放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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■ 番組委員会議事のあらまし

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●2004年4月 (第1回)

新年度番組編成方針のポイントと課題

 4月2日に開催した平成16年度第1回放送番組委員会(有識者委員と放送事業者委員が出席)は、“新年度番組編成方針のポイントと課題”をテーマに、放送事業者委員が自社の編成方針をそれぞれ説明した後、意見交換を行いました。また、3月中にBPOへ寄せられた視聴者意見の概要を担当調査役から報告しました。
 なお、議事に先立ち事務局から、「BPO規約」と「番組委員会運営規則」の4月1日付の改正概要、および、映像手法等をめぐる最近の動向について説明しました。

▽編成方針に視聴者のニーズを反映

 初めに各放送事業者委員が、自社の4月改編方針について説明。その中で、「今年度を“デジタルテレビ新時代”と位置づけ、ニュースと情報番組の強化を図った」「連続ドラマ枠を1本減らし、ドラマやドキュメンタリーなどのスペシャル番組の比率を高めた」「19時台を改編し、家族で見てもらえるバラエティー番組を新たに放送する」「平日の午前中に生放送の生活情報番組をスタートさせた」など、それぞれの取り組みが紹介されました。また、「プライムタイムだけでも全体の35パーセントに達する改編を行うが、個々の番組を替えるというより全体のゾーンの構造改革と捉えている」「今回の改編では、昨年の夏から3か月ほどかけて行ったマーケティングで明らかになった、社の方針と視聴者のニーズのズレを修正した。これを番組の強化・改善に結びつけたい」との意気込みも示されました。
 在阪局の委員は、「系列では深夜にドキュメンタリー番組を放送しているが、関西で取り組んだドキュメンタリー番組の中でさらに掘り下げることのできるテーマを探し、より見やすい土曜の午後に放送する」と報告。また、ラジオ社の委員からは、「ラジオを取り巻く環境は厳しいが、番組のバージョンアップとともに、他のラジオ局との連携のほか、テレビCMや電車の中吊り広告などを利用して、ラジオの魅力を再認識してもらう取り組みも重要だと考えている」との発言がありました。

▽多チャンネル化で番組はどう変わっていくか

 意見交換では、「2000年代初頭のここ3〜4年くらいのスパンで、各局は“番組文化の大きな流れ”をどう掴んでいるのか」との有識者委員の質問に対し、放送事業者委員から、「最近はゴールデンタイムでいろいろなスポーツが放送されるなど、この数年で地上波テレビでのスポーツ中継の位置づけが大きく変わってきていると感じる」との発言のほか、「多チャンネル化が進み、地上放送は報道やスポーツなどリアルタイムで見る番組が中心となっていく一方で、作り込まれたドラマなどは有料放送に持っていくほうがコスト面でもうまく合うという考え方もある」「生放送と、何回でも放送できる質の高い番組、という両極に分化していくのではないか」「番組の方向が枝分かれしていく中、現在のアナログ地上波の持つコンテンツ力の強さをより本物にしていくことが重要」など、多チャンネル化の中での地上放送のあり方などを模索する意見が出されました。また、「高齢社会が進展する中、それぞれの層に向けてどのような番組を作っていくのか、試行錯誤している」との発言もありました。
 また、有識者委員から、「スポーツ番組が最近関心を集めている背景には、“人間を見たい”という視聴者の欲求があると思う。今回の改編ではドラマから後退する傾向も見られるが、きちんと人間が描かれていないからではないか」との意見や、「視聴者には、放送を通じて違う世界や価値観を知りたいという欲求もある。アジアなどへの関心を広げていく試みは、国境を越えた連携の中でもっと行われていい」「景気低迷など社会への不安が募る中、放送界は人々が何を求めているかを捉え、先見性を発揮した番組づくりをしてほしい」との要望が述べられました。
 このほか有識者委員から、「いまの人たちは、真剣に何かを見たり考えたりする力が弱まっていると感じるが、テレビの作り方が見る側の態度を変え、日本の文化全体にどのような影響を与えているのか、という点が気になる」との疑問や、乳幼児の適切なテレビへの接し方を問う声もありました。
 これに対し放送事業者委員からは、「テレビはつけっぱなしにするのではなく、選んで見たほうがよいと思う。見たい時に見てもらうのが、作り手としても嬉しい」との発言がありました。

以上