放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第133回

第133回–2019年1月

日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』審議入り

第133回放送倫理検証委員会は1月11日に開催された。
海外ロケをした「祭り企画」にでっち上げの疑いがあると週刊誌が報じた日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』について、委員会は、当該放送局から提出された追加の報告書を含めて討議した結果、「どういう制作過程を経て番組ができたのか、番組制作者から直接話を聞いて、放送倫理上の問題について確認したい」として、審議入りすることを決めた。
なお、神田委員長は『世界の果てまでイッテQ!』の討議には参加していない。

議事の詳細

日時
2019年1月11日(金)午後5時~午後8時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

神田委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 「海外ロケの企画をでっち上げた疑いがある」と報じられた『世界の果てまでイッテQ!』について審議入り

日本テレビの「謎とき冒険バラエティー『世界の果てまでイッテQ!』」の「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」というコーナー企画で、2017年2月12日放送の「タイのカリフラワー祭り」と2018年5月20日に放送された「ラオスの橋祭り」にでっち上げの疑いがあると週刊誌が報じた。日本テレビは「みなさまに疑念を抱かせ、ご心配をおかけする事態に至ったことについて深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で、当面「祭り企画」を中止にしている。
委員会は、週刊誌が報じた二つの企画のほかにも、当該放送局に追加の報告書と放送済みの番組素材(DVD)の提出を求めて討議を継続した。問題が指摘されている「祭り企画」では、本来あった“世界の「祭り」に挑戦する”という要素が希薄化し、「祭り」の舞台設定やルールを番組用にアレンジしてしまった点で、海外で行われている祭りそのものだと思っている視聴者の信頼を裏切ることになったのではないかといった意見が相次いだ。また、複数の「祭り企画」を見ると、異なる「祭り」を同じナレーションで紹介している放送があり、長寿番組になる過程で、ナレーションや作り方が定型化してしまい、そのことが今回指摘されたような問題を看過する背景にあったのではないかという意見も出された。
その結果、委員会は、バラエティー番組の演出の視点に加え、こうした点について番組スタッフがどう考えていたのか、直接話を聞いて放送倫理上の問題について確認したいとして、二つの「祭り企画」を対象に審議入りすることを決めた。

以上