テレビ界のもっている構造的な問題ではないかと思う。 |
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報道する側が舞い上がってはダメだ。また、現場の取材者の倫理観に任せるのではなく、放送局内で批判がはっきり声として出てくる自浄作用機構が必要ではないか。 |
などの意見が出されました。
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