放送倫理検証委員会

委員会説明

委員の皆さん

委員長

小町谷 育子(こまちや いくこ)

Chairperson

Ikuko KOMACHIYAAttorney at Law

テレビこそ、公平に事実を伝えるメディアになれるのではないか

自分の嗜好に合う情報を選び出しそれを増幅する傾向を持ち得るネットに対し、テレビこそ、放送倫理によって公平に事実を伝えるメディアになれるのではないか。そんな期待をもって、放送制度の特殊性を踏まえつつ、委員会の積み重ねに新しいものを付け加えることができるよう精励いたします。

小町谷 育子
弁護士・ニューヨーク州弁護士。早稲田大学法学部卒。Georgetown University Law Center LL.M.修了。最高裁判所司法研修所民事弁護教官、日本弁護士連合会事務次長を務める。現在は、日本弁護士連合会国際業務推進センター委員、毎日新聞社「開かれた
新聞」委員会委員、特定非営利活動法人報道実務家フォーラム監事。共著に『BPOと
放送の自由 決定事例から見る人権救済と放送倫理』、『個人情報保護法の法律相談』。

委員長代行 

岸本 葉子(きしもと ようこ)

Yoko KISHIMOTOEssayist

送り手として、受け手として

ものを作るプロセスは判断の連続です。作品を送り出す者のひとりとして、判断の重みを日々感じています。表現者また視聴者のひとりとして、放送と倫理の課題に、誠意をもって取り組みます。

岸本 葉子
1961年生まれ。エッセイスト。東京大学教養学部相関社会科学科卒業後、執筆活動を始める。ジャンルは、暮らしやエイジングについてのエッセイ、書評、俳句、小説。著書は、『エッセイ脳』『ちょっと早めの老い支度』など多数。社会における活動は、厚生労働省社会保障審議会委員、同省医療情報ネットワーク基盤検討会委員、国立がんセンター倫理審査委員会委員、日本対がん協会評議員、日本放送協会中央番組審議会委員など。

委員長代行 

高田 昌幸(たかだ まさゆき)

Masayuki TAKADAProfessor of Infomatics,
Tokyo City University

「信頼」を取り戻すために

「フェイクニュース」という言葉に象徴されるように、マスメディアに対する信頼が大きく揺れ動いています。それを少しでも取り戻せるよう、まずは放送界の方々と向き合い、考えたいと思います。

高田 昌幸
1960年生まれ。東京都市大学メディア情報学部教授(ジャーナリズム論/調査報道論)、ジャーナリスト。北海道新聞記者などを経て、2017年から現職。2004年、北海道警察
裏金問題の取材班代表として、新聞協会賞、菊池寛賞、日本ジャーナリスト会議大賞など受賞。著書に、『真実』『権力VS調査報道』『権力に迫る調査報道』『メディアの罠 権力に加担する新聞・テレビの深層』ほか。

委員

井桁 大介(いげた だいすけ)

Daisuke IGETAAttorney at Law

メディアが時代と寄り添えるように

誰もが情報を発信し、また取得する情報を選べる現代において、メディアの重要性は一層高まっていると感じております。メディアが時代と寄り添えるように、微力を尽くしたいと思います。

井桁 大介
1980年生まれ
2007年 早稲田大学大学院法務研究科卒業
2008年 弁護士登録(第二東京弁護士会)
2020年〜宮村・井桁法律事務所所属

委員

大石 裕(おおいし ゆたか)

Yutaka OISHIProfessor Emeritus, Law and Political Science, Keio University

メディアを通じて社会を知る、社会を通じて自分を知る

人々はメディアを通じて社会と結びついています。放送メディアの社会的役割は依然として非常に大きいはずです。自由と社会的責任、この二つの言葉を軸に放送メディアについて考えていきます。

大石 裕
1956年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。十文字学園女子大学特別招聘教授 東海大学 文化社会学部特任教授。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得 退学。慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所長、同法学部長・大学院研究科 委員長、日本マス・コミュニケーション学会会長、TBSラジオ番組審議会委員長などを 歴任。主著『ジャーナリズムとメディア言説』(勁草書房)、『メディアの中の政治』 (勁草書房)、『批判する/批判されるジャーナリズム』(慶應義塾大学出版会)。

委員

大村 恵実(おおむら えみ)

Emi OMURAAttorney at Law

バランス感覚と国際的な視座を大切に

パンデミックで変容した社会に放送はどのような価値を提供するか。真に必要な情報へのアクセスは、皆に平等に確保されているか。バランス感覚と国際的な視座を大切に、多角的に検証します。

大村 恵実
弁護士・ニューヨーク州弁護士。東京大学法学部卒業。ニューヨーク大学ロースクール(国際法学専攻)修了。日本弁護士連合会国際室長、同国際人権問題委員会委員長を務めた。国際機関勤務や、国連人権理事会での活動の経験から、国際社会からみた日本の人権について企業等に助言している。共著に『女性差別撤廃条約と私たち』(林陽子編著・信山社)。

委員

長嶋 甲兵(ながしま こうへい)

Kouhei NAGASHIMAScreen Director / TV Producer

「テレビの素晴らしい本質」とは?

かのマクルーハン曰く、「テレビが古いテクノロジーになった時、我々はテレビの素晴らしい本質を真に理解し、ありがたく思うことだろう。」私たちは、"テレビの素晴らしい本質"にまだ気づいていないのかも。

長嶋 甲兵
1960年生まれ。演出家・テレビ番組プロデューサー。「数字は取れないが、賞を取る」ことで生き残る。主な番組は『詩のボクシング~鳴り渡れ言葉 一億三千万の胸の奥に』(1998年、放送文化基金賞大賞/ATP賞最優秀賞)『世紀を刻んだ歌~花はどこへいった』(2000年ATP賞グランプリ)『NONFIX シリーズ日本国憲法/96条憲法改正の手続き~
国民的憲法合宿』(2005年芸術選奨文部科学大臣賞放送部門新人賞)『名盤ドキュメント 井上陽水~氷の世界40年』(2014年ギャラクシー奨励賞)など。

委員

西土 彰一郎(にしど しょういちろう)

Shoichiro NISHIDOProfessor of Law, Seijo University

自律的、主体的な実践なくして放送倫理は語れない

番組制作者の自律的、主体的な実践なくして市民の知る権利の展開に資する放送倫理を語ることはできません。委員の役割はこの実践を下支えする契機にすぎないと自覚し、矩を踰えずに微力を尽くしたいと思います。

西土 彰一郎
1973年生まれ。成城大学法学部准教授を経て、現在、同教授(専攻:憲法・メディア法)。この間、 マインツ大学メディア法研究所客員研究員、ハイデルベルク大学法学部 およびマックス・プランク国際法/比較公法研究所客員研究員(アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨学生)。日本フンボルト協会理事。著書に『放送の自由の基層』(信山社、2011年)、「放送の自由」鈴木秀美=山田健太(編)『放送制度概論』(商事法務、2017年)など。

委員

毛利 透(もうり とおる)

Toru MORIProfessor of Constitutional Law, Kyoto University

政治的・社会的議論の共通の拠りどころとして

世界的に社会の分断が危惧されるなか、放送番組が政治的・社会的議論の共通の拠りどころとしての信頼を維持することは非常に重要です。委員の一人として、そのために微力を尽くしたいと思います。

西土 彰一郎
1967年生まれ。京都大学大学院法学研究科教授(専攻は憲法学)。東京大学法学部卒業。 京都大学博士(法学)。日本公法学会・比較法学会理事、世界人権問題研究センター理事、 法制審議会委員などを務めている。著書に『表現の自由』(岩波書店、2008年)、『統治 構造の憲法論』(岩波書店、2014年)、『国家と自由の法理論』(岩波書店、2020年)、 『憲法Ⅰ 総論・統治』『憲法Ⅱ 人権』(ともに第3版、共著、有斐閣、2022年)など。

委員

米倉 律(よねくら りつ)

Ritsu YONEKURAProfessor of Law, Nihon University

民主主義のライフラインとしての放送メディア

メディア環境が大きく変化するなか、民主主義社会を下支えする放送の役割はむしろ高まっているように見えます。微力ながら、放送の多元性や公共性を守ることに貢献したいと思います。

米倉 律
1968年生まれ。日本大学法学部教授(映像ジャーナリズム論)。早稲田大学大学院政治学 研究科修了。NHK報道局ディレクター、NHK放送文化研究所主任研究員、日本大学法学部 准教授などを経て、2019年から現職。この間、タンペレ大学客員研究員、日本マス・ コミュニケーション学会理事、日本オーラル・ヒストリー学会理事など。著書に『「八月 ジャーナリズム」と戦後日本』(花伝社、2021年)、共編著に『新 放送論』(学文社、 2018年)、『ローカルテレビの60年』(森話社、2018年)など。