放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第257回

第257回 – 2018年4月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

奥委員長が就任して初めての委員会で、まず、奥委員長が2名の委員長代行に市川委員と曽我部委員を指名した。このあと、報道機関による撮影が行われた。

議事の詳細

日時
2018年4月17日(火)午後3時~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが委員会に申立書を提出し、番組は、手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させると名誉毀損を訴えた。これに対し、CBCテレビは委員会に提出した「経緯と見解」書面において、一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えないと主張した。
前回の委員会後、申立人から「反論書」が、被申立人からそれに対する「再答弁書」が提出され、所定の書面が出揃った。今回の委員会では、事務局がそれら双方の主張を取りまとめた資料を説明し、それを基に委員が意見を交わした。今後、論点を整理するため起草担当委員が集まって協議することとなった。

2.『判断ガイド2018』の検討

新しい『判断ガイド2018』をこの夏をめどに刊行することになり、内容や構成を検討した。版型は、掲載する決定件数が大きく増えることなどから、現行の『判断ガイド2014』のA5版よりひと回り大きいB5版とすることになった。

3.その他

  • 次回委員会は5月15日に開かれる。

以上