「2016年の選挙をめぐるテレビ放送についての意見」
2017年2月7日 放送局:民放連・NHK
2016年の参議院議員選挙と東京都知事選挙について、視聴者からさまざまな意見が寄せられたことなどから、委員会は、具体的な放送を踏まえながら選挙報道の公平・公正についての考え方を示すのは意味があるとして、選挙報道全般のあり方について審議してきた。
委員会は、「政治的に公平であること」などを定めている放送法第4条第1項各号の番組編集準則は「倫理規範」だとした上で、放送局には「選挙に関する報道と評論の自由」があり、テレビ放送の選挙に関する報道と評論に求められているのは「量的公平」ではなく、政策の内容や問題点など有権者の選択に必要な情報を伝えるために、取材で知り得た事実を偏りなく報道し、明確な論拠に基づく評論をするという「質的公平」だと指摘した。
この観点からすると、真の争点に焦点を合わせて、各政党・立候補者の主張の違いとその評価を浮き彫りにする挑戦的な番組が目立たないことは残念と言わざるをえないとして、「放送局の創意工夫によって、量においても質においても豊かな選挙に関する報道と評論がなされる」ことを期待した。
2017年2月7日 第25号委員会決定
目 次
- I はじめに
- II 選挙と放送
- 1. 番組編集準則は「倫理規範」である
- 2. 放送局には「選挙に関する報道と評論の自由」がある
- 3. 選挙に関する報道と評論に求められるのは「量的公平」ではない
- III 2016年の選挙に関する放送
- 1. 参議院比例代表選挙に関する放送
- 2. 東京都知事選挙に関する放送
- 3. 不注意による「映り込み」と「再放送」
- IV おわりに ~ 選挙に関する豊かな放送のために
2017年2月7日 決定の通知と公表の記者会見
通知は、2月7日午後2時45分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。また、午後3時30分から記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には26社60人が出席した。
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