放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第125回

第125回–2018年4月

TOKYO MXの『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見への対応報告書に追加質問を検討など

本年度最初の委員会の開催となり、冒頭、神田委員長が委員長代行に是枝委員と升味委員を指名し、継続している討議を再開した。
裁判所に入る被告の映像を取り違えて、別人の映像を被告として4回にわたって放送した毎日放送のニュースを巡り、当該放送局からその後の経緯について追加報告を受け討議した結果、十分な再発防止策が取られているとして討議を終了した。
覆面座談会の出演者を一部モザイク未処理のまま放送した東海テレビ『みんなのニュースOne』の企画について、当該放送局から詳細な映像編集プロセスの説明や番組審議会の議事概要などが追加報告書として提出された。討議の結果、委員会は、番組審議会や第三者機関が機能して自主・自律の対応がなされているとして討議を終了した。
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集について、去年12月に委員会が意見書を通知公表した後の取り組み状況について当該放送局から報告書が提出されたが、報告の内容が不十分であるとして、追加の質問をすることになった。

議事の詳細

日時
2018年4月13日(金)午後5時~8時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

神田委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 裁判の被告として別人の映像を4回にわたって放送した毎日放送の『ニュース』を討議

毎日放送は、元神戸市議会議員の政務活動費詐欺事件の裁判を報道する際、3人の被告のうちの1人の被告の映像を通行人とみられる別人の映像と取り違え、去年12月の初公判から今年2月の判決公判のニュースまで4回にわたって放送した。
毎日放送は、誤って放送された人を見つけて謝罪するため、撮影した時刻と同じ時間帯に、同じ場所を中心に通行人を目視で確認する作業を続けていることから、委員会は、この推移を見守ることとし、討議を継続することとなった。当該放送局の追加報告書によると、この人物の特定はまだできていないものの(2018年4月13日現在)、映像のチェックシステムの強化など再発防止に向けて十分な対策が取られているとして、委員会は討議を終了した。

2. 覆面座談会の出演者を一部モザイク未処理のまま放送した
東海テレビの『みんなのニュースOne』を討議

東海テレビのニュース番組『みんなのニュースOne』は2月23日、「働き方改革」をテーマに中小企業経営者や医師ら5人による座談会の模様を放送した。5人は、顔にモザイクをかけるなどして個人が特定されないことを条件に出演したが、2か所でモザイクがかかっていない映像が放送された。前回の委員会では、モザイクが一部未処理のまま放送に至った経緯の報告を求め、番組審議会などでの議論を見守りたいとして、討議を継続することとなった。
新たに提出された報告書では、編集機の操作のミスからモザイクの未処理が起きたこと、編集済み素材が適切にチェックできなかったプロセスなどが詳細に説明されるとともに、番組審議会や第三者機関「オンブズ東海」で厳しい意見が相次いだことが報告された。また、再発防止策として、完パケ作業の一日前倒し、モザイクなど放送に配慮が必要な場合はスタッフ全員で情報を共有する、チェックできていない企画は放送しない、などを定めたことが報告されている。これに対し委員会では、「さまざまな指摘を今後に生かす取り組みに着手するなど、番組審議会が十分に機能している」などの意見があり、問題は社内全体で共有され、自主・自律の対応がなされているとして討議を終了した。

3. 東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集についての意見への対応報告書を検討

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』沖縄の基地問題に関する特集について、委員会は去年12月、重大な放送倫理違反があったとする意見書を通知公表し、TOKYO MXからその後の取り組み状況について報告書が提出された。
この報告について委員会では、「TOKYO MXは、委員会が意見書を通知する前の去年2月、番組は放送基準に沿った内容だったとする『当社見解』を公表したが、意見書通知後、この見解の内容について、改めて社内で検証をしたのだろうか」などの意見が出された。その結果、この報告書では、報告の内容が不十分であるとして、TOKYO MXに対して追加の質問をすることになり、その内容について担当委員を中心に検討することになった。

以上