放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第107回

第107回–2016年9月

TBSテレビ『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』を審議 次回委員会までに意見書の原案を作成
選挙報道について議論など

第107回放送倫理検証委員会は、9月9日に開催された。
出演者の姿を本人の了解を得ずに映像処理で消したのは問題で、制作体制などについて検証の必要があるとして審議入りしたTBSテレビの『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』について、8月に実施した制作担当者へのヒアリングの結果が担当委員から報告され、意見交換を行った。
参議院選挙に関連して放送局からいくつかの事案の報告があり、また東京都知事選挙で不公平な放送がされたという視聴者意見が数多く寄せられたことなどから、選挙報道のあり方に関する議論が行われたが、次回委員会で引き続き対応を検討していくことになった。
委員会の10周年にちなんだ記念のシンポジウムについては、パネリスト候補への出演交渉の現状報告があり、人選や開催日時についてさらに詰めていくことを確認した。

議事の詳細

日時
2016年9月9日(金)午後5時25分~8時35分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 出演者の映像を本人の了解なしに消去したTBSテレビの『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』を審議

TBSテレビ『珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』(6月19日放送)の珍種目のひとつ「双子見極めダービー」で、実際は最後まで回答した出演者を、映像を加工して途中でレースから脱落したことにして放送した事案。7月の委員会で、バラエティー番組であっても、出演者の姿を本人の了解を得ずに映像処理で消したのは問題であり、そのような編集が行われた番組の制作体制などについて検証の必要があるとして、この番組を審議の対象とすることを決め、8月には、担当委員による当該番組のプロデューサー、ディレクターら制作スタッフ9人に対するヒアリングが実施された。
委員会では、担当委員からヒアリングの概要が報告され、経緯の確認が行われた。その上で、なぜこのような出演者への配慮に欠けた編集がなされ、放送に至ったのかについて、「スタッフ間での情報共有の不足や認識の落差がなぜ生じたか」「分業化が進む番組制作でチェック体制は十分だったか」「現場で疑問の声が出なかったのは何故か」などの点についても意見が交換された。そして、今回の議論をふまえ、担当委員が次回委員会までに意見書の原案を作成することになった。

2. 選挙報道について議論

参議院選挙、東京都知事選挙について放送局から何件かの事案の報告が寄せられたことや、東京都知事選挙で特定の3候補に報道が集中したのは不公平ではないか、との視聴者意見が数多く寄せられたことなどから、選挙報道全般のあり方について議論が行われた。「選挙報道が萎縮しているのではないか」といった指摘がなされている現状を踏まえ、委員会として選挙報道における公正・公平の意味について考え方を示すべきではないか、などとの意見も出され、次回委員会で引き続き議論を継続することになった。

3. 委員会発足10周年の記念シンポジウムについて

10周年記念のシンポジウムについて、司会やパネリスト候補への出演交渉の現状が報告された。その結果、来年3月頃の年度内開催に時期を遅らせ、会場の選定、日時やパネリストの確定をさらに進めていくことが確認された。

以上