視聴者からのご意見

2016年6月に視聴者から寄せられた意見

2016年6月に視聴者から寄せられた意見

前都知事の政治資金問題や、歌舞伎役者夫人の病状に関しての報道のあり方に配慮を求める声。バラエティー番組について、万引き行為を誘発させるような企画に対する批判など。

2016年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,407件で、先月と比較して134件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話27%、FAX0%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性28%、不明2%で、世代別では30歳代30%、40歳代28%、50歳代17%、20歳代12%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は572件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、18件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

前都知事の政治資金問題や、歌舞伎役者夫人の病状に関しての報道のあり方に配慮を求める声が寄せられた。
バラエティー番組について、万引き行為を誘発させるような企画や、局の都合での不自然な編集などに対する批判が寄せられた。
ラジオに関する意見は38件、CMについては46件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は68件で、前月から6件減少した。
今月は、「表現・演出」が22件と最も多く、次に「性的表現」が8件、「暴力・殺人・残虐シーン」「言葉」がそれぞれ6件と続いた。
「表現・演出」では、子どもが仕掛け人となり、一般の人にいたずらをする企画について複数の意見が寄せられた。
「性的表現」では、ラジオ番組で紹介する、リスナーからの投稿内容やパーソナリティーの発言が卑猥だとの意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 歌舞伎役者と元フリーアナウンサー夫人の自宅前からの中継で、電信柱の住所表記が映り配慮がない。さらにテロップで、東京○○区との表記もあった。有名人とはいえ個人宅の居住地をさらされ、早朝からの取材攻勢などは、本人や家族の気持ちを配慮し節度ある取材をしてほしい。

  • 元フリーアナウンサーの病状について報道しているが、家族の「静かに見守ってほしい」との訴えも聞き入れられずに、こぞって騒ぎ立てている印象だ。深刻な病状だからこそ、家族との時間を大切に過ごしてほしい。報道の自由は何より勝るものなのだろうか。

  • 歌舞伎役者の会見は、騒がしくなるのを抑えるために開かれたと思われるが、会見後も、取材陣が押し寄せているようで、いたたまれない気持ちになった。マスコミ各社の報道倫理はどうなのか。今一度、報道のあり方を考えてもらいたい。

  • 北海道7歳男児行方不明騒動を報じる中、父親へのインタビューの様子が放送されている。各社が個別でインタビューするほどのことだろうか。やり過ぎだと思うし、父親が気の毒に思えて仕方がない。

  • 行方不明だった男児が保護されたニュースで「7つの奇跡」という検証VTRを作っていた番組は、見ごたえがあった。発見現場の検証では、道がいくつにも枝分かれしていて、男児がたどり着いたのは、奇跡的だったことがよく分かった。寝ていたマットも紹介していたが、その温かなマットに救われて本当によかったと、検証を見ていて感じた。ニュースをただ伝えるのではなく、こうして掘り下げてくれるのはうれしい。

  • 北海道の小学校運動会のニュース映像について。運動会を観覧しながら飲酒をしている男性をカメラで捉えていたにもかかわらず、男性が車に乗ることを止められず、結局、車を追跡するという取材をしていた。飲酒運転を防ぐことのできる立場にいたのに、スクープありきの取材方法であったように思う。

  • 落語家の不倫問題に関して、ワイドショーのコメンテーターが好意的なコメントをした。数ヵ月前に女性タレントの不倫が発覚したときの鬼の首を取ったような批判合戦とは大違い。欧米の新聞では「日本は女性の浮気には厳しいが、男性には甘い男尊女卑だ」と書かれている。男女で対応に差をつけるのは如何なものか。

  • 前都知事、不倫した女性タレント、落語家など、本人に落ち度があったとしても、次々と批判するだけでよいのか。一日中同じようなことだけ放送して、その陰でもっと大事なことが見逃されているのではないか。もっと内容のある報道をしてほしい。

  • 前都知事の経費問題について、各局のワイドショーでは、過剰な個人攻撃をしているように思えた。知事の行動は決して許されることではないが、各局のコメンテーターの発言はあまりにも感情的だったように思う。まるで弱い者いじめのようで、もっと冷静なコメントを述べるべきだ。

  • 前都知事の金銭問題が大きく取り上げられているなか、テレビコメンテーターから「彼を選んだ都民にも責任がある」という意見が時々出るが、それは全く的外れな指摘である。都民だって、彼がそのような人物であると知っていたなら投票しなかった。いわば都民は「騙された」側である。今の状態を「騙された者の責任だ」とするなら、世の中の詐欺事件も、騙されるほうが悪いという理屈になる。

  • 前都知事に対する報道のあり方が、不愉快だ。元妻からの個人攻撃や、辞めろという都民の声しか放送に流さないなど、一方からの視点でしかない内容だ。本質は、このような行為を許す法律の問題であり、知事個人の問題として矮小化しているのではないか。

  • 海外からのニュースを伝える際、以前は翻訳者がそばにいて、言葉で伝えていたが、最近では文字で表記されるようになった。年を重ねると視力が弱くなり、文字を追うことが困難になってくる。以前のように、翻訳して言葉で伝えるようにしてほしい。

【番組全般・その他】

  • 民放各局が、毎年夏になると長時間番組を放送することに疑問を感じる。長時間の音楽番組や、日付をまたいで放送するなど、無理をして"義務化"しているように思う。出演者に丸投げにしているように感じる。この際打ち切るか、5年、10年に1回の放送で良いと思う。

  • 日本各地を紹介する番組で、大阪人について「下品でやかましい」「オバちゃんが厚かましい」など、悪い印象を強調しすぎている。街頭インタビューでも、いわゆる大阪的なリアクションを期待して、わざわざ騒々しい人を選んでいる。大阪のイメージを悪くするような演出はやめてほしい。

  • 外国人ジャーナリストが出演した番組で、特定の趣味を持つ人々への不当なバッシング、レッテル張りが多く散見された。番組内での彼らの発言は、事実と言えないものも多く、具体的な事例やデータも示されていなかった。

  • 報道系の番組でメインキャスターを務める女性が、他局のトーク番組で「嘘をついて楽しむのが好き」と発言していた。これは倫理感を疑う。普段出ている番組自体が信用できなくなる。

  • 芸人がカンヌ映画祭に行き、海外のセレブとの写真を撮るという企画だが、ひどい英語を乱発して内容が乏しい。海外で生活している日本人や、仕事や旅行に行く人もたくさんいる。日本の印象を悪くするおかげで生活に支障をきたすことも考えられるし、青少年の教育にも悪影響だ。

  • 芸人たちがゲラゲラ笑い喋りながら、満腹以上に物を食べ続ける番組があった。今の日本では子どもの貧困が深刻で、無料や安価で食事のできる「子ども食堂」が全国各地にできているという時代なのに、こんな番組をなぜ今放送するのか、理解できない。

  • 島の開拓や海の保全など、常に新しいことにチャレンジするこの番組は、精神の大切さや失敗しても屈しない心、そして人の温かさを教えてくれる。他の番組とは一線を画す良い番組で、毎週楽しみにしている。

  • 大きな落とし穴を仕掛け、それにゲストを落とす企画の中で、先輩芸人が、若手芸人の顔に砂を二度もかけていた。何が面白いのか分からないし、若手芸人も言っていたが、お笑いの域を超えていた。

  • ペットビジネスを扱った番組で、ペット市場を取り上げ、その残酷な実態に迫っていた。映像は、通称「引き取り屋」に引き取られ、閉じ込めて瀕死の状態の犬や猫など、どれも目を背けたくなるようなむごいものであった。世の中には「あそこまで放送するな」などの意見もあるかもしれないが、視聴者に見せるべき映像、伝えるべき内容でもある。丁寧に作られた良い番組だった。

  • マジシャンが万引きして「万引きGメンに見破られなかったらマジシャンの勝ち」という対決企画があった。商店を経営している身としては、「このように盗めばバレません」という方法を教えているのも同然で、危機感を覚えた。犯罪を誘発させるようなものを放送しないようにお願いしたい。

  • 芸能人が、学生時代の卒業アルバムの中から、仲の良かった同級生を選び、現在何をしているのか調査するこの番組は、ルーツを探り、デビュー前の意外な一面が見ることができて面白い。芸能人は、我々一般人からは、少し距離を置いたふうになってしまいがちだが、こうしてまた交流の機会がもたれることで、故郷を思い出してもらい、とても良い番組だと思う。

  • 画面の切り替わりが異常に多いドラマがあった、放送している間ずっと画面を見ていることができない。目がチカチカして気分が悪くなる。例えて言うなら、以前問題となった「ポケモン」の光過敏性発作のような感じだと思う。

  • 日本各地を紹介する番組で、取り上げる対象となっている地域が田舎や地方都市に偏っており、首都圏近郊の都市がほとんど紹介されない。特に東京都西部はほとんどゼロではないだろうか。日本全国の地域をまんべんなく紹介してほしい。

  • 日本各地を紹介する番組で、フルーツ店のバイヤーが、他のバイヤーが仕入れたメロンを、一口だけかじり残りを捨てていた。食べられるものを食べずに捨てる行為は、見ていて非常に不快である。農業従事者に対しても大変失礼だ。

  • 「直下型地震時での被害想定ランキング」を発表していた。第1位は東京都墨田区京島、私の住む墨田区の地域は第2位になっていた。番組では、京島に住む高齢者に「なぜこのような危険な街に住んでいるのか」などとインタビューしていた。お年寄りは「高齢だから今さら仕方がない」とあきらめたように答えていたが、デリカシーがない。危ないと分かっていながら、好きで住んでいる人間などいない。私も身につまされて不安になってしまった。

  • 出演した一般の方が自身のブログで告発している。番組内で過剰・不適切な演出が行われたようだ。続行中のクイズに参加していた出演者の一人が、答えを間違えて途中で脱落したように見せるために、クイズの順番が入れ替えられ、その出演者をCGで消すという編集をしたという。テレビ局が、都合の良いように映像を作成したと言わざるを得ない。

  • アイドルグループの"選抜総選挙"を放送していたが、放送する意図が分からない。歌や演技を披露して審査するのなら理解できるが、歌うわけでも演技をするわけでもなく、単に投票によりグループ内での順位を決め、順位により優遇される様子を放送することに意義があるのか。

【ラジオ】

  • DJの言葉遣いが気になってしまう。ライブの感想で「楽しませて頂きました」や「担当させて頂きます」などのほか、曲が流れた後で「気持ちよく揺らせて頂きました」という言い方をしていた。「~させて頂く」という言い方が多すぎるのではないか。聞いていて気持ちの良いものではない。喋りのプロであるDJには正しい言葉遣いをしてほしい。

  • ラジオにはテレビにない利点がいくつもある。災害の際、電池だけでいち早く細かい情報を得られることだ。昔に比べリスナー人口は少ないそうで、ラジオファンとしては残念だ。ラジオの良さを伝えるCMをテレビで流してはどうか。

【CM】

  • アニメを使ったCMで、おじいさんが天国に逝ってしまうような場面を何度も繰り返す。いい気持ちはしないし、年を感じる私も気になるが、子ども達にも見せていいのだろうか。

  • スマホゲームのCMは、昼飯が旨い理由は昼飯前にそのゲームをしたからというものだが、高校や中学では携帯の持ち込みが禁止されている所が多く、学生に学校でもゲームをするように促しているように思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子どもが"借り物競争"をしているという設定で一般の人に声をかけ、その反応を見るという"どっきり企画"があった。仕掛け人の子どもは一生懸命大人をだまそうとしていた。放送局が子どもに嘘をつかせて笑いを取るのは教育上問題ではないか。

  • タレントが「いかにサルになり切るか」を競う企画で、一般客もいるビュッフェ内において、食べ物を手づかみしたり、テーブルの上に乗ったりなどの行為を繰り返していた。笑いを取るためなら何をやってもいいのか。子どもも見ている時間帯であり、悪影響を及ぼしかねない。

  • お笑いタレントがゴールキーパー役となって、ガスを使って発射された高速のサッカーボールを受け止めるという企画があった。ヘッドギアはしていたが、頭に当たれば気を失いかねないほどの勢いがあり、お笑いタレントも怖がっていた。その姿をあたかも愉快なことのように放送する姿勢に疑問を感じた。家族で視聴している人も多い番組であり、もっと子どもへの影響も考えて放送してほしい。

  • 濾過した尿で作った氷を削って作った「かき氷」を、その制作過程を知らないお笑いタレントに食べさせるという企画があった。濾過してあるものの、だまして他人の尿を飲ますのはいかがなものか。いたずらの限度を超えている。テレビは若い人への影響力が大きいので、このような企画は行わないでほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • パーソナリティーがリスナーから寄せられた卑猥な内容の投稿を読み上げていた。10代のリスナーも多いと思われる番組なので、面白い投稿であっても性的な内容の場合は読まないでほしい。

  • 昼の情報番組で、女性タレントが自身の写真集を紹介していたのだが、その写真が卑猥だった。時間帯に何の配慮もなく、このような映像を放送するのはおかしいと思う。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 朝の情報番組で、SNS上にアップされた、小学生が暴行を受けるシーンを放送していた。通学前の子どもも多く視聴する時間帯であり、特に子ども世代への暴力シーンについては配慮してほしい。

  • 刑事ドラマを昼の時間帯に再放送していたのだが、通り魔がたくさんの人を刺すシーンがあり、不快な思いをした。子どもが見てしまうことも考えられるので、このようなシーンを昼の時間帯に放送しないでほしい。