視聴者からのご意見

2015年10月に視聴者から寄せられた意見

2015年10月に視聴者から寄せられた意見

TPPの大筋合意のニュースや番組に対して、是々非々の放送をしてほしいなどの意見や、ノーベル賞を受賞した2人の日本人科学者への質問が稚拙過ぎるといった意見。横浜市のマンションでのデータ改ざん問題に対する過剰な報道姿勢に、住人などから多くの批判が寄せられた。

2015年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,146件で、先月と比較して649件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール68%、電話29%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別は男性70%、女性27%、不明3%で、世代別では40歳代28%、30歳代28%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は503件【46局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、18件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

環太平洋経済連携協定いわゆるTPPが大筋合意したが、それを報じたニュースや情報番組に対して、是々非々の放送をしてほしいなどの意見が寄せられた。
2人の日本人科学者がノーベル賞を受賞したが、生中継に出演してくれた受賞者に対する質問が、あまりに稚拙だといった批判などが寄せられた。
横浜市のマンションでのデータ改ざん問題が発覚したが、ヘリ取材をはじめとする過剰な報道姿勢に対して、住人などから多くの批判が寄せられた。
再びゆとり世代を扱った番組に対して、ゆとり世代のいい面も紹介するべきだなどといった意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は36件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は85件で、前月から、17件増加した。
今月は、「暴力・殺人・残虐シーン」が17件と最も多く、次に「性的表現」が12件、「表現・演出」が9件、「その他」が8件、「言葉」が7件と続いた。
「暴力・殺人・残虐シーン」は、少年が主人公のアニメ番組での射殺シーンなどについて多くの意見が寄せられたほか、ドラマの暴力シーンに関する意見も複数あった。
また、青少年委員会が深夜のバラエティー番組について審議することについて、賛否それぞれの意見があった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • TPPが大筋合意したが、デメリットばかり取り上げて政権批判しかしないことはおかしい。何故メリットも取り上げられないのか。もっと是々非々の放送をしてほしい。

  • TPPの報告の後に、政府の国内の農業支援策について論じていたが、農家のためになぜ税金を投入しなければならないのだとも受け取れる発言があった。これからの日本の農業の問題なのだから、もっと慎重にコメントしてほしい。

  • 物理学でノーベル賞を受賞した科学者に対しての生中継での質問が稚拙すぎる。また、全く関係のないことを言って笑いを取ろうとしていた。科学者に対して失礼だし、インタビューするならば、最低限の勉強をしてからにするべきだ。番組のレベルの低さを感じた。

  • データ改ざんの横浜市マンションの報道で、記者と名乗る人物がマンションの住民に声をかけ「説明会の資料がないか」と追いかけまわしているようだ。また、マンションの裏のお店の駐車場に中継車を置き、取材に応じるとも何も言っていないのに、いきなりカメラ数台に囲まれ、怖い思いをしたという話も聞いた。説明会の音声を入手し、巧みに編集して、あたかも説明会が大荒れだったかのような報道もしている。

  • 私は、今問題となっているマンションの住人である。建物を支える杭の一部が固い地盤に達してしないことが判明した後、ヘリコプターの騒音があったり、マンション前には多くの報道人が集まり、外出の際や子ども達の通学時に、インタビューを求められるなど、支障をきたしている。子ども達は集団登下校をせざるを得ない状況だ。また、連日、住民説明会が開催されているのだが、その様子を生中継する局もあり、夜間の騒音などの迷惑をこうむっている。私の所有している棟は何の問題もないし、また、傾きが確認された棟の住人も生活には全く支障がない。大げさに報道されることで、資産価値に影響を与えている。過剰な取材は控えていただきたい。

  • 横浜市の杭の問題が見つかったマンションについて、「今朝から杭の調査が始まった」と放送し、植木の撤去などの作業をする様子をヘリコプターで撮影していた。先週からヘリコプターの騒音でマンション住民だけでなく、地域住民全体が非常に迷惑している。マンション裏手のドラックストアに無断で中継車を停めたり、住民を追いかけまわして、いきなりカメラで撮影したり、取材のモラルを欠いている。子ども達は学校で「傾いたマンション」などと、言われて心を痛めている。

  • 横浜市内の大型マンションが傾く事態となっている件を取り上げた。その際、大阪の某マンションの雨漏りのことや、中国のマンションのドアが段ボールで出来ていることなど、今回の件に関係ないことまで例に出した。今一番不安な気持ちでいる横浜のマンションの住民の感情を逆なでするようなものだ。過剰な報道で、住民の感情を煽っているように思える。

  • 沖縄県の知事による「米軍基地移転承認の取り消し」について伝えていた。その際、男性キャスターが「知事は沖縄の民意を貫こうとしている」などと説明し、移転承認の取り消しが沖縄県民の総意であるかのように表現した。移転に賛成する県民もかなりいるそうなのだが、ニュースではそれらの人達の存在には触れず、反対派の主張だけを報道した。報道の偏りと言われても仕方がない。

  • 沖縄の辺野古基地問題を取り上げていたが、コメンテーターの男性が「地元の人のほとんどが基地に賛成」「知事の本音は辺野古基地建設反対ではなく、政府からの補助金を増やすための駆け引き」という趣旨の解説をした。さらに「現地で反対運動を行っているのはほとんどが本土の人か、日当をもらって出向いてきた人」などと述べた。そういった間違った情報をもとに出演者が議論していて、番組として酷かった。

  • 大阪では府知事、市長選挙まで1ヵ月を切っている。この状況で立候補を予定しているある政党の主たる代表を招き、放送することは、有権者に対しての投票誘導ともとれるのではないか。放送の公共性、公平性から見ても、重大な違反ではないのか。

  • 福島県内の放射線量に関する報道について疑問を持っている。報道では「風評被害」と言っているが、”風評被害”とは「根拠のない噂のために受ける被害」のことであって、今の福島の肉、魚、野菜などで基準値以上の数値が出ているといわれている。そのため”風評被害”という言葉はふさわしくない。地元のことを知らない人は報道を信じて、多量の放射線物質を含んだ食品を口にしてしまうだろう。いずれにしても、正しい情報を伝えてほしい。

  • 事件のニュースで気になる言葉がある。「全裸で」と「衣服を身に着けていない状態で」はどちらも嫌な言葉だが、どうしても報道の必要があるなら、「衣服を身に着けていない状態で」の方がまだ多少ましだ。「全裸で」という言葉は、あまりにも露骨だ。殺されただけでも気の毒なのに、顔写真とともに「全裸で」という言葉がつくと、自分が被害者だったら耐えられない。

  • 事件・事故の被害者や加害者の情報として、個人のブログやフェイスブック、街中の防犯カメラの映像を利用しているが、防犯カメラは法的にマスコミが安易に利用していいものなのか。また本人自ら行ったとはいえ、インターネット上に公開している個人情報をマスコミが公開していいものなのか。本人や親族、サイト運営者の同意等は必要ないのか。情報番組やワイドショー等で安易に扱っているように思える。

  • 女子高生殺害事件について、「現場周辺の地域はライトノベルや少女漫画、アニメの舞台になったことがある」などと報じられているが、この事件と一体何の関係があるのか。アニメや漫画の舞台になり、新聞や雑誌で取り上げられたことが事件のきっかけとでも言いたいのか。アニメや漫画が好きな人間を、犯罪と結び付けようとしているとしか思えない。

  • 私は福祉施設の職員だ。最近「下流老人」という言葉がよく使われるようになった。低所得者のことを言うようだが、差別的な表現だ。低所得者を見下しているようで問題だ。たとえ経済的にゆとりがなくても、心豊かに暮らしている人も多い。この言葉が定着し、その立場にいる人を見下す風潮が助長されないかと、危惧している。

【番組全般・その他】

  • 大反響と銘打ち、ふたたび「ゆとり世代」を扱っていたが、明らかにゆとり世代をバカにした番組構成だった。出演しているタレントやモデルのキャラが演出なのか、元々こういった方々なのかは不明だが、ゆとり世代のイメージを悪くさせる、悪者扱いにする演出は許せない。ゆとり世代という言葉はもはや差別用語では無いか。

  • 若者をゆとり世代と報道する番組を見かけるが、不愉快だ。今の若者は生まれた時から不況で、就職でも苦労をしており、必ずしも、ゆるい環境で生きたとは言えない。もっと、若者の頑張りやいい面を報道すべきではないか。今の報道はマイナスな部分ばかりを取り上げている。

  • 女優が亡くなって数日たつのに、未だに特集を組んでいる。現在、癌で治療中の患者やその家族は生きる望みが湧くどころか不安になる。このような特集番組は癌と戦っている人への配慮に欠けている。喜びの出来事なら何日も継続して特集を組むことはよいと思うが、不幸な出来事を繰り返し放送することはやめて頂きたい。

  • 「女性タレントの退院会見」を伝えている。その際、自身が明かした「医師から『(今後)5年の生存率は50%、と告げられた』」ということを、どの局も大きく取り上げている。この数字は、同じ癌に苦しむ一般視聴者にとって、あまりに衝撃的だ。人の生死にかかわる内容は、もっと慎重に扱って頂きたい。

  • 深夜番組のバラエティーなのは理解できるが、メンバーの中にAV女優が含まれている。職業に貴賤はないというが、如何なものか。先日も、MCからの「仕事は何?」の質問に対して、「○ックスです」と、恥じらいもなく回答するシーンがあった。公序良俗に反する内容を悪びれもなく語り、それを連呼する。放送内容の早急な改善を希望する。

  • 「天気予報」の中で、「爆弾低気圧」「ゲリラ豪雨」等、物騒な言葉が用いられることが多い。気象庁に問い合わせると「これらは”気象用語”ではなく、気象用語としては『集中的な豪雨、突発的な豪雨』等が該当する。しかしマスコミまではコントロールできない」とのことだった。本来の正しい言葉ではなく、インパクト勝負だけの言葉が氾濫することに危機感を覚える。

  • 深夜枠に放送しているアニメが現実で起こった殺人事件などの影響で放送休止になることがある。一方、ゴールデンタイムのドラマなどでは殺人事件や誘拐を連想させるような事件のシーンがあるが、放送休止にはならない。これは「表現の自由」における差別なのではないか。「アニメは行き過ぎた表現ばかりしているから教育に悪い」と言わんばかり報道しているが、如何なものか。

  • UFOや超常現象映像などを紹介していました。明らかにCGで製作された映像にもかかわらず、外国人が真剣にリアクションし感想を述べている姿がバカらしかった。「えーっ」などのスタジオ音声もわざとらしく思えた。映像が本当か嘘かは断言していないが、視聴者をバカにしているのではないのか。

  • 1分半もの間、画面全体が青色や赤色などに激しく点滅した。最近は規制も厳しいのでおそらく決められた時間を逸脱してはいないのだと思うが、いわゆる「ポケモンショック」のような症状を起こした。半日は目を閉じてもめまいと酔いが止まらず、しばらく嘔吐し続けた。少し短い時間であったなら、色も変化させれば大丈夫だろうと踏み切ったのだと思うが、ツイッターをはじめネットで検索した限り、気分を悪くしている方がたくさんいたようだ。留意してほしい。

  • 新番組や最終回が近い番組にかかわっている俳優や作家が、当日のバラエティー番組のゲストに出演していることが当たり前のようになっている。同じ人が終日顔を出すので、本当に不愉快だ。同様に、新番組やシリーズの放送日の前になると過去の同じ番組の再放送が必ずあるが、如何なものか。

  • 「ウンコ」「チンコ」という読みの名前の人はいるかを検証する企画だった。電話帳で探し「運子」「珍子」という名前を見つけ、アポなしで急に電話をかけ、「ウンコさんですか?」「チンコさんですか?」と聞く。実際には読み方は違っており、運子さんに関しては怒って電話を切ったようだった。彼女達はきっと今までの人生でひどい言われようをしてきたのだろう。それを考えず、面白がってテレビで扱うことは最低だ。

  • 最近よく見かける裸芸人は見ていて不愉快だ。パンツ一つで女性芸能人の前に出てくることは、セクハラだ。局側からすればちょっと話題になり、ギャラが安いから使いたいのだろうが、見ている側の中には不愉快に感じている人もいる。パンツ一つの芸人をテレビで取り上げることはいかがなものか。

  • 必要のない海外ロケが多い気がする。番組を盾にした海外旅行のように見える。スタッフ一行が泊まったホテルのタイアップ宣伝映像を長々流し、それで毎回宿泊代を浮かしているのか。電波の私的流用のような気がする。

  • 一般人の新婚夫婦を迎えトークをする長寿番組だが、この日出演した夫婦の妻が卑猥な単語を連呼する歌を歌っていた。字幕は伏せ字となっていたが、歌はカットされることなく放送された。気持ちが悪かった。一般人夫婦の「ぶっちゃけトーク」が人気な番組なのでカットしなかったのかもしれないが、日曜日の昼間はあらゆる世代が視聴可能な時間帯だ。

  • 地元の情報番組の再放送だった。放送時のテロップ表示で、初めて古い情報だとわかった。電話で確認すると、昨年迄で営業は終了しており、今年はやっていないとのことだった。情報番組の再放送であれば、放送する時点での情報の再確認が必要と考える。放送局に問い合わせしたが、放送にあたり情報の再確認はしないとの回答だった。あまりに安易な番組の2次利用であり、責任感に欠けるのではないのか。

【ラジオ】

  • 楽しいトークで聞きやすいのだが、「自腹で馬券買う」というコーナーが復活していた。「いくらで購入する」と発言していた。馬券を買うことは個人の勝手ではあるが、番組を通してやるのは倫理的にいいのか。賭けごとを推進しているかのようだ。

  • 深夜のコーナーで、「オレンジ色に光った人がいた」と言ったり、現実にはありえない話をした挙句、出演者の女性が突然ものすごい絶叫をした。うとうとしながら聞いていたが、深夜とはいえ如何なものか。

  • ラジオ番組で行われているスペシャルウィーク企画というのが腹立たしい。レーティングの数字を金銭やもので釣ることはいかがなものか。メディアとしては失格ではないか。

【CM】

  • 女性アイドルグループが消費者金融のCMに出演している。若い方でも気軽に借りられるというイメージを与えている。昔の消費者金融と比べてクリーンなイメージを持つ。しかし、いくらイメージがよくなったといっても、”お金を借りる=借金をする”ということは変わらない。現に、何気なく使っているキャッシングのせいでローンが組めない人が多いのだ。

  • 電力会社のCMがよく放送されているが、原発を再稼働させたいという意図がミエミエだ。福島の原発事故については住民の帰還や高濃度汚染水など問題が山積みであり、再稼働した鹿児島の川内原発についても地元の賛否は分かれている。このような状況で原発絡みのCMを放送することは、福島の人々の苦労を踏みにじるものではないだろうか。

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、司会のお笑いタレントが、過去に後輩お笑いタレントを何回ビンタしたかを面白おかしく特集していた。暴力行為を肯定・推奨しているように感じる。

  • 子どもが視聴する時間帯のアニメ番組で、主人公の少年が無抵抗の捕虜や敵兵を射殺するシーンがあった。タイトルを見て、子ども向け番組だと思って視聴した子どもも多いと思う。どうしても放送したいなら年齢制限を設けてほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • バラエティー番組で、司会の男性お笑いタレントが女性ゲストの胸を触ろうとするしぐさを何度もしていた。冗談であろうが、セクシャルハラスメントだと言われかねない行為であり、とても不快だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 元暴走族の芸能人の実家をリフォームする企画で、昔の暴走族仲間が集まってリフォームを手伝っていた。暴走族は違法行為を繰り返す集団であり、近隣住民に多大な迷惑をかけている。このような人たちを「昔はやんちゃだったが現在は立派になった」として美談にする内容に嫌悪感を覚えた。

  • バラエティー番組で、お笑いタレントによる運動会を行っていた。進行役に小学生を起用したこと自体に問題はないが、現金を持たせてチラつかせたり、指でお金を表すしぐさをさせたりするのはいかがなものかと思う。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • バラエティー番組で、出演者がお酒を飲みながら本音を語るという企画があったが、一方のタレントがお酒に弱いタレントに強いお酒を勧めていた。お酒に弱い人に飲酒を強いるのは危険だ。若者が真似ることも考えられる。子どもも見るような時間帯に放送するような企画ではない。

【「委員会」に関する意見】

  • 最近、バラエティー番組の内容に関して、社会の目が厳しすぎるように思う。先日も深夜のバラエティー番組について、青少年委員会が審議入りしたとの報道を見た。私は我々が絶対にできないようなことをしてくれるバラエティー番組に面白さを感じている。何でも規制する方向に流れていくことを危惧している。