青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第201回

第201回-2018年3月27日

視聴者からの意見について…など

2018年3月27日、第201回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
委員会ではまず、2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
委員からは、情報番組で東京・銀座の公立小学校でアルマーニの制服が採用された話題について取り上げた際、一定の価値観で放送されていたのが、気になった、という意見などが出されました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは「モニターとしての1年間を振り返って」で、27人から報告がありました。モニターからは、「考えてテレビを見ることができたのは良い経験だった」「テレビに対する視野が広がった」などの感想が寄せられ、それについて議論しました。
調査研究については、調査研究報告会が3月13日に開催されましたが、担当の菅原委員から委員に対して調査結果について改めて説明がありました。
次回は4月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年3月27日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

東京・銀座の公立小学校でアルマーニデザインの制服が採用されたことの報道について、委員からは「情報番組全体の感想として、ある一定の価値観で構成されていたのが気になった。『全部そろえると何万円』ということで、コメンテーターは、かなり否定的にコメントしていたが、現実には、そうではないと思っている人もいるはずである。保護者にどう説明しているのかなど、違った角度からの掘り下げ方も必要だったのでないか」という発言が出されました。
これ以上、議論する必要のある案件はありませんでした。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「モニターとしての1年間を振り返って」です。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
任期当初に感じたリポートを書く難しさ、テレビやラジオ番組への向き合い方の変化など、それぞれのモニターが率直につづっています。
「自由記述」では、『ピョンチャンオリンピック・パラリンピック関連』の放送について、3人のモニターが取り上げています。普段は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感しているが、オリンピックの期間中には「テレビの話題で持ちきりになった」「とても心に残った」との感想の一方、「オリンピックは特集が組まれ、放送時間も拡大されていたが、パラリンピックは中継がほとんどなく」残念に思ったという意見もありました。
「青少年へのおすすめ番組」は、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)に2人、『R-1ぐらんぷり2018』(関西テレビ)に3人が感想を寄せています。

◆委員の感想◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について

    • 番組を作り手の側の視点から見るということ、深く考えながらテレビを見るという経験からの学びについて、多くのモニターが実感していることがわかる。

    • 「テレビを俯瞰していろいろ考えながら視聴するようになり、自分の好みも再確認した」という報告があるが、テレビを映し鏡のようにしながら成長した自分を自覚しているのだな、と思った。

    • 自覚的にテレビを視聴し、映像から情報を得ることがたくさんの学びを与えてくれるということに、多くのモニターが気づいてくれたことをうれしく思う。

    • 以前よりも考えて、テレビやラジオを視聴・聴取するようになり、今までは漠然としていた自分の考えについても考えるようになったことで「自分自身を前よりも理解することができた」という感想は、テレビやラジオと青少年との関わりの可能性を示唆しているようにも思われる。

◆モニターからの報告◆

  • 【モニターとしての1年間を振り返って】について
    • この一年間、テレビ番組のレポートを提出するというミッションをいただいて、僕なりにいつもよりはもう一歩深く考えることができたような気がします。例えば、番組の良くなかった点を挙げるのは簡単ですが、では、それを良くするにはどうしたらよいのか、ただ単に無くすのではなく、継続し楽しく視聴するにはどうしたらいいのか、前向きに考えていくことなのだと気づきました。SNSなどで少数意見も取り上げられる中、性別、年齢、生い立ち、それぞれ違う人たち万人に受け入れられるような番組制作は無理なのかもしれませんが、そういう意見もあるのだと知ることこそが、次に繋がっていくのだと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • この一年間、特に印象深いのは、渋谷での会議のときに見学したスタジオの裏側です。普段何気なく観ているテレビ番組が、視聴者の見えないところにいるたくさんのスタッフや様々な機械などによって支えられていることを知り、とても驚きました。また実際に放送されるまでに、不適切な表現はないか、不確かな情報はないかなど、たくさんのチェックを重ねて放送されることを知って、ただ企画や内容を考えただけでは簡単に放送することはできないのだなと思いました。これからはモニターを通じて知ることができた、情報を発信することの大変さ・喜び・重要性を、友達やその他の身近な人などに、伝えていきたいと思います。(東京・中学2年・男子)

    • テレビからいろんなことを学べました。それに、今までは(面白いなぁ)と心の中で思っているだけだったことも 具体的にどこが面白かったのか、逆に、どこを改善したらよいのか、などを考えるようになりました。自分の考えを言葉にする時に、語彙力の無さを痛感しました…。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 1年間での変化は「テレビを俯瞰して視聴するようになった」ということです。今までは番組の作り手の意図や演出方法について思いをめぐらすことはありませんでしたが、モニターをすることで「こういう視聴者を想定しているのかな?」「中立的な立場を取って放送しているのかな?」「このニュースを掘り下げているのはここの局だけだな」などいろいろ考えながら見るクセがつきました。報道番組をそういった視点で見ることで学校の社会の授業の話がおもしろくなったりもしました。以前から好きだった番組(ポケモンや料理を扱った時代劇など)の具体的にどういう点を自分が好きだったのかがわかり、自分の好みも再確認しました。(千葉・中学2年・女子)

    • 毎月『考えてテレビを見る』ということができたのは良い経験でした。それは、普段ならあまり自分から見ないようなドキュメンタリー番組を、最初から最後まで早送りなどしないで見たことがとくにそうです。「面白い」というのは「笑える」ということばかりでなくて、「こんなことがあったんだ」と知識が増えることも「面白く」感じました。ラジオの番組も、モニターになるまでは、ただ流れているくらいだったのですが、話している内容を意識するようになり、ラジオは見えない分テレビよりも言葉の選び方を大切にしているということにも気がつきました。自分で番組の企画を一から考えたときには、ワクワクした気持ちと、もし自分の番組が本当にテレビで流れたらと勝手に想像して緊張した作業でした。一から自分の思い通りにできることが逆に難しく感じました。でも、いろんなテレビ局の方に企画を見てもらい、感想を書いていただけてうれしかったです。(富山・中学2年・男子)

    • テレビ番組ひとつとっても、一分一秒にかける人たちの熱量の高さはすごく高いと思いました。インターネットが生活の一部となっている現代だからこそ、確かな情報を手に入れるためにはテレビやラジオは大切な手段のひとつだし、その信頼性を高めることは大切だと思いました。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビに対する視野が広がったと思います。普段テレビやラジオ聴くとき見るときに、私自身は視聴者と言う立場ですが、この中高生モニターを通して制作する側の気持ちになってみたり、実際に自分が番組を作ると言う企画を考えたりすることで、視聴者だけの立場ではなく逆の立場でもテレビやラジオを聴いたり見たりすることができるようになりました。そうすることによって、番組の新しい、今までは視聴者としてみるだけでは気付けなかった面白さ、逆に、ここは苦労したのではないか…という点から注目するところ、見方も楽しみ方も変わりました。時代に合わせながら、ニーズに合わせながら作る製作者は日々やりがいを感じ、とても達成感に満ち溢れた仕事であるのだろうなと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 私はモニターを経験して、報道の捉え方に深みが増したと思う。リポートを書きながら、何度も倫理について考えた。何が倫理的なのか。報道が視聴者に与える倫理観は何なのか。一つわかったことがあるとするなら、それは世界各国で価値観が違うことだ。欧米諸国の観点で日本のバラエティー番組をみるともしかしたら、人種差別的、性差別的、他にもいくつかの問題を含んでいるように受け取られているかもしれない。総じて、この一年は報道と倫理について考える一年となった。それもリポートのおかげで、報道の影響力を改めて私の中で見直すきっかけを与えていただいた。(東京・高校1年・女子)

    • 「考える」ことにこんなにも入れ込んでしまうとは思いもしませんでした。モニター経験で学んだことは「批判と非難は違う」ということです。公平な立場から見つめるということがいかに大変かを痛感しました。また、自分の伝えたいことを的確に伝えられる言葉を選ぶことに何度も苦労しました。少し違うだけでニュアンスが異なって、うまく伝えられない歯がゆさを覚えることが多々あり、言葉の力を知ることができたと思います。言葉の影響力は大きいので、公共の電波であるテレビやラジオには言葉を大切にしてほしいです。この1年を通して、以前よりも考えてテレビやラジオを視聴するようになりました。またレポートを書くことで今まであった漠然とした自分の考えを言語化することができ、自分自身を前よりも理解することができたと思います。しかし、それでもまだ表面的なところしか見られていないと思うので、もっと深く味わえる大人になれるよう、この情報溢れる現代で、能動的に考え、行動していきます。(青森・高校2年・女子)

    • この1年間は、テレビなどのマスコミの報道について考えさせられることが、ここ数年の中で1番多かった時だと思います。芸能界、相撲の暴行問題、政治の問題など、これはマスコミが公平に扱えているのかなと思う時が何度もありました。テレビの見方も変わりました。中高生モニターをする前は番組をただ見ているだけということが多かったのですが、モニターをしているうちに自分なりに、番組やニュースについて色々な意見を持つようになりました。また、ラジオもよく聴くようになりました。リポートを送るときに気をつけていたのは、読む相手に伝わる文章になっているかどうかでした。正しい文章になっているのか、特定の人を傷つける文章になっていないかなど…、1文の表現に何分もかけたこともありました。相手に自分の伝えたいことを表現することの難しさを学びました。(愛媛・高校2年・男子)

    • この一年間、モニターの活動を通して、様々なことを「想像しながら」テレビを見るようになりました。まず、"この映像はどんな思いでつくられたのか"。実際に現場を見学したことで、製作する人達の情熱を知ることができました。一方で、理想と現実の間に立ちはだかる壁の存在も知りました。そして、これを見た"あの人やこの人は何を思い、感じるのか"。私たちは推し量ることしかできないけれど、頭の中で色々な人の立場に立って、その喜びや痛みを想像することは本当に大切なことだと感じました。想像以上に、いまのテレビにはその行為が欠けていることも実感しました。まっすぐ向き合って見ると、もやもやしたり不快な気持ちになったりすることがあり疲れました。それでもやはり、テレビは色々な出会いをもたらしてくれるし、新しい世界を見せてくれるし、私はテレビが好きです。だからこそ、誰も傷つけないようになってほしいと思います。また、リアルタイムでたくさんの人の元に届く力は大きいと感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 日頃は中高生のテレビ・ラジオ離れを実感していますが、一時期、私の学校ではテレビの話題で持ちきりになったことがありました。「ピョンチャンオリンピック」の期間です。試合などをテレビで見ている人が多く、その感想を次の日に教室で話すのは楽しかったです。(秋田・中学3年・女子)

    • テレビを見ると新しい情報を知ることができるだけでなく,友達とのおしゃべりの話題や気晴らし,リラックスと本当にわたしたちの生活をゆたかにしてくれるのだと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 先月、平昌オリンピックが開催され、日本の選手をはじめ、多くの選手が活躍していたのをテレビ中継で見ました。その時にはテレビのニュースでもオリンピックの特集コーナーが組まれ、放送時間を拡大した番組もありました。しかし、その後に行われるパラリンピックでは中継がほとんどなく、出場した選手が活躍してもテレビであまり大きく取り上げられていないように思います。昨年自分の住んでいる県で行われた国民体育大会(以下国体)・障害者スポーツ大会でも似たようなことがありました。国体では開会式の様子を県内の民放全局とNHKで放送していましたが、障害者スポーツ大会の開会式を放送していたのはNHKだけでした。開会式の中継の扱いの違いを知って残念な気持ちになったのを覚えています。東京オリンピックでは開催国なのでどちらの大会も同じくらい扱われるのではないかと思っていますが、2022年の冬季オリンピック、2024年の夏季オリンピックの時にはパラリンピックの方も同じくらい取り上げてほしいと思いました。また、そのためには民放の場合スポンサーとなる企業や、社会全体が障害者スポーツ・パラリンピックについて正しく知る・理解することが大事だと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ/関西テレビ)応募者3795人の中から一人芸日本一になったのは、なんと、盲目の芸人濱田祐太郎さんでした。目がほとんど見えないという障害をあえて笑いのネタにする人がいるなんてこと、今まで考えたこともなかったので衝撃的でした。漫談はとてもテンポもよく、聞きやすく、面白おかしくて笑ってしまう内容でしたが、一方で、この話で健常者の僕たちが笑っていいのか、盲目の方からみると不快に思わないのだろうかと考えてしまう自分がいました。でも、考え直しました。きっと障害さえも笑いに変えてしまい、前向きにおしゃべりの上手な自分を全面に出す濱田さんの生き方を僕たちがリスペクトしていれば、何の問題もないのかなと思えたのです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『ミライ☆モンスター』(関西テレビ/フジテレビ)同い年の人が頑張っている姿をみて勇気をもらえました。日曜日の観やすい時間帯なのでまた観ようと思います。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『R-1ぐらんぷり』(関西テレビ)事前に予選で選出された芸人さんのレベルの高い戦いが見られるだけあって私も毎回楽しく視聴しています。ただ、下品な内容がやや多く感じられ、少し残念に思いました。(兵庫・高校2年・女子)

調査研究について

3月13日、BPO加盟社と各報道機関を対象に、調査研究の報告会が開催されました。委員会では、担当の菅原委員から、調査結果について、改めて説明がありました。
委員からは、
「テレビを見ない子どもの要因として、ゲーム、外にいる時間が長い、という調査結果が出たが、親との関係も関連しているのではないか。親がテレビを見ないと習慣として子どもも見なくなり、親がテレビに肯定的な家庭では、子どもも時間があれば、見ているのではないか」
「バラエティー番組の"危うさ"に対する意見として、『自分は不快に思わないが、不快に思う人がいるだろうと思うシーンがある』と答えた人は、50%以上に上ったが『自分が不快に感じるシーンがある』と答えた人は、圧倒的に少なかった。このギャップが興味深かった」
「テレビの効用感に関する調査で、『テレビの話題で友だちと盛り上がる』『家族との会話に役立つ』などの数値が高かったが、他者との関係性の中でテレビを見るという視聴態度は、いつころから始まったのか。かつては、テレビは『夢の箱』と呼ばれ、現実にはできない経験や物語を味わうことが大きな魅力だったと思う。テレビが、人間関係の潤滑油として捉えられていることに違和感をもった」
などの意見が出されました。

委員退任について

汐見稔幸委員長と最相葉月副委員長が、3月末で任期満了となり、退任することになりました。汐見委員長は3期9年、最相副委員長は2期6年それぞれ務められました。

以上