放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第101回

第101回–2016年2月

NHK総合の『クローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見への対応報告書を了承
委員会運営規則の一部見直し説明会開催と改正案の修正を了承…など

第101回放送倫理検証委員会は2月12日に開催された。
委員会が昨年11月に出したNHK総合の『クローズアップ現代』「"出家詐欺”報道に関する意見」について、当該局から提出された対応報告書を了承し、公表することとした。
委員会運営規則の一部改正案について、加盟社から寄せられた意見を検討し、今後の対応について協議した。その結果、要望の多かった加盟社への説明会を開催すること、意見を参考にして改正案を修正することを了承した。

議事の詳細

日時
2016年2月12日(金)午後5時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、升味委員長代行、香山委員、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1.NHK総合の『クローズアップ現代』"出家詐欺”報道に関する意見への対応報告書を了承

昨年11月6日に委員会が通知公表した、NHK総合の『クローズアップ現代』"出家詐欺”報道に関する意見(委員会決定第23号)への対応報告書が、2月上旬、当該局から委員会に提出された。
報告書には、再発防止に向けて、各地の放送局で17回の勉強会を実施したこと、検証委員会の担当委員を招いて研修会を開催したこと、委員会決定を踏まえた「放送ガイドライン」の増補版を作成したことなどが記されている。そして、「事実に基づき正確に報道するという原点を再確認しながら信頼される番組づくりにあたっていきます。」と結ばれている。
委員会では、匿名取材に関して導入した「チェックシート」が形骸化したり、「チェックシート」の記入が自己目的化したりすることのないよう検証し続けてほしいなどの意見が交わされ、この対応報告書を了承して公表することとした。

2.委員会運営規則の一部見直し  説明会開催と改正案の修正を了承

加盟社に呼びかけていた、運営規則の一部改正案についての意見募集は1月下旬に締め切られ、加盟208社のうち、異論なしも含めて、31社から意見が寄せられた。改正案の内容は、審議や審理に入る前にその適否を議論している「討議」という手続きと、審議の際にも原則的に行っているヒアリングを、運営規則に明文化するというもので、委員会運営の現状に合わせる必要最小限の改正提案になっている。
委員会では、今後の対応について協議した結果、「説明会などの場で、もっと詳しく説明してほしい」との要望が約20社からあったのを受けて、全加盟社を対象に開催する2月24日の事例研究会の終了後、説明会を実施することになった。説明会には、事務局の担当者のほか、川端委員長と升味委員長代行も出席する。
また、意見の中には、「討議の位置づけを明確にしてほしい」とか、「討議段階でもヒアリングが可能と解釈できるのではないか」などの指摘もあった。委員会の現状に適合させるための必要最小限の見直しという、改正の趣旨をより明確にし、加盟社の誤解を払拭するために、そうした意見を参考にして、改正案を一部修正することになった。説明会では、この修正した改正案についても説明する。
こうした状況を踏まえて、今回の委員会で予定されていた改正案の議決は、次回に見送ることになった。

以上