第177回–2016年1月26日
視聴者意見を中心に意見交換…など
2016年1月26日に第177回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。6人の委員が出席しました。まず、12月16日から1月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に意見を交わしました。そのほか、1月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
次回は2月23日に定例委員会を開催します。
議事の詳細
- 日時
- 2016年1月26日(火) 午後4時30分~午後6時40分
- 場所
- 放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
その他 - 出席者
- 汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、川端裕人委員、緑川由香委員
視聴者からの意見について
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「深夜に生放送されたテレビ番組に子どもが電話で出演していたが、違和感を覚える」という視聴者意見について、委員からは「深夜帯における児童の視聴や番組への参加に関しては、法律的な問題というよりも、視聴環境や家庭環境の問題でもあるので、保護者側にも配慮をお願いしたいところだ」という意見がありました。
〔参考〕「青少年と放送」問題への対応について 日本民間放送連盟 放送基準審議会(1999年6月17日)
5.放送時間帯の配慮 (抜粋)なお、21時以降および休日の児童および青少年の視聴については、その保護者の方々にも一定の責任を担うことをお願いしたい。 -
「大晦日恒例のバラエティー番組は、不適切な内容や暴力的内容の度が過ぎている」という視聴者意見について、委員からは「今回の放送内容には、特に問題は感じなかった。子どもたちの場合、内なる攻撃的エネルギーがテレビを見ることで代りに消化されスカッとした感情を抱くようになることもある。もちろん程度問題だが、大人の理解も必要だ」という意見がありました。
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「滑舌の悪さや吃音を笑いのネタにしていた。これらは生まれついての身体的な問題の場合が多い。そのような人たちをバカにしているように感じた」という視聴者意見について、委員からは「身体的な問題を揶揄してはいけない。苦しんでいる人たちへの配慮がほしかった」という意見がありました。
中高生モニター報告について
1月の中高生モニターは、「年末年始番組を見た感想」というテーマで書いてもらい26人から報告がありました。
ただ漫然と進行する内容を批判する意見が寄せられました。「年末年始は、とにかくダラダラ進むバラエティー番組が多いのが気になる。いつものお笑い芸人さんがどのチャンネルにも出ていて魅力的な番組が少なかった」(神奈川・中学1年女子)。
定番の特別番組に対する厳しい意見もありました。『アメトーーク!! 5時間SP』(テレビ朝日)…「毎年同じような企画をやっていて、飽きる。好評な企画以外は別の企画にするべき」(石川・中学1年男子)。「運動神経の悪い芸人を笑う企画は、所詮、人の能力の欠如を笑っているだけで、あまりレベルの高い笑いではないと思う。全体的に、今回は期待よりも面白くなかった」(新潟・高校2年女子)。『絶対に笑ってはいけない名探偵24時!』(日本テレビ)…「鬼ごっこの終わり方や内容が毎年ほとんど同じなので別のパターンも考えてほしい。有名人への扱いが少しひどいと思う。罰もきつすぎるのがあるので考えた方がいいと思う。放送時間も日付が変わるまでには終わってほしい」(千葉・中学1年男子)。
『紅白歌合戦』(NHK)にも批判がありました。「歌手のジャンルが偏り過ぎ、トリの2人の歌手の選考にも疑問があった。1年の締めくくりという大晦日でここまで面白みのない番組を見るのは非常に残念だった」(千葉・中学3年女子)。「歌の時にステージの上にとにかく人が多すぎる。騒がしいし目がチカチカする。細川たかしさんの演歌の時のバックダンサーの踊りがふざけすぎている、と祖母が怒っていた」(福岡・中学2年女子)。
一方で、丁寧に作られた企画には賛辞が寄せられました。『2015伝言SJCみやぎ年末スペシャル!』(東日本放送)…「番組を通じて改めて2015年の宮城県の出来事を思い出した。視聴者から寄せられた大切な人への温かいメッセージの紹介もとても良かった。震災から5年、皆明るい未来に向けて進み続けており、仙台市も、うみの森水族館や地下鉄東西線を作り震災前に等しい観光客を呼び込もうとしていることを知った」(宮城・中学3年女子)。『坊ちゃん』(フジテレビ)…「長い小説を的確に解釈して簡潔にまとめて、セリフやセットも忠実に再現できる番組制作者の腕には驚かされた」(山梨・高校2年男子)。『赤めだか』(TBSテレビ)…「昭和の温かみのある雰囲気と平成に通ずる人間の本質の愛しさを感じる作品だった。ストーリーも面白かったが配役も絶妙で最後の最後まで楽しめた」(神奈川・高校2年女子)。
■中高生モニターの意見と委員の感想
●【委員の感想】モニターの意見の中に、報告を書く経験を積み重ねるうちに、テレビ番組を違った角度や離れた位置から見ることができるようになった、という内容を読み、とても嬉しく思った。中高生で自主的にそういう意識が持てるのは素晴らしい。
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(埼玉・中学2年女子)中高生モニターになり、テレビを見る時、視聴者目線で見るのと、制作側であるテレビ局側から見てみるのと、双方からの意識を持って見ることを心がけると、気づいたことがたくさんあった。
- (千葉・中学3年女子)私は、『箱根駅伝』(日本テレビ)の中継をずっと見ていた。改めてよく解説を聞いていると解説者の「プロ魂」のようなものを感じた。普段は面白いかどうかで評価していたが、番組制作に携わっている人を考えると、違う視点からテレビを見るのも面白いかもしれないと思った。
●【委員の感想】今の中高生が『紅白歌合戦』(NHK)に多くの期待を抱いて見ているということが意外だった。ただし、批判意見と改善提案は、それぞれ実に多様な意見が出され、番組の見方や期待する内容のばらつきを感じた。
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(鹿児島・中学3年女子)さすがと思える貫禄の番組セットだったが、出場歌手の選考に疑問を持った。仮の出演者一覧を公開して、視聴者に票をいれてもらうのはどうか。
- (東京・中学3年男子)紅白を録画しながら、ザッピングしていろいろな番組を見ていた。すべての年代が共通して楽しめるものが少なく、見たいところだけ見るようになってしまう。いっそのこと前半は子どもから若者向け、後半はシニア向けとバッサリ分けて2部構成にしてしまってはどうだろうか。
●【委員の感想】放送に携わる人たちが持たなければならない倫理観を厳しく追及している報告があった。
- (愛知・高校2年男子)テレビ局のアナウンサーが逮捕された報道を目にした。特に報道番組など公正が求められ内容を信頼している番組の出演者が罪を犯すのは非常に残念というより、まるで人間不信に陥りそうな恐ろしい感覚になった。
●【委員の感想】意欲的な企画の番組を見て大変優れた感想を述べたモニターがいた。
- (岩手・高校2年女子)『新春テレビ放談2016』(NHK) 。1年間に放送された中で面白かった番組をジャンル別にランキングし、そのヒットの理由などをパネリストが分析するという番組。NHKで主に民放の番組を取り上げ討論している様子は不思議で少し違和感があった。しかしテレビよりも魅力的なものが増えてきた中で存在を保つには何か新味やインパクトが必要で、規制で固められている現代ではなかなか難しい。批判や違和感があってもすぐに規制に走るのではなく、長期的に見守ったり、見る番組の選択を視聴者に任せたりすることも必要だ。
●【委員の感想】東日本大震災の被災者の中にはとてもテレビ番組を笑って楽しめない心境の人々もまだ多くいる。中高生がそういう人々の思いを推し量り洞察の深い報告を書いている。被災地の中高生の心の中を慮り我々も心に留めておかねばならない。
- (宮城・中学3年女子)『2015伝言SJCみやぎ年末スペシャル!』(東日本放送)。出演した日本の女性レゲエ歌手lecca(レッカ)の仙台三桜高校の学生に対する思いや歌声に感動した。この番組で、県下の復興の最新の様子がとてもよく分かって、仙台市の新設された地下鉄にも是非とも乗りたくなった。宮城県の住民への温かい応援メッセージが一杯のこの番組が2016年にも放送されることを期待している。
今後の予定について
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3月13日(日)にテレビ朝日の協力を得て開催する中高生モニター会議について企画案が事務局から提出され、内容の検討を行いました。
- 来年度の中高生モニター約30人の募集が始まった報告が事務局からありました。来年度は中学1年生から高校3年生までに募集の枠を広げました。募集の締切りは2月19日(金)です。
その他
- 来年度の青少年委員会の日程や意見交換会開催について話し合いました。