青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第198回

第198回-2017年12月18日

視聴者からの意見について…など

2017年12月18日、第198回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、7人の委員全員が出席しました。
開会に先立ち、初代の青少年委員会委員長、原寿雄氏が11月30日に逝去されたことに対し全員で黙祷を捧げ、ご冥福を祈りました。
委員会ではまず、11月16日から30日までに寄せられた視聴者意見について議論されました。「元横綱による暴行問題」の報道について、視聴者から「マスコミのいじめにしか見えない」などの意見が寄せられていることなどに対して委員からは「指摘されたような問題点はないと思う」などの見解が示され、これ以上議論しないことになりました。
11月度の中高生モニターのリポートのテーマは「テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見」で、中高生モニターから寄せられたリポートや一部の質問に対する放送局からの回答をもとに意見が交わされました。
調査研究については、「青少年のメディア利用に関する調査」について担当委員から現状と今後の流れ等について報告されました。また、1月23日に開催する調査研究に関する意見交換会の内容や進行についても説明されました。
次回は年明けの1月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年12月18日(月) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

情報番組等での「元横綱による暴行問題」の報道について、「暴行によって引退に追い込まれた日馬富士を擁護していた。いじめの助長につながる」「確かに暴力はいけないが、どの番組でもしつこく取り上げ、人を追い込むような内容に嫌気がさす。マスコミのいじめにしか見えない」などの意見が寄せられました。委員からは、「この問題は、視聴者の関心が非常に高く様々な意見が寄せられているが、この報道について、指摘されたような問題点はないと思う」などの意見が出されました。この件については、これ以上、話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした12月のテーマは、「テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見」です。24人のモニターから報告がありました。モニターの疑問や質問の一部については、在京放送局に送付し回答を寄せていただきました。
「自由記述」では、大相撲の「元横綱による暴行問題」について意見を寄せたモニターが複数いました。また長い期間放送されていたバラエティー番組の終了が続けて発表されたことを受けて「果たして、僕が今見ているテレビ番組に20年30年と続くものがあるのだろうか」との疑問の声もありました。

◆モニターの疑問・意見と放送局からの回答(一部抜粋)◆

モニターの疑問のうち、YouTubeなどインターネット上の動画や情報の取捨選択などに関するものやスポーツ中継の延長に関するもの、また、いわゆるCMマタギに関するものなどについて在京放送局から以下のような回答が寄せられました。

  • テレビの番組で、YouTubeの動画を紹介するなど何かとインターネットの情報を流す機会が増えたように思います。しかし、インターネットの情報は不正確だったり不適切なものも存在します。インターネット上の動画や情報を放送する際に取捨選択の方法や基準はどのようになっているのか、知りたいです。
    (民放D局)
    放送するには、放送倫理基本綱領、日本民間放送連盟放送基準、児童・青少年への配慮に関する諸規定など様々な規定を順守します。そして、その情報が正しいのか、誤解を生じないかを専門家などにも確認した上で、放送しています。
    (民放B局)
    まず、映像を撮影した人と連絡を取って、放送で使っていいかどうか許可をもらいます。許可がいただけない場合は使いません。連絡が取れたら、映像を撮影した時の状況や様子についても詳しく聞きます。別の人が撮影したものだったりウソの映像だったりしたら、使いません。次に、その映像の出来事が、本当にその時間に、その場所で起きていたかどうか、警察や消防などで必ず確認します。同じような映像が他にもアップされていないか探します。映像が本物かどうか、はっきりわからなければ使いません。できる限り、記者やカメラマンがその現場に行って確かめ、事故や被害などの様子を見ていた人などを探して、直接話を聞きます。現場に行くと、映像に映っている様子が本当にその場所で起きた出来事かどうか、はっきり確認できます。撮影した人と直接会って話をきくこともあります。たとえ映像が本物であっても、見る人たちがいやな気持ちになったり、恐ろしい気持ちになったり、人を傷つけるような映像など、放送にふさわしくないと判断したら使いません。また、映像が法律違反や危ない行為を撮影した映像だった場合も放送しないことがあります。立ち入り禁止の場所で撮影したり、交通違反や危ない行為をしながら撮影している映像も同じです。映像に、人の姿や場所など個人情報が映っている場合も、そのまま放送しないことがあります。いくら「おもしろい映像」や衝撃的で目立つ映像だからといって、放送するとは限りません。
    (民放E局)
    インターネットの情報は、番組制作のヒントになることもありますが、ほとんどが不正確ですので必ず一次情報を探して裏付けなどしたうえで放送します。動画も同様で、撮影者や制作者と直接交渉しオリジナルを入手したうえで放送基準に照らして放送しています。

  • スポーツ中継で試合の延長などで番組の放送時間が繰り下がることがあります。2時間近く繰り下がると次の番組の放送終了時間が深夜になってしまいますが、放送時間の優先順位は何を基準に誰が決定しているのですか?
    (民放A局)
    中継しているその試合(の意味や価値判断)と、以降の番組(の意味や価値判断、コンテンツとしての性格、視聴対象等々)が何かによって、基準はケースバイケースです。決定自体は「編成部」という部署がしています。
    (民放C局)
    視聴者の関心度などを総合的に判断して、タイムテーブルを作成している編成部の責任者である編成部長が決定しています。
    (民放D局)
    スポーツ中継の競技や、次の番組のジャンルなどにもよりますが、視聴者のニーズ・番組スポンサー・出演者の裏局出演かぶりなどを総合的に判断して、延長時間の幅も含め、最適の放送枠を決定しています。
    (民放E局)
    試合などの展開を見つつ、その都度、スポーツ局と編成局が協議して決めています。

  • スポーツ中継が延長されることがよくありますが、なぜ民放局はサブチャンネルを活用しないのでしょうか?NHKのように中継はサブチャンネルに移行して、次の番組を予定通りに放送してほしいです。
    (民放A局)
    サブチャンネルを開けばメインチャンネルの視聴者が一部そちらへ流れることになります。NHKと違って民放はCMで成り立っているので、予定の番組を提供していただいているスポンサーへの配慮も当然必要になります。
    (民放C局)
    サブチャンネルの活用は、デジタル放送の特徴を生かした新しいサービスとして注目しています。しかしながら、2チャンネルに分割して放送した場合には、画質が低下するなど、解決しなければならない技術的な課題もあり、現在は実施していません。
    (民放E局)
    サブチャンネルとは違いますがBS放送やCS放送を使った対応はプロ野球中継などで行っています。

  • テレビの字幕(文字放送)が、日本語だけで外国語に対応していないのはなぜでしょうか?グローバル化が進み、外国からの観光客も急増し、また2020年にはオリンピックも控えているという状況のなか、英語による文字放送があればその恩恵を受けられる人は多いのではないでしょうか?また地震などの災害時にも、日本語以外を母語とする人のために文字放送が役立つことがあると思います。
    (NHK)
    字幕放送については、現在のシステムでは日本語字幕と英語字幕の双方を出すことができません。しかし、国際放送「NHK WORLD」では、海外向けのテレビ・ラジオ放送を、国内でもネット経由で視聴できます。24時間英語放送しており、毎正時に「NHK NEWSLINE」を放送し、重要な情報は英語で画面に表示しています。訪日外国人も意識してニュースを伝え、台風の際には、毎正時のニュースで台風関連の情報を厚く伝えます。大地震や津波警報が出た時などは、ニュースを拡大または特設してお伝えすることもあります。
    また「NHK WORLD・オンライン」では、英語のニュースのテキスト版を掲載しており、常に新たなニュースを出しています。
    外国の方に向けた放送として、とりわけ緊急度の高い「大津波警報・津波警報」の際は、危険が多くの人にわかりやすく伝わるよう、「にげて」とひらがなで大きく表示すると同時に、「TSUNAMI SUB CHANNEL」と表示して、テレビの副音声やラジオ第2放送で実施する「緊急多言語放送」に誘導し、英語も含め、様々な言語で情報をお伝えしています。
    また、NHKでは、1978年度から総合テレビで午後7時のニュースを副音声を用いて英語で伝えており、現在は「ニュースウオッチ9」でも実施しています。ニュース・報道番組以外では、外国人に人気の大相撲中継も一部(主に午後4・5時台)英語による2か国語放送を実施しています。今年10月から総合テレビで放送中の海外連続ドラマ「THIS IS US 36歳、これから」など、2か国語放送を随時実施しています。NHKでは、日本語以外を母語とする人にも、大事な情報が伝わるように、様々な形で工夫しています。
    (民放A局)
    外国語字幕のニーズが多少増えても、日本の放送である以上日本語字幕のそれの方が比べものにならないほど大きく、不特定多数の視聴者を対象とする「マスメディア」の役割として、まずは日本語の字幕放送をしっかり行うのが「使命」となります。あとは技術、労力、費用の各面で「物理的に」どこまでできるか。マス対象ではないネットメディアとの「役割分担」が有効な分野のような気もします。
    (民放C局)
    番組の字幕については、公共の福祉の観点から、聴覚障害者へのサービスを優先するという総務省の指針のものと、聴覚障害者向けの字幕の拡充に努めています。字幕放送は現状1種類しか放送できないことから、ご指摘の外国語字幕には現在対応しておりません。次世代のテレビである、インターネットに結線されたハイブリットキャスト対応テレビが普及すれば、将来は複数の外国語字幕に対応できる可能性があり、研究開発に努めています。
    (民放E局)
    外国語字幕に対応することで放送局の責務をより一層果たせることとなりますが、まずは日本語字幕をすべての時間帯でカバーすることが視聴者の皆さんに対して優先すべきサービスと考えています。

  • 「続きはCMの後で!」といういわゆるCMマタギがとても不愉快です。視聴率に影響するという理由かもしれませんが、視聴者は置いてきぼりにされている気がします。このような批判の声は少なくないと思いますが、なぜこの手法を続けるのですか?
    (民放A局)
    確かにかつて行き過ぎた面はありましたし、今も全くないとはもちろん言いませんが、ただ、ちゃんと見ていただければ、そういった手法が徐々にではあっても確実に減っているのを分かっていただけると思います。視聴者の支持を得られない手法や表現は、自然に淘汰されていくことになります。
    (民放B局)
    いわゆるひっぱりの表現が視聴者に反感を持たれている事はわかっていますので、そういう表現は少なくなって来ています。しかし、どうしてもそういう番組構成になってしまうのは、「ぜひ続きを見て欲しい」という作り手の強い思いの現れだと思います。今はマーケティングが発達してきていますので、視聴者のそうした意見が反映されるシステムもできてきています。CMと共にあるのが民間放送のあり方ですので、なんとか最後まで番組を見ていただく為に、色々工夫、トライをしているところです。
    (民放D局)
    番組を最後まで視聴していただくための手法の一つではありますが、逆に何も説明せずにCMに入った場合には、「唐突すぎて不親切だ」という意見も寄せられます。様々な意見を参考にしながら番組制作を行っています。
    (民放E局)
    弊社のバラエティー番組では、ご指摘のような手法は"視聴者ファースト"の観点から濫用しないよう心掛けています。また、サイドスーパーで「このあと登場」と告知しながら、長時間出演しないような手法も禁じています。

◆委員の感想◆

  • 【テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見】について

    • 大好きなバラエティー番組だが、テーマや演出によっては「あれはないのではないか?と不快な気持ちになってしまうことがある」という意見があった。好きな番組だから、なんでも受け入れるということではなく、取り上げ方によっては、批判的な視点も持っていることがわかる。

    • 「なぜ沖縄のことを内地ではあまり放送しないのか?」という疑問がある一方で、別のモニターは「自分の県でも、東京の番組を見られるようにしてほしい」という意見を寄せている。ローカリティーの裏表の問題だろうと思うが、若い世代はどのように考えているのか興味深い。

    • 「高校生向けの番組はあるのに中学生に向けた番組が少ない」という意見があったが、視聴者のターゲットをどこに向けて番組が作られているのか一度整理してみても面白いのではないか?

◆モニターからの報告◆

  • 【テレビ・ラジオ番組や放送局への疑問・意見】について

    • 『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)は、家族みんなで大笑いしながら見ることが出来る数少ない番組の中の一つです。しかし、先日の放送で、出演者が参加した「ポルチーニ選手権」について、優勝者がズルをしているに違いないと疑いの目を向けたことをかなり強調していたことを不快に感じました。本来この番組は明るく、頑張って、満点の結果が出ずとも、前向きに笑い飛ばすようなイメージなので、優勝者がズルをしたか、していないかという黒い気持ちになるような内容で終わって欲しくありませんでした。軽くスルーしてほしかったです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 最近は、日馬富士の暴行事件や藤井聡太さんの将棋の話題を大きな時間を割いて放送していますが、他の事件や事故に比べてそれほど意味があるとは思えません。(富山・中学1年・女子)

    • 沖縄の基地問題は、沖縄のテレビでは放送されることが多いですが、内地ではあまり放送されないのはなぜかな?と思います。(沖縄・中学2年・女子)

    • 僕が不満に思っているのは、テレビがインターネットの情報に頼り過ぎている、という点だ。例えば、YouTubeの動画を取り上げるコーナーがあったり、流行のネットスラングを紹介したりと、何かとネットの情報を流している気がするのだ。ネットの情報はすべてが正確なわけではないし、本当は不適切であるものも存在する。実際に、違法アップロードされた動画を「面白動画」として取り上げた事例があると聞いた。テレビ番組の良さとして、個人が軽い気持ちで上げたネットの情報より正確である、という点があげられる。しかし、このネットの情報に頼り過ぎることで、その正確さが損なわれてしまうと思うし、テレビ独自の面白さが失われてしまうのではないかと思う。(東京都・中学2年・男子)

    • 高校生向けの番組はあるけれど中学生が対象の番組があまりないような気がするので、もう少し考えてみてほしい。(東京都・中学2年・男子)

    • バラエティー番組で、「ハハハハハ!!」という笑い声の音を入れるのがなんだかイヤだなぁと思います。スタジオならまだわかりますが、ロケ番組でたいしておもしろくないのに笑い声がきこえると、「え?今のおもしろかった??」と気になり、声を入れているのかと思うと、しらけてしまう時があります。またバラエティー番組で特定の女性出演者だけ外で撮影しているのかな?と思うくらい周りが明るくて違和感がありました。あててますよ!!とスタッフの悪意を感じてしまいました。もう少し自然にキレイにみせてあげて欲しいです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 滋賀県でも関東でやっている番組が見たい。意外と見られないことが多い。ユーチューブにテレビ番組をあげるのはいけないけれど、あげている人が多い。それはテレビ局のアプリで見られる期限が限られているからだと思う。ユーチューブのように期限がなければ、そういった悪用もなくなると思う。(滋賀・中学2年・女子)

    • スポーツ中継の際に、次の番組の時間が繰り下げになる。2時間近く繰り下がると、放送終了が次の日を超えてしまう番組とかが増えるのですが、優先順位はどこにあるのか?ネットと連携するのは、リアルタイムな情報も流れるけれど不確かな情報が流れることもあるのではないか?YouTubeの動画などをそのまま流す番組が作られているけれど、僕らは見たことがあるものばかりで面白くない。(富山・中学2年・男子)

    • 報道番組に関してなのですが、事件が起こった時に、被告・被害者の方や事件の現場や状況などについて、詳細に、場合によっては何日も放送されることがありますが、裁判の結果やその後などは全く放送がないように思います。あったとしても、簡単にあっさりです。また、例えば、森友問題や加計問題について、問題が解決していないのにもかかわらず、報道がなくなりつつあるように感じます。進展がないだけなのか、それともテレビの見過ぎかもしれませんが、何かしらの圧がかかっているのか、どうなのでしょうか?政治に関する不祥事に関しては、問題が解決してないまま沈静化し、世間からその存在が薄れていくというパターンが多いのではないかと感じます。(埼玉・高校1年・女子)

    • クイズ番組などで「正解はCMの後」と結果を先延ばしにしたり、過剰なあおりでたきつけることなどが、ネットで批判されているのを多く見かけるのですが、なかなか改善されないのはなぜなのか?気になります。(青森・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 親世代が好きなバラエティー番組が続々終了になっているようですが、果たして、僕が今見ているテレビ番組が20年30年と続くものがあるのかなと思います。(神奈川・中学1年・男子)

    • 横綱の暴行事件についてのニュースが目立ちます。まだはっきりとしたことがわかっていないのに、推測で各局が取り上げているので混乱しているのではないか。(埼玉・中学2年・女子)

    • 大相撲の暴行事件について、どのテレビ局も取り上げていましたが、長すぎる印象を受けました。あまり事態も進展していないのにほとんど毎日トップニュースで扱っていて、相撲にそこまで興味がない自分は「3番目くらいのニュースでいいのではないか」と思うことがありました。暴行もあったので、真実を追及しなければいけないニュースだとは思いますが、地上波の場合どのチャンネルを見てもほぼ同じだったので、扱う長さを少し考えてほしいと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

調査研究について

「青少年のメディア利用に関する調査」への回答に関する解析の進捗状況や結果の発表に至る今後の流れについて担当委員から報告されました。また、この調査をテーマに放送局の関係者を対象に開催する意見交換会(1月23日実施予定)の内容や進行について説明、了承されました。
調査結果を3月13日に公表することを確認するとともに、より幅広く大勢の人たちに調査研究の成果を知ってもらうための方策等についても話し合われました。

今後の予定について

今後の日程を次のとおり確認しました。上記の調査研究に関するもの以外に、来年2月24日にBPO会議室にて教師たちとの意見交換会を開催します。