放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第270回

第270回 – 2019年6月

「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」の審理…など

議事の詳細

日時
2019年6月18日(火)午後4時00分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1. 審理事案「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」

対象となったのは、秋田県内で放送された今年1月21日夜の『NHKニュースこまち845』。情報公開請求などによって明らかになった過去5年間の県内の国公立大学における教員のハラスメントによる処分に関するニュースを伝えた。県内の大学で起きた3年前の事案について、匿名で「男性教員は、複数の学生に侮辱的な発言をしたことなどがアカデミックハラスメントと認定され、訓告の処分をうけた」とのナレーションに、開示された文書にある「学生への侮辱的発言、威圧的な行動」と「小中学生でも出来る」という文言を接写した映像を使って報じた。
この放送に対して男性教員が、氏名は発表されていないが、関係者には直ぐに自分だと判断される内容だ、とした上で、「私が複数の学生に対して『小中学生でも出来る』などといった侮辱が理由で処分されたと報道された。不正確な情報をあたかも実際に起きたかのように、間違った報道をされた」と主張し、「誤った情報が周知され、大学で正常に勤務できない状況が作られた」として、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「情報公開請求で開示された内容を、各大学で改めて取材を行い、内容に誤りや変更がないことを確認した上で概要を説明した」と反論したうえで、「処分をされた教員は、いずれも匿名で、役職や年齢に触れていないなど、個人が特定できないよう、十分配慮している」と説明している。
前回委員会で、本件申立ては、運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。
今回の委員会では、両者から提出された書面を元に委員が論点などについて意見を述べた。今後、起草委員が論点やヒアリング項目を整理し、次回委員会に提出することになった。

2. 委員会決定第69号「芸能ニュースに対する申立て」に関するTBSテレビからの「対応と取り組み」報告書の承認

委員会決定第69号に対して、TBSテレビから「対応と取り組み」をまとめた報告書が6月11日付で提出され、委員会はこれを了承した。 

3. その他

  • 申立て状況について事務局から報告が行われた。

  • 今後の意見交換会の準備について進捗状況が報告された。

以上