日本テレビ
『謎とき冒険バラエティー 世界の果てまでイッテQ!』
2つの「祭り企画」に関する意見
2019年7月5日 放送局:日本テレビ
日本テレビの『謎とき冒険バラエティー 世界の果てまでイッテQ!』で、2017年2月に放送された「タイ・カリフラワー祭り」と2018年5月に放送された「ラオス・橋祭り」にでっち上げの疑いがあると週刊誌が報じ、委員会は、この2つの「祭り企画」を対象に審議を続けてきた。
委員会は(1)「祭り」は番組のために用意されたものであったが、制作スタッフはその過程を把握していなかった(2)視聴者の「了解」の範囲を見誤り、地元に根差した「祭り」への体当たり挑戦だとナレーションで思わせた(3)挑戦の舞台である「祭り」そのものへの関心が希薄化したため安易なナレーションを生んだ、と分析した。そして、制作過程の重要な部分を制作者側が把握していなかった点でその過程が適正に保たれておらず、現地にもともとある祭りに出演者が参加しているように視聴者を誘導した点で、多くの視聴者が番組に求める約束に反したものだったと言われても仕方がないとして、2つの「祭り企画」には、程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ないと判断した。
そのうえで、世の中の権威や無意味な制約を笑いとばし、差別や偏見のばかばかしさを暴き、新たな驚きや笑いを視聴者に届けるしなやかさや気概を持ち続けてほしいとバラエティー制作者に呼びかけた。
2019年7月5日 第29号委員会決定
目 次
- I はじめに
- II 審議の対象とした番組
- 1 「ラオス・橋祭り」
- 2 「タイ・カリフラワー祭り」
- III 本件放送の制作過程と問題が指摘されたあとの日本テレビの対応
- 1 『イッテQ!』の制作体制
- 2 「祭り企画」について
- 3 「ラオス・橋祭り」の制作過程
- 4 「タイ・カリフラワー祭り」の制作過程
- 5 問題が指摘されたあとの日本テレビの対応
- 6 その他の「祭り企画」109回の調査報告の検討
- IV 委員会の検証
- 1 「祭り」は番組のために用意されたものであったが、制作スタッフはその過程を把握していなかった
- 2 視聴者の「了解」の範囲を見誤り、ナレーションによって地元に根差した「祭り」への体当たり挑戦と思わせた
- 3 挑戦の舞台である「祭り」そのものへの関心が希薄化し、安易なナレーションを生んだ
- V 委員会の判断
- VI おわりに
2019年7月5日 決定の通知と公表の記者会見
通知は、2019年7月5日午後1時30分からBPO第1会議室で行われ、午後2時30分から千代田放送会館2階ホールで公表の記者会見が行われた。記者会見には、30社62人が出席した。
詳細はこちら。
2019年10月11日【委員会決定を受けての日本テレビの対応】
標記事案の委員会決定(2019年7月5日)を受けて、当該の日本テレビは、対応と取り組み状況をまとめた報告書を当委員会に提出した。
10月11日に開催された委員会において、報告書の内容が検討され、了承された。
日本テレビの対応
目 次
- 1、委員会決定についての報道
- 2、情報・制作局の取り組み
- 3、BPO委員を招いて研修会を実施
- 4、決定内容の社内周知について
- 5、番組審議会への報告
- 6、イッテQ 再発防止への取り組み
- 7、総括