放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第269回

第269回 – 2019年5月

「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」審理入り…など

議事の詳細

日時
2019年5月21日(火)午後4時~5時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、
二関委員、廣田委員、水野委員

1. 審理要請案件「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」

委員会は、本件申立ての審理入りを決定した。
NHK秋田放送局は、今年1月21日午後8時45分からの『NHKニュースこまち845』の中で、情報公開請求などによって明らかになった過去5年間の県内の国公立大学における教員のハラスメントによる処分に関するニュースを伝えた。
ニュースでは、ある大学で起きた3年前の事案について、匿名で「男性教員は、複数の学生に侮辱的な発言をしたことなどがアカデミックハラスメントと認定され、訓告の処分をうけた」とのナレーションに、開示された文書にある「学生への侮辱的発言、威圧的な行動」と「小中学生でも出来る」という文言を接写した映像を使って報じた。
この放送に対して男性教員が、氏名は発表されていないが、関係者には直ぐに自分だと判断される内容だ、とした上で、「私が複数の学生に対して『小中学生でも出来る』などといった侮辱が理由で処分されたと報道された。不正確な情報をあたかも実際に起きたかのように、間違った報道をされた」と主張し、「誤った情報が周知され、大学で正常に勤務できない状況が作られた」として、NHKに対して謝罪を求めてBPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対してNHKは、「情報公開請求で開示された内容を、各大学で改めて取材を行い、内容に誤りや変更がないことを確認した上で概要を説明した」と反論したうえで、「処分をされた教員は、いずれも匿名で、役職や年齢に触れていないなど、個人が特定できないよう、十分配慮している」と説明している。
21日に開かれたBPO放送人権委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

2. その他

  • 委員会決定に対する当該局研修 第69号「芸能ニュースに対する申立て」に関する当該局研修を5月29日にTBSテレビで実施する。

以上