視聴者からのご意見

2016年7月に視聴者から寄せられた意見

2016年7月に視聴者から寄せられた意見

参議院議員選挙と東京都知事選に関する番組への意見が多数寄せられた。都知事選では、候補者を平等に扱うべきといった内容が多かった。バラエティー番組では、不適切な編集のあった番組や、事件を起こした芸人を復帰させた番組への意見など。

2016年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,731件で、先月と比較して324件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話27%、FAX0%、手紙ほか1%。
男女別は男性68%、女性30%、不明2%で、世代別では40歳代32%、30歳代24%、50歳代18%、60歳代12%、20歳代11%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数667件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

参議院議員選挙と東京都知事選に関する番組への意見が多数寄せられた。都知事選では、候補者を平等に扱うべきといった内容が多かった。バラエティー番組では、不適切な編集のあった番組や、事件を起こした芸人を復帰させた番組への意見、そのほか、殺人の描写が強烈な印象を与えたドラマや、不動産会社を舞台にしたドラマに関する意見が寄せられた。
ラジオへの意見は55件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は102件で、前月から34件増加した。
今月は、「表現・演出」が29件と最も多く、次に「性的表現」が24件、「暴力・殺人・残虐シーン」が14件と続いた。
「表現・演出」では、熱湯が入ったジョッキを持ってジェットコースターに乗るという企画について複数の意見が寄せられた。
「性的表現」では、音楽番組での歌手のパフォーマンスが卑猥だとの意見が目立った。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、ドラマでの残虐なシーンに意見が集中した。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • テレビを見ていると、目前に迫った参院選よりも、都知事選のほうに時間を取っている。都民にしか投票権のないものを長々とやられても、他県に住んでいる者としてはどうしようもない。それよりは、参院選についての報道をもっとやってほしい。各局、参院選番組のお知らせはするが、肝心の参院選の中身より都知事選についてのことが多いのはおかしい。国民の知る権利というが、視聴者が知りたいことと、報道関係者の知らせたいことが違うように思う。

  • 都知事選の候補者3人が討論していたが、他にも候補者が複数名いるのにもかかわらず、特定の人物のみを番組に登場させていることに疑問を感じた。報道は平等に行うべきである。どのテレビ局でもこのような傾向があるため、早急に改善していただきたい。

  • 都知事選について、21人の候補者がいるのに3人の候補者しか取り上げていない。せめて政策だけでも21人の候補者の違いを放送してほしい。聞くべき政策があるかもしれない。放送を見ていると3人の中から都知事を選べと言われているようだ。21人は供託金も支払い、自分の信念を持ち都知事選に立候補したのだから、公平に扱うべきだ。

  • 都知事選開票速報を、全国ネットで放送する必要があるのか。一地方自治体の知事選であるにもかかわらず、ニュースで非常に多くの時間を割いている。知事選は大多数の視聴者にとって関係がないのに、なぜ東京ローカルとして放送しないのか。各キー局にとって、東京都政が重要であると感じて全国ネットで放送しているのだと思うが、選挙権のない人間にとっては迷惑千万である。

  • バレエ講師指切断事件の報道で、凶器のタガネについて、どのような使い方をするものか細かく説明していたが、一般的な工具で、普通に入手可能であるため、犯罪にも使える道具として紹介されていたと感じた。犯行手口を細かく説明する場面を何度か見ており、報道として正しく伝えることよりも、いかに刺激的に伝えるかで、視聴者の目を釘付けにしたい思惑が垣間見えた。

  • 麻薬や覚せい剤の使用で有名人が逮捕されるたびに、「麻薬・覚せい剤を使用するとこういう感覚になる」「結局、やめられなくなった」などの経験者の話を紹介している。これでは、麻薬・覚せい剤の使用に興味をかきたてているように感じる。一度ぐらいは大丈夫と思ってしまうのではないか。

  • 碑文谷公園バラバラ殺人事件の報道で、容疑者の幼少の頃の写真を使用していたが、配慮がなさすぎる。最近の写真が入手できなかったのであれば、無理に小学生時代の写真を使う必要はない。過去の写真など公開せず、名前のみの報道で十分なはずだ。これをいきなり見た人は、小学生が罪を犯したのかと誤解しかねない。

  • 相模原障害者施設殺傷事件で、容疑者の犯行動機が繰り返し報道されているが、これは、容疑者の理不尽な主張を拡散させ、障害者への偏見を増長させる恐れがある。容疑者のコメントをそのまま放送するのではなく、被害者に配慮して報道すべきだ。

  • 韓国の歌手・俳優の暴行疑惑について、事務所側が事実無根とのコメントを出していたのにもかかわらず、韓国メディアの情報をそのまま流して、イメージを著しく悪くする内容が多く見られた。真実も解明されない中、犯人扱いした報道は疑問だ。

  • 情報番組で、ポケモンGOをこぞって取り上げていた。日本で配信される前から、海外では事故が多発している。内閣府が注意喚起するほどの事態なのに、リポーターが「ここにもいます」などと喜んでいた。わざわざやって見せる必要はない。テレビでこのように紹介することは、アプリの利用を煽っているも同然だ。

  • 未婚の母親が子どもを殺害したとか、将来を見据えた結婚をしなかったために収入も無く、我が子を虐待する事件などの報道が多すぎて不快になる。結婚して子どもを産むことは良いことだが、それは、経済的な面で子どもに迷惑をかけないよう自立し頑張る状況があってこそだと思う。無収入で働く気がなく、暴力やギャンブルに走るような親の元に生まれた子どもはとてもかわいそうである。将来の計画が立てられないか、悩んでいる家庭に対しては、結婚する際にアドバイスを国や地域が行い、結婚して良いのか吟味する機会を与えるべきだ。テレビでもそういう放送があってもよいはずだ。

【番組全般・その他】

  • 不動産会社を舞台にしたドラマにおいて、成績の良くない社員にパワハラを平気で行う内容が多々見受けられた。それを受ける社員は気にしていない設定だが、実社会で見られるパワハラの内容が多く、ドラマとはいえ、見ていて気持ちの良いものではなかった。

  • 相模原で凄惨な殺傷事件があった。その夜に放送したドラマは、刃物で喉を切られた複数の女性遺体が発見されるという設定で、実際の事件とよく似ていた。放送を延期するなどの配慮が必要ではなかったか。

  • 尿のスイーツを作って食べさせる企画は、何も知らないお笑い芸人が、尿を使ったレモン色のかき氷や、ところてんを食べる様子を、スタジオの芸能人らが楽しむものだった。使われた尿はろ過させていたものの、高齢男性の2週間分の尿を使用していた。深夜の時間帯とはいえ、このような内容を放送する局の良識を疑う。

  • バラエティー番組で、最後まで残っていた回答者の映像を編集で消して、ルールまで改変していた。局側は「画像を一部修正して放送した」と謝罪したが、回答者は「自分は最後まで答えていたのに、序盤に失格になったように放送されていた」と言っている。これは修正とは違う。でたらめな番組を視聴者に見せたことに他ならない。

  • 事件を起こした芸人が復帰したが、釈然としないのは、「10年間の謹慎という十分な社会的制裁を受けている」と番組内でたびたびテロップ表記されたことだ。これは、局側や番組側の勝手な解釈だ。視聴率稼ぎに利用するのでなく、ワイド番組などでの謝罪が先ではないか。過剰な演出をして、まるで悲劇のヒーロー的な扱いをしていたのもどうかと思う。

  • リポーター役のタレントが海外に行き、必ずキャスター付きのトランクを引きながら日本人探しをする番組で、空港周辺の移動中ならともかく、都心から離れた田舎町でも同じようにトランクを引きながら歩き回るのは、日本人が海外で強盗被害に遭う事件が多発している昨今、とても不自然で危険に思う。

  • 朝の情報・天気番組を休止し、海外ゴルフの中継を放送したが、平日の出勤時間帯に地上波でゴルフ中継を入れるのはどうかと思う。大手キー局は、BS・CSの衛星チャンネルを持っている。平日朝の趣味・娯楽系の番組は、BS・CSで対応すべきだ。

  • 芸人の演じる"滑舌の悪い人"というコントを見た。中年の男性が喫茶店で「○○でちゅ」などと赤ちゃん言葉のように、思うように喋ることができないという内容で笑いをとっていた。お笑い芸人や番組制作者には、ある程度のモラルと配慮を望みたい。

  • 外国産の牛肉を国産和牛のようにおいしく食べるには、「肉屋のタダでもらえる牛脂を使う」と紹介していた。確かにサービスの一環で、購入したお客に差し上げている店舗もあるが、有料にしている店舗もあるのが現状だ。番組で「タダでもらえる」と伝えることはやめてほしい。肉を購入していない者が、わし掴みで牛脂を持っていく行為に、うんざりしている。

  • 若い女性アイドルに裸足でゲームをさせるという企画は、ゲームのお題がすべて筆やバナナ、ゾウなど卑猥なものを連想させる内容になっていた。見ていて不快だし、やらされているアイドルもかわいそう。足でペンを握ったり、物を触ったりなどの行為自体も行儀が悪い。深夜とはいえ下ネタがすぎる。

  • 隅田川の花火大会をテレビで見たのだが、会場に見に行けない視聴者のため、隅田川での花火の美しさを見せるのが本来の目的のはずが、余計なバラエティー的な演出のために、せっかくの花火の感動を削がれた。私たちは花火を見たかったのだ。

  • 夏になると民放各局が意味もなくただ長いだけの音楽番組を放送する。その中で「復興支援」というコンセプトがしっかりしていた歌番組は、司会者も出演者も「歌で日本を元気に」「歌で日本を繋ぐ」という意味を理解していて、見ていて本当に癒やされた。生バンドの演奏で歌うというスタイルも、歌手・曲へのリスペクトに溢れていて良かった。来年もまたやってくれることを祈っている。

【ラジオ】

  • ラジオ局のスペシャルウイークと謳った聴取率週間。「葉書に合言葉を書けば、抽選で現金50万円とホテルVIPルーム宿泊券プレゼント」など、ラジオ離れや不況を懸念しているこの業界にしては、羽振りの良さを実感した。しかしながら、この現金をばら撒く方法は、聴取者への還元には見えず、新規リスナーの取得にはたして有効か、疑問に思った。

  • パーソナリティーが、健康情報を紹介するコーナーのある番組は、細切れに伝えるため分かりにくい。情報の出所も聞き取れず信憑性が薄い。最終的にギャグ的に締めることも理解しがたい。聞いた後、消化不良でモヤモヤ感だけが残る。紹介するのであれば、きちんと伝えていただきたい。

  • 関東地区のAMラジオは、全局で野球中継をしていることが多い。2、3局で同じ対戦カードの時もある。ラジオを楽しみたいので、違う番組も放送してほしい。野球ファンだけではないのだから。

【CM】

  • カビなどの防止剤のCMを食事の時間帯に流されると、非常に気分が悪くなる。食事しながらカビを見せられる気持ちになっていただきたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • アイドルグループのメンバーの一人が熱湯の入ったジョッキを持ってジェットコースターに乗せられ、顔いっぱいに熱湯を浴びていた。子どもも見ている時間帯に、人を傷つけて笑いをとるような企画はいかがなものか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 有名歌手が音楽番組に出演した際に、成人向け雑誌のような本を映したり、"モザイク"をマイクにかけて、そのマイクを男性器に見立てて自慰行為を思わせる動きをしたりしていた。歌詞の世界観を出すためとはいえ、子どもも見ている時間帯でこのようなことをすべきではない。

  • 日曜日の情報番組にセクシー系のタレントが出演していたが、番組内の話題とは全く関係なく、そのタレントの胸や脚をアップで映していた。子どもたちが見ていることも考慮してほしい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • ホラー小説が原作のドラマをゴールデンタイムに放送していたが、死体の描写がリアルで、見ていられなかった。子どもも一緒に見ている時間帯であり、事前に配慮を求めるテロップを流すか、時間帯を変えて放送できなかったのだろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • スマートフォンを使用するゲームに関するニュースで"歩きスマホ"は危険だと注意喚起していたが、番組スタッフが街中で同ゲームをしているシーンでは"歩きスマホ"をしていた。これでは注意喚起に説得力がなくなる。これを子どもが見たら、「大人がやっているから大丈夫だ」と思いかねない。

【低俗・モラルに反するとの意見】

  • "ドッキリ番組"は悪趣味としか言いようがない。人を騙して面白がるのは人間不信を助長するし、いじめにもつながるのではないかと思う。いかにも変質者を思わせるような恰好で女性タレントを怖がらせているシーンもあった。セクハラ的な行為にも感じた。

【言葉に関する意見】

  • 平日昼の情報番組で、司会者が他の出演者を呼び捨てにするときがある。夏休みに入り、この時間帯であっても子どもが視聴する可能性がある。言葉遣いには気を付けてほしい。