放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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   ■議事のあらまし
   ■視聴者からの意見
   ■「声明」「見解」など

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■ 番組委員会議事のあらまし

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● 2005年4月(2005年度第1回)

視聴者意見の検討
委員会への放送済みテープの提出
総務省の行政指導について
 

 4月1日に開催した2005年度第1回番組委員会(有識者委員と放送事業者委員が出席)は、“3月の視聴者意見”“委員会への放送済みテープの提出”“総務省の行政指導”をテーマに議論しました。なお、放送事業者委員の一部交代があり、ラジオ局の委員がTBS R&Cから文化放送に、在阪局の委員が朝日放送から讀賣テレビに代わりました。
委員会の議事の詳細は『放送番組委員会記録』4月号に掲載しています。

◆視聴者意見について検討

 事務局から、2005年3月にBPOへ寄せられた視聴者意見の概要を報告し、それを基に議論しました。
 その中で、有識者委員から「テレビに出たい素人を登録させて、放送局の要望に応じて紹介する調査・リサーチ会社に頼る番組が増えている。劇団員がニートと称して出演したのではないかというケースが報告されたが、リサーチ会社を使う場合、どうしているのか」との指摘がありました。
 これに対して放送事業者委員からは、「リサーチ会社について社内で情報交換したり、本人に確認したりしているが、チェックは難しいのが現状」「もはやプロデューサーやディレクター個人の知識やアンテナだけでは番組は作れない時代で、リサーチ会社の力を借りる方法は、今後も続いていくだろう。したがって、リサーチ会社が選んできた人間を使うことが良い悪いではなくて、その人間が番組の目的から見て、出演することが相応しいのかどうかで判断していきたい」などの考えが示されました。また、各局が報道ガイドライン以外にもバラエティー・情報番組向けの指針を設けていることも紹介されました。
 さらに有識者委員からは、「『事実と違う』との抗議や行政指導が増えてきたが、番組は何でも事実でなければいけないのか。『話半分に聞いておこう』という“ゆとり”が視聴者側にもないと、テレビはどんどんつまらなくなるのではないか」という意見も出されました。

◆放送済みテープの提出について

 3月の番組委員会で、視聴者から問題が指摘された番組は実際に視聴した上で議論しないと危険ではないかとの認識で一致し、有識者委員の総意として、放送局に放送済みテープ等資料の提供を求めることになりました。テープの提出要請を明確に規定するには「委員会・運営規則」の改正が必要ですが、放送事業者委員から、「委員会の要望には積極的に協力すべきと考えるが、放送済みビデオの扱いはデリケートな問題を含んでおり、規則の改正は慎重に願いたい」「趣旨は理解できるが、明文化するとなると社内の意見統一が必要」などの意見が出ました。
 審議の結果、放送事業者委員全員から「協力する」との考えが示されたため、これを議事録に明記することで、運営規則を改正することなく、ビデオ提供の道がつけられました。

◆総務省の行政指導について意見交換

 2004年6月に2放送局に行われた行政指導に対して、BPOは三委員長名で抗議の声明を出して社会的アピールを行いましたが、05年3月23日、3局に対してまた厳重注意の行政指導が出されました。委員会では、今回の事実関係について3局の見解の説明・報告を受けて議論しました。
 委員から出された主な意見は、次のとおりです。

前回より踏み込んで、それぞれ「放送法3条に抵触」としている。これは、放送法3条の2第1項を“精神的規定ではなく実質的規定”だとしようとする現れだ。
さらに3条の3〔番組基準〕を根拠に行政指導するのは全くおかしい。社内規定に反するかどうかは総務省が決めることではない。
自らが誤りを丁寧に訂正し、反省もしているのに行政指導するとは、放送局の自主・自律を無にする行為だ。行政指導の実績づくりとしか思えない。BPOは黙って見ていないという意思表示をすべきだ。


などの意見がほとんどの有識者委員から出されました。その一方で、

前回は、BRC が勧告を出したのに行政指導した。しかもBRC の委員会決定文を引用して行政指導したので、「第三者機関を無視している」と三委員長声明を出した。今回はそうではない状況でBPOが抗議しても視聴者の理解が得られるだろうか。


 との慎重な考えも表明されました。

 意見交換の結果、「総務省を含め広く配布している『番組委員会記録』や『BPO報告』、さらにBPOのHPで各委員会の審議内容は公表されるので、“BPOとして総務省の行政指導を重大な関心を持って見ている”ことは社会に伝わるのではないか。ただし、次に同様な事態が起きた場合には、速やかに対応を考える」ことを確認して審議を終えました。

◆シンポ“表現の自由は誰のもの?”について

 事務局から、番組委員会企画による“表現の自由”を考えるシンポジウムの開催について、3月の有識者委員に続いて放送事業者委員に説明して了承を得、今夏の開催に向けて継続して検討することにしました。


以上