視聴者からのご意見

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見など。

2018年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,393件で、先月と比較して187件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話28%、郵便0.7%、FAX0.3%。
男女別は男性70%、女性28%、不明2%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ677件【52局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は42件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は94件で、前月から29件増加した。
今月は「表現・演出」が48件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が8件、「報道・情報」が7件と続いた。
「表現・演出」では、深夜のアニメ番組で女子中学生に対するいじめ、虐待のシーンについて意見が寄せられた。「報道・情報」では、人気タレントが未成年女性に対する強制わいせつ容疑で書類送検された件の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 財務省事務次官のセクハラ問題について。事務次官の自宅にも連日取材陣がおしかけているのは、プライバシーの侵害ではないのか。家族や近所の人の生活を脅かしていいとは思えない。セクハラ被害を訴えた女性記者の人権ばかり擁護されて、事務次官の家族や近所の人は擁護されないのか。節度ある取材を望みたい。

  • 人気タレントが、強制わいせつの疑いで書類送検されたことをテレビで報じていたが、被疑者であるにも関わらず、どの局も揃って「○○メンバー」と伝えているのはなぜなのか。特定の事務所に所属するタレントが逮捕されると、必ず「メンバー」と報じられるのは疑問だ。報道機関としての各局の考えを聞かせてもらいたい。

  • ニュースというものは事実を淡々と伝えて、判断を視聴者に委ねるものではないか。最近は必ずと言っていいほど、ニュースを伝えた後にキャスターが個人の意見を述べる。それもほとんどが野党寄りだ。与党は国民が選んだもの。それに対し批判を繰り返すキャスターの、どこに正当性があるというのか。公平・公正な報道を求めたい。

【番組全般・その他】

  • この時期になると毎年のように、「今年の新入社員は…」「今の若者は…」といった、世代や年代で人の性格や傾向を安易にひとくくりにし、40代50代の人たちとの違いを比較して、若者の悪い点をことさらあげつらうニュース番組が多いように感じる。若者へのネガティブキャンペーンは不愉快だが、それに加え、「自分たちの時代は、残業が当たり前だった…」というような、長時間労働を肯定するコメントをさりげなく混ぜ込んでくる。余計に腹立たしい。

  • 今年の新社会人に関するコーナーで、男性出演者が、「勝ち組・負け組」という表現を使いコメントしていた。世の中にはさまざまな事情を抱えている人たちがいる。一度失敗するとなかなか立ち直れないこともあると思う。テレビに出演するような人たちは、紛れもなく「勝ち組」なのだろう。勝ち誇ったようにこの言葉を使っている。今まで批判がなかったことが不思議だ。「負け組」という、一言でその人に烙印を押すような表現は、今後やめてもらえないだろうか。

  • 昼の番組は、財務省事務次官がセクハラ行為をしたことが、事実であるとした内容に感じられた。司会者は「個人の意見ですが…」と前置きをして、事務次官の個人批判ともとれることを話していたが、テレビの影響力を考えれば、個人の意見であっても、確証のないことを語っていいとは思わない。批判されている側は反論することができない。まるで欠席裁判をしているようだ。テレビを見ている人たちに、「セクハラは事実である」と誘導しているように思えてならない。

  • セクハラ問題におけるテレビ局の記者会見を見たが、勇気ある会見で評価したい。今後また、このような問題が考えられるので、これをきっかけに、各局で社員がセクハラなどの被害に巻き込まれた場合、どう対応すべきかなどのマニュアルを作成してほしい。そして、その女性記者に対するケアをしてもらいたい。

  • 日曜日の番組で、内閣支持率のデータを報じていた。1,952人に電話をし、回答率39.5%、と小さな文字で記されている。つまり772人に聞いただけ。固定電話なのでお年寄りなどが対象である。これでは信憑性が低い。このデータを報道番組で大げさに伝えている。これはおかしい。ネットでの世論調査をするべきではないだろうか。

  • 記憶に残るスポーツの名場面を特集した番組は、その一瞬の裏事情や選手の実際の心理など、誰も知らなかった真実を掘り起こして紹介していたが、どのエピソードも事実ならではの迫力があり、興味深かった。女子マラソンの金メダリストが、ラストスパートでサングラスを投げるシーンは有名だが、実は、高価な物をダメにしないよう、あらかじめ投げる方向など、入念な打ち合わせをした上でのパフォーマンスだった。他にも面白い話が満載で、たまたま番組の途中から見たことが残念に思えるほどだった。

【ラジオ】

  • FM局のプロ野球中継は、昨年まで、西武ライオンズの試合を、実況アナウンサーとリポーターで進行していた。しかし今シーズンから、芸人が加わる一方、実況アナがいなくなり、試合の中継をおろそかにし、「野球大喜利」をするなど、試合展開そっちのけの放送になっている。テレビの副音声ならまだしも、ラジオ局は、運転中のドライバーなど、テレビの見られない環境の人たちにも伝わる放送をしてほしいと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、女子中学生に対して暴行、性的暴力、いじめを助長する描写があり、また未成年者の犯罪行為を肯定するようにも受け取れる描写が見受けられた。公共の放送で、このような内容のアニメを放送することに対して不快な思いをした。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 人気タレントが、未成年女性に対する強制わいせつの疑いで書類送検されたことについての報道で、被害者の特定につながりかねない放送があった。被害者と知り合うきっかけになった番組名を放送していた。被害者であり、未成年であるにもかかわらず、あまりに配慮のない放送の仕方であると感じた。

【「動物」に関する意見】

  • 池の水を抜いて、外来生物の実態を調査するバラエティー番組で、外来種といって駆除される(殺される)のは腑に落ちない。生き物は悪くないので、ちゃんと命として扱うことこそ子どもも見る時間帯の番組として適切だと思う。外来種なら何でも殺してもいいということを子どもには教えないでほしい。