第250回 – 2017年9月
浜名湖切断遺体事件報道事案の通知・公表の報告、沖縄基地反対運動特集事案の審理…など
浜名湖切断遺体事件報道事案の「委員会決定」の通知・公表が8月8日に行われ、事務局が概要を報告した。また沖縄基地反対運動特集事案を審理した。
議事の詳細
- 日時
- 2017年9月19日(火)午後4時~8時15分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1.浜名湖切断遺体事件報道事案の通知・公表の報告
2.沖縄の基地反対運動特集事案の審理
3.その他 - 出席者
-
坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員
1.「浜名湖切断遺体事件報道に対する申立て」事案の通知・公表の報告
本件事案の「委員会決定」(見解:要望あり)の通知・公表が8月8日に行われた。事務局がその概要を報告し、当該局のテレビ静岡が放送した決定を伝える番組の同録DVDを視聴した。
2.「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」事案の審理
対象となった番組は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が本年1月2日と9日に放送した情報バラエティ―番組『ニュ―ス女子』。2日の番組では、沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設反対運動を特集し、「軍事ジャ―ナリスト」が現地で取材したVTRを放送するとともに、スタジオで出演者によるト―クを展開、翌週9日の同番組の冒頭、この特集に対するネット上の反響等について出演者が議論した。
この放送に対し、番組内で取り上げられた人権団体「のりこえねっと」の共同代表の辛淑玉氏が申立書を委員会に提出、「本番組はヘリパッド建設に反対する人たちを誹謗中傷するものであり、その前提となる事実が、虚偽のものであることが明らか」とした上で、申立人についてあたかも「テロリストの黒幕」等として基地反対運動に資金を供与しているかのような情報を摘示し、また、申立人が、外国人であることがことさらに強調されるなど人種差別を扇動するものであり、申立人の名誉を毀損する内容であると訴え、TOKYO MXに対し訂正放送と謝罪、第三者機関による検証と報道番組での結果公表等を求めた。
これを受けて同局は、申立てに関する「経緯と見解」書面を委員会に提出した。その中で「本番組は沖縄県東村高江地区のヘリパッド建設反対運動が、過激な活動によって地元の住民の生活に大きな支障を生じさせている現状等、沖縄基地問題においてこれまで他のメディアで紹介されることが少なかった『声』を現地に赴いて取材し、伝えるという意図で企画されたものであると承知している」と放送の趣旨を説明。放送内容は、「申立人が主張する内容を摘示するものでも、申立人の社会的評価を低下させるものでなく、申立人が主張する名誉毀損は成立しないものと考える」と反論した。
今月の委員会では、ヒアリングに向けて起草担当委員がまとめた論点と質問項目案について検討した。その結果、次回委員会で申立人、被申立人双方にヒアリングを実施し、詳しい事情を聴くことを決めた。
3.その他
委員会が本年度中に予定している東北地区加盟社との意見交換会を11月28日(火)に仙台で開催することになり、その概要を事務局が説明した。
以上