視聴者からのご意見

2016年8月に視聴者から寄せられた意見

2016年8月に視聴者から寄せられた意見

リオデジャネイロで開かれたオリンピックに関連するさまざまな番組への意見。人気アイドルグループの解散問題や俳優の女性暴行事件を報じた情報系の番組に関するもののほか、東京都知事選に関する番組への意見も多く寄せられた。

2016年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,813件で、先月と比較して82件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性60%、女性39%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代28%、20歳代17%、50歳代17%、60歳以上7%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は900件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

リオデジャネイロで開かれたオリンピックに関連する様々な番組への意見が多かった。また、人気アイドルグループの解散問題や俳優の女性暴行事件を報じた情報系の番組に関するもののほか、先月に引き続き、東京都知事選に関する番組、事件を起こした芸人を復帰させたバラエティー番組、殺人の描写が強烈なドラマへの意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は49件、CMについては58件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は95件で、前月から7件減少した。
今月は、「性的表現」が24件と最も多く、次に「表現・演出」が22件、「暴力・殺人・残虐シーン」が11件と続いた。
「性的表現」では、ラジオ番組でのパーソナリティーの発言が卑猥だとの意見が多数寄せられた。
「表現・演出」では、怪奇現象を取り上げた番組に関する意見が目立った。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、先月に引き続き、ドラマでの残虐的な表現に意見が集中した。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 都知事選について。選挙後の報道は、新知事を推薦しなかった自民党との対立を面白おかしく煽っているように見える。選挙中の相手に対する批判は当たり前のことであり、選挙民は相手への攻撃も選択の一判断材料としている。候補者も攻撃を当然のこととして受け止めている。当落決定後は、相手の健闘を称えエールを送る。民主主義における選挙はかくあるべきだと考えている。しかし、今のマスコミは色々な映像を引っ張り出して対立を煽っているようにしか見えない。新聞離れ、テレビ離れは、単にインターネットの普及が大きな原因ではないことを関係者は認識すべきだ。

  • オリンピックで盛り上がるのは大いに結構だが、生活に必要な番組まで休む必要があるのだろうか。しかも、ニュース番組もオリンピックの話題が中心となり、スポーツニュース化している。直前まで放送していた競技の結果を番組冒頭で伝えることや、後の番組がオリンピックハイライトなのに、ニュース番組の中でまで長々と報じることが必要か疑問だ。サブチャンネルもあるのだから、有効活用して放送の仕方を工夫してほしい。

  • オリンピックで日本選手の活躍は大変うれしいことだ。しかし、その活躍ぶりをどのテレビ局もほぼ同じ時間帯で、しかも、ほぼ同じ内容で、朝から晩から夜中まで報道することに違和感を覚える。その間に本来報道されるべきことが、おろそかになっているのではないか。

  • オリンピックの中継について、「このあと」などの表記には十分に気を配ってもらいたい。「まもなく選手登場」といってから3時間以上出てこなかった。「このあと」や「まもなく」など言葉は曖昧ではあるが、何らかの具体的な規定を設けないと制作側もエスカレートしてしまい、テレビとしての信用にもかかわるのではないか。

  • オリンピックの放送で、深夜早朝の解説がやかましい。時差の関係もあるが、日本が深夜早朝の場合は、解説の音量や喋るスピードを落として、ゴルフ程度の音量・スピードで話すべきだ。大音量で早口の解説がスポーツの品位を落としている。昼間ならともかく、時間帯を考えて上品に放送してほしい。

  • 貧困特集で女子高校生が取り上げられていた。パソコンが買えないから、キーボードだけを買ってもらって練習しているとして、部屋の様子が映された。部屋にはたくさんのコミックがあり、物があふれていた。貧困とは、食べ物も満足に食べられず、ほしい物を我慢して堪えていることをイメージしていたが、彼女の部屋の様子からは、そのようなイメージは全く感じなかった。本当の貧困なのか疑わしい内容だった。

  • 1月の不倫問題を起こした女性タレントに対する報道を始め、8月のアイドルグループ解散報道に至るまで、スポーツ新聞の不確かな一方的な情報を垂れ流しで報道する姿勢について、とても不愉快な感情を抱いている。嫌なら見なければよいということだろうが、芸能人とはいえ、このような個人攻撃の内容を放送しているのかと思うと、いじめ社会を助長しているにすぎないのではないかと考える。このような姿勢が許されるならば、日本は成熟した社会といえるのか疑問を抱く。せめて一方的な情報だけでなく複数の視点も提示して、視聴者に投げかけるようなものにしてほしい。

  • 情報系の番組で、連日大きく二世俳優の事件を扱っているが、番組コメンテーターのなかには、同業者として、母親である女優の今後を心配するような発言ばかりしている人がいる。犯罪であるということを忘れたのか、容疑者に対する怒りや被害者への同情は全く聞かれない。芸能人というのは一般人とは違い、マスコミを利用して意見を発信できる立場にある。一般社会での厳しさに比較して、芸能界は甘いと言われても仕方がない。

【番組全般・その他】

  • 暴行容疑で逮捕された芸人が不起訴処分になったとはいえ、未成年への性暴力の加害者だ。性暴力被害を軽く扱い、笑いに変えることはやめてほしい。彼が立ち直り、社会生活を取り戻すことは大切だが、それは公共の電波に乗せたバラエティー番組においてでは決してない。被害者と同じように、性的被害を受けた女性達が、テレビの前に座っている可能性も考えてもらいたい。

  • 元お笑いグループメンバーのコント番組があった。内容がとにかくひどい。下ネタが多すぎる。すでに平成であり、昭和ではない。人をバカにすることや、コンプレックスを誇張させることは危険だ。これを子ども達が見ている時間帯に放送する意味がわからない。放送局は時代が違うことを自覚せよ。制作サイドだけで盛り上がっているものを放送すべきではない。

  • 午後のニュースショーに、女性キャスターと男性俳優に加え女性アナウンサーが出ている。番組を進行する側であるのに、華やかなロングヘアの彼女は、お嬢様然として席に座っているだけで、司会らしい役割を果たしていない。初めて見た時はゲストの芸能人だと思ったほどだ。キャスターのすっきりとした容姿やテキパキした司会ぶりに比べて、あまりにも場違いな感じがする。お飾りではなくアナウンサーなのだから、そのことを自覚して番組に臨むべきだ。

  • 民放局のオリンピックテーマ曲に、人気俳優の楽曲が使用されている。局が決めたことに文句を言うつもりはない。問題は曲のかけ方だ。競技中以外ほとんど歌が流れている。スタジオに戻って専門家が解説をする時にも流れているため、話が聞き取りにくい。金メダルを獲った選手へのインタビューの間もバックで流れていた。その局を見ると、延々と彼の歌を聞くことになるのだ。これではオリンピックを見ているのか、歌を聞いているのかわからない。

  • 元野球選手が、オリンピックの卓球で勝利してガッツポーズをとった男子選手について「あんなガッツポーズはダメ。手は肩より上げちゃダメ。礼に始まり礼に終わる、ですから」とコメントしていた。選手にしてみれば、大舞台での勝利で、嬉しくて思わずとった行動だろう。テレビでわざわざ注意するほどのことではない。野球選手の昔の映像をみつけたので見てみると、肩から上に手を上げてヘルメットまで放り投げていた。この行動のどこに相手投手への敬意があるのか。自分のことを棚に上げて他人にものを言うなと言いたい。

  • 夜のニュース番組で、オリンピック卓球女子団体チームを招いてのインタビューがあった。「誰が最も活躍したか」という質問は、明らかに特定の選手をさげすむために用意した質問だ。人気選手に対する悪意がにじみ出ていて不愉快な気持ちになった。

  • 朝のニュース番組で、東京オリンピックのメリットは国威高揚のためと報じていた。今回のオリンピックでは日本人のメダルばかりに注目した報道が多く、違和感を持った。世界各国のスポーツ選手が、出場のために努力し、体と精神を鍛えているところに意味があるのに、日本人以外の選手の感動的なシーンがほとんど見られず不気味だった。それが、報道する側がオリンピックの意味を、国威高揚のためと認識しているのだとしたら、もっと恐ろしい。その理念自体を捻じ曲げ、精神を汚すものではないか。

  • ゆとり世代をテーマにした番組では、昭和世代に対するアンケートを基に解説していた。ゆとり世代は「仕事の連絡はLINEで済ませる」「日本語を正しく使うことができない」「子どもに対するしつけができない」など、あらゆる描写が極端で、まるで「ゆとり世代に生まれた人間が全員常識はずれ」のように描かれており、ゆとり年代に生まれた者として非常に不快だった。世代間の考え方や文化の違いは少なからずあるものと理解しているが、特定の世代を一括りにして、ネガティブな部分を誇張した内容は如何なものか。

  • 異常犯罪の捜査を扱うドラマは、口に飴玉を詰められた少女の遺体、下半身を土の中に埋められたまま上半身だけ地上に出された遺体など、異常な変死体の露骨な描写が放送される。犯罪捜査そのものよりも、猟奇犯罪の変死体への興味や、自らが殺人者になる可能性があるという刑事の心理が主題で、まるで異常犯罪そのものを助長するかのように見える。

  • 朝のワイドショーの天気予報のコーナーで、気象予報士がかき氷を紹介して食べていた。夏の風物詩という演出かもしれないが、それでなくても天気予報は時間が短い。かき氷の説明より天気の解説に時間を使うべきだ。

【ラジオ】

  • 土曜夜の番組で、メインパーソナリティーの高圧的な空気感が実に不快だ。毎回猥褻なセリフを、ゲストに無理やり言わせるという公開セクハラが行われている。芸能界の上下関係を番組に持ち込んでいるようで、これはリスナーには関係ないことだ。

  • オリンピック期間中、民放ラジオ統一番組を決められた時間に放送するやり方は、競馬中継の途中で番組が挿入されることや、ワイド番組での流れを切るような弊害がある。杓子定規に放送せず、各放送局の実情に合わせた放送をすべきだと思う。

【CM】

  • スマホ用アプリゲームのCMは、全国版ではなくローカルなのかは不明だが、宮城県や東北の県の方言で「けっぱれ」という方言を使っている。これは、その地域によっては聞いたことはあるが、実生活では、現在あまり使われてない方言だそうだ。方言は、個人が想像するよりも大変デリケートなものだ。使われ方次第では田舎者扱いをされたり、誤解されたりしてしまう。このCMは方言がメインではなく、ゲームの内容をメインに作られたものなのかもしれないが、東北の方々がこの方言を使うだろうという思い込みで作っているのであれば、改善してほしい。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • 学校が夏休み中の昼間にも関わらず、性器の話や下ネタばかりの卑猥な内容のラジオ番組だった。子どもと一緒に聴いていたが、すぐにスイッチを切った。このような番組を放送しないでほしい。

  • 性的暴行事件を犯したタレントの母親が開いた記者会見で、そのタレントの性的嗜好などを聞いているリポーターがいたが、無神経ではないか。私は自分の子どもと一緒に視聴していたのだが、質問内容の意味を問われて答えに詰まってしまった。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 怪奇現象を取り上げ、科学的根拠もないのに「霊のいたずら」などと決めつけるような演出になっていた。このような番組は教育上、倫理上問題があるのではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 猟奇殺人を取り上げるドラマがあるが、過激なシーンが多すぎるのではないか。子どもたちへの悪影響を懸念している。放送するなら時間帯に配慮すべきだ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県東松山市での少年殺害事件の報道が詳細過ぎるのではないか。この事件は神奈川県川崎市での中学生殺害事件を模倣しているようにも思える。詳細な報道をすることで影響を受け、また、同じような事件が起きてしまうのではないかと懸念している。加害者の供述やしたことなどを報道するよりも、今後、このような事件を起こさせないために、大人たちがどうすべきかを考えさせるような内容にしてほしい。

【低俗・モラルに反するとの意見】

  • お笑いタレントがオリンピックメダリストの物まねをして床に寝転がった際に、別のお笑いタレントが顔を踏みつけていた。以前に別の番組でアイドルが踏みつけられた際に、このような行為への非難が多くあったと記憶している。人の顔を踏むのは面白いことなのだろうか。誰も注意する人がいないのかと驚くばかりだ。悪いことではないと勘違いして、子どもが真似しないか心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 少女が巨大な滑り台に挑戦するという企画があった。少女自身の希望による企画だったようだが、実際に滑り台に挑戦する段階では、嫌がっていた。それにも関わらず、大人たちが少女を抱え上げ、無理やり滑らせており、虐待のように感じた。少女が精神的に傷ついていないか心配だ。