放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第108回

第108回–2016年10月

参議院議員選挙と東京都知事選挙の選挙報道について審議入り

TBSテレビ『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』を審議。意見書原案を意見交換など

第108回放送倫理検証委員会は、10月14日に開催された。
出演者の姿を本人の了解を得ずに映像処理で消したのは問題で、制作体制などについて検証の必要があるとして審議入りしたTBSテレビの『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』について、意見書原案が担当委員から提出され、意見交換を行った。その結果、担当委員が修正案を作成し、次回委員会で意見の集約を目指すことになった。
参議院議員選挙について放送局から事案の報告がいくつかあり、また東京都知事選挙で不公平な放送がされたという視聴者意見が数多く寄せられたことなどから、選挙報道のありかたについて討議が行われ、参院選と都知事選の選挙報道全般を対象として審議入りし、意見をまとめることになった。
委員会の10周年にちなんだ記念のシンポジウムについて、パネリストの人選やテーマについて検討を行った。

議事の詳細

日時
2016年10月14日(金)午後5時20分~7時50分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 出演者の映像を本人の了解なしに消去したTBSテレビの『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』を審議

TBSテレビ『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』(6月19日放送)の珍種目のひとつ「双子見極めダービー」で、実際は最後まで解答した出演者を、映像を加工して途中でレースから脱落したことにして放送した事案について、担当委員から前回までの議論を踏まえた意見書の原案が提出された。
原案では、問題となった放送にいたる経緯や原因を検証するとともに、その背景となっている問題点なども指摘された。委員会では、このような放送がなされた原因や背景について、制作体制やスタッフの意識の問題など、さまざまな観点から意見交換が行われた。
その結果、これらの議論をもとに、担当委員が修正案を作成し、次回委員会で意見の集約を目指すことになった。

2. 参議院議員選挙と東京都知事選挙の選挙報道について討議(審議入り)

7月に行われた参議院議員選挙と東京都知事選挙について放送局から何件かの事案の報告が寄せられたことや、都知事選で特定の3候補に報道が集中したのは不公平ではないか、との視聴者意見が数多く寄せられたことなどから、二つの選挙の具体的な事例を踏まえながら、選挙報道のありかた全般について委員会で議論を重ねてきた。「選挙報道が萎縮しているのではないか」といった指摘がなされている現状も考慮すると、具体的な事例を参照しつつ選挙報道の公平・公正についての委員会の考え方を示すのは意味があることなので、個別の番組についてではなく、参院選と都知事選に見られた選挙報道全般の問題点を対象として審議入りすることを決めた。
委員会では「候補者を紹介する時間を機械的に同じにするのではなく、幅広い観点からのバランスが大事では」といった意見や、「選挙報道が萎縮しているとの指摘もあるが、多様な選挙報道こそが放送の使命といえるのではないか」といった意見などが出され、幅広い議論が交わされた。
委員会は、今後、二つの選挙で見られた事例を踏まえつつ、テレビの選挙報道のあり方全般について審議し、選挙の公平・公正な実施に実質的な貢献をするとともに、視聴者の投票行動の選択に役立つ豊富で多様な情報を伝えられる放送とするために放送局に考えてほしいことを、「意見」としてまとめるとしている。

3. 委員会発足10周年記念シンポジウムについて

10周年記念のシンポジウムについて、新たに確定したパネリストの報告やテーマの詰めが行われた。

以上