視聴者からのご意見

2015年3月に視聴者から寄せられた意見

2015年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から4年経過したが、この日だけを特別視するような報道姿勢に批判の声。オウム真理教の地下鉄サリン事件から20年、教祖の昔の説法を流すのは危険だといった意見や、出演した教祖の娘に謝罪を求めるような放送に対し、多くの批判意見など。

2015年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,511件で、先月と比較して290件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話28%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性72%、女性26%、不明2%で、世代別では40歳代27%、30歳代24%、20歳代17%、50歳代17%、60歳以上10%、10歳代5%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は677件【40局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本大震災から4年が経過したが、この日だけを特別視するようなマスコミの報道姿勢に対し、批判が寄せられた。
オウム真理教の地下鉄サリン事件から20年がたち、報道番組や情報番組がさまざまな角度からオウム事件を取り上げたが、教祖の昔の説法を流したりすることは危険だといった意見や、出演した教祖の娘に謝罪を求めるような放送に対し、多くの批判意見が寄せられた。
チュニジアの博物館襲撃テロで日本人が死亡したが、被害者の卒業文集を放送することは如何なものかといった批判があった。
政務活動費問題で辞任した元県議への突撃取材に対して、まさにマスコミの横暴だという声が多数寄せられた。
ラジオに関する意見は63件、CMについては51件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は116件で、前月から35件減少した。
今月は、「言葉」に関する意見が20件と最も多く、次に「性的表現」と「暴力・殺人・残虐シーン」が15件、「表現・演出」と「いじめ・虐待」が11件と続いた。
「言葉」については、バラエティー番組でゲストが自分の妻に暴言を吐いたことについて、多くの意見が寄せられた。また、別のバラエティー番組の女性出演者の呼び方について、中高年の女性を侮辱しているようで不愉快だとの意見が複数あったほか、川崎市で中学生が殺害された事件に関連して、「殺す」などの言葉を安易に使用しないように求める声もあった。
「性的表現」については、複数の番組に対し、春休み期間中であることを踏まえ、番組内での表現に留意すべきとの意見が寄せられた。
「暴力・殺人・残虐シーン」については、ドラマにおける暴力表現が青少年に与える影響を懸念する声が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 3月11日の東日本大震災の日には、バラエティーやスポーツ観戦ではなく、震災のことや被害に遭われた方、今も懸命に復興に取り組まれている方などを考える番組をもっと放送してほしかった。震災の風化と言われているが、11日をみんなでいろいろ考える日にすることが大切だと思う。また逆なことを言うようだが、この日だけをお祭りのように報道するマスコミには、違和感を覚える。普段から震災に関する報道を地道に続けるべきだ。

  • 私は東日本大震災後、福島県から栃木県に移ってきた。震災から丸4年の今日の放送は、「"ここが福島だ"と実感できる場所がこちらです」との紹介で始まった。故郷の数々の名所などを期待していると、醜い除染廃棄物置場が映っていた。あまりの光景に心が張り裂けそうになった。いつか帰る日を夢見ている者には、「今の福島を象徴するのは、廃棄物の山」と言われることは耐えられない。現実は現実として受け入れるが、故郷を懐かしむ人の夢を打ち砕くようなことを言わないでほしい。

  • 東日本大震災から4年経ってもなかなか復興が進まない。原因はいろいろあるが、震災関連の報道にも一因があると思う。今までの報道番組では、明るく前向きな被災者や不平・不満を言わない被災者が主に取り上げられてきた。本当はそうした人たちばかりではない。失業や病気で困窮する人たちも多数いるのに、実態が報道されていない。今後、復興のスピードを上げるためにも、放送局には、たとえば「被ばく問題」「広域がれき処理」「「除染」「高い防波堤の建設」など、骨太の番組をどんどん放送してほしい。

  • 震災から丸4年となる今日、各局とも震災一色になっている。戦後の日本にとって未曾有の災害であったことは確かだが、どこの局も似たり寄ったりの放送をしている。同じような内容を放送するなら、1局くらい他の話題を提供しても良いのではないか。それに比べて太平洋戦争で日本が体験した苦しみ、特に3月の大空襲や広島・長崎の原爆については伝え方が足りない。このままでは若い人たちをはじめ、日本人の心から戦禍の記憶が消えてしまうのではないか。

  • 震災特集で、チェルノブイリと福島の原発事故を比較し、チェルノブイリと同様に放射線による甲状腺がんや新生児の障害が起こるのではないのかと思わせる放送をしていた。しかも不安をあおるような音楽まで入れていた。チェルノブイリと福島では、事故の性質がまったく違うことを説明していない。国連の専門機関が、日本では放射線に起因する障害が起こる可能性はほぼないと報告しているとも聞いている。「可能性はゼロではない」といったらどんな不安もあおることができる。風評被害は深刻だ。復興を支援すると言いながら、如何なものか。

  • 原発事故の汚染土が中間貯蔵施設に搬入できるというニュースが報じられた。その際、大臣が「福島の"除染"や復興の第一歩となる」と言ったのに、「福島の"汚染"」と間違ったテロップが表示された。局に電話をしたが訂正を入れるかどうか今決められないと言われた。訂正は直ぐにするべきである。

  • 「東北応援スペシャル」と称し、東北地方にある珍しい光景を取り上げていた。私の住む福島県では、よく東北を取り上げた番組が放送されるが、その大半は震災関連のニュースやドキュメンタリーといった硬派な番組だ。いくら震災が大切なこと、忘れてはいけないこととはいえ、東北を取り上げた番組となると、硬く暗い感じの番組ばかり放送されるので、見ていて疲れを感じていた。特にこの日は節目の日だったので、どの局も長時間にわたり震災関連の番組を放送していた。そんな中、この番組ではバラエティーの雰囲気で東北を取り上げ、暗い気持ちになることなく、東北の良さや面白さに改めて気づいた。本当に良かった。この番組のように、違った視点から物事を見る番組がもっと増えることを願っている。

  • オウム真理教の「地下鉄サリン事件」から丸20年経つということで、最近オウム関連の報道がとても多い。もちろん事件を風化させてはいけないが、だからといって教祖の説法のテープをそのまま流したり、過去の記者会見の映像を流すなど、オウムの宣伝のようなことをするのは非常に危険だ。一連の事件をよく知らない若い世代に興味を植え付けることになるのではないかと、心配している。

  • オウムの後継団体で配られているCDに教祖の肉声が含まれていると報じていた。しかし、肉声を放送するのは極めて不適切だ。教祖の声により元信者がオウムの思想に回帰したり、信者が更に洗脳されたりする可能性がある。それをテレビで放送するのは極めて危険だ。「肉声で修行するように促している」とナレーションで伝えるだけで十分なはずだ。テロを起こした宗教団体に関する報道手法についてのガイドラインを提示すべきではないのか。

  • 教祖の三女へのインタビューだが、インタビュアーの態度は主観的で、彼女を理解せずに言い返すという印象だった。まったく誠意が感じられず、とても不愉快だった。司会者、コメンテーターも「彼女も謝罪すべきだ」「謝罪する気持ちを感じない」と発言していた。彼女が犯罪者のような内容だった。もちろん、オウム真理教がしたことは許されないことで、裁判でも相応の結果が出ている。しかし、その娘に責任があるのだろうか。被害者は、犯人とその家族までも憎いのかもしれないが、報道者が一方的な立場にのみ偏り、報道してもよいのか。

  • チュニジアのテロで被害に遭った女性の顔写真や小学校の卒業文集を放送していたが、違和感を覚えた。犯罪者ならまだしも、全く罪もなく不運に命を落とした方のプライバシーを出すことは全く必要性を感じない。中学校の頃に卒業文集で書いた夢など今見たら赤面ものだし、その人の人間性を表すものとして取り上げるのは意味がない。

  • チュニジア襲撃事件で、ISILから声明発表があった件で「イスラム国」という語句を出していた。「イスラム国」との呼び名は誤解を与えかねないので「ISIL」という表現にしようという世界的な流れの中、未だに平然と使用する神経がわからない。手間を惜しまず、適切な措置をとるべきだ。

  • チュニジア襲撃テロ事件の被害者に対し、重傷を負っているにもかかわらず取材をし、なおかつ本人の承諾を得ないまま報道したといわれているが、もしそれが本当ならば言語道断であり、報道の暴走である。被害者の感情を意識し、配慮ある放送倫理を学んでほしい。

  • 「川崎市中1殺害事件」をはじめ、最近LINEに関連した青少年の事件が多発している。日本ではほぼ7割というダントツの普及率だが、他国ではそれほど普及していない。他国では、むしろその危険性を重視して"国として"普及させていないらしい。これは、発祥の国と言われている韓国でさえ、普及率が20%に満たないことからもわかる。このことを、どれほどの日本人が知っているのか。LINEの危険性も報道するべきではないのか。

  • 川崎市中1殺害事件に関し、最後に「殺される」という連絡をLINEを通じて友人の1人が受け取ったと話していた。自分が13歳の頃に同じ立場だったら、そうしたことを連絡されても戸惑っただろう。中学生の子どもにはメッセージを受け取っても、実際に救うための具体的な行動が出来なくて当たり前であることにも触れてほしかった。

  • ニュース番組はただ出来事を伝えるだけでなく、番組やキャスターなどの思いをきちんと示してほしい。批評性のないものは報道として不十分だ。その点、この番組は素晴らしい。番組としての批評・意見を示してくれることで、視聴者にも自分はどう思うか考えさせてくれる。その日の出来事に流されるだけでは、考えが深まらない。批判的な意見もどんどん放送して、考えるきっかけを与えてほしい。

  • 災害公営住宅での孤独死を取り上げた。本来、匿名で報道されるべきだが、個人情報や生前の部屋まで映像で流れた。いくら遺族が承諾したとしても、やり過ぎではないだろうか。本人のプライバシーを侵す行為である。孤独死のような報道は匿名性を重んじていただきたい。

  • 韓国で米国大使の頬が切りつけられた事件について報道していた。その際に大使の切れた頬が何の修正もなく、そのまま放送されていた。傷口はもちろん、血が出たままだった。画像を見せたい気持ちもわかるが、不快感を覚える視聴者もいる。

  • 大阪では統一地方選挙と大阪都構想住民投票という大きな政治的イベントが今後行われる。維新の党対他政党という構図のもと、あらゆる場面で政治的な議論が活発になると思われるが、反維新の政治活動などをしている学者コメンテーターが、「中立」を宣誓しながら、反維新的発言をしている。反対派・賛成派がともに、将来の大阪のあり方について議論することを視聴者としては期待しているが、片方の意見のみを公共の電波を使って垂れ流すのは如何なものか。

  • 集団的自衛権のシビリアンコントロールに関して、男性コメンテーターが「国民に理解が得られない」「国民に説明していない」など、常に「国民」を頭につけて、あたかも「国民の総意」であるが如く発言していた。少なくとも自分や周囲の半数は理解しているし、賛同している。自分の意見・考え方だけをもって「国民の総意」としていないか。

  • 政権の圧力を陰に陽に感じる番組が増えている。番組を仔細に見ると、言質を取られないように、微妙な言い回しに終始している。これは非常によくない。局や番組によっては政権の意向を忖度しているようなものもある。まれに政権に立ち向かっているような番組もあるが、コメンテーターを更迭するという噂も耳にする。いずれにせよ、権力に与せず、報道の基本を堅持してほしい。

  • イスラム国の人質事件にも関連して、「紛争地に行く人間もどうなのか」などといった報道がされているが、それなら一体誰が戦争の現状を人々に伝えるのか。「行く側にも責任がある」などという意見は、70年前の日本でどのようなことが起こっていたかを全く知らないから他人事のように言えるのだろう。紛争地に行くことを肯定する訳ではないが、今回殺害されたジャーナリストが、危険を冒してまで戦争の現状を報道しているからこそ、戦争や無差別テロがどれほど残虐で悲惨なのかを知ることができる。70年前の戦争を繰り返さない為にも、どんな形であれ、こういう戦争について報道していくべきだ。

  • 「少年法の適用年齢引き下げ」について、反対派の論客ばかりを集めていたが、一方向への誘導を目論んでいるとしか思えない構成だった。なにも予備知識がなく、テレビを信じ切っている人が見たら、簡単に思想を誘導できる。放送法を念頭に置いていると思えないものが多くあるので留意してほしい。

  • 北陸新幹線が長野駅と金沢駅の間で延伸開業する。多くの番組ではそのことに関する話題で盛り上がっている。列車が東京発のためかどうかは知らないが、内容を見ていると、あたかも今まで首都圏と北陸の間の移動手段が全く存在しなかったかのような報道内容だ。また連日のように新幹線と言っていることにしつこさを感じ、素直に開業を祝う気が無くなってくる。新幹線関連の話題に限らず、最近のテレビ番組は東京キー局の番組を中心に内容がマンネリ化したものが増えている。独自性のある番組を作ってほしい。

  • 北陸新幹線の開業で、首都圏から北陸へのアクセスが便利になったとの首都圏寄りの報道が気になった。北陸から首都圏へのアクセスも便利になったが、逆に富山県から関西・中京方面へのアクセスは不便になった。また、並行在来線として第三セクターへ移行された路線の報道が全くされていなかった。地域住民の足は新幹線というより、通勤や通学、通院や買い物などに使う在来線のはずだ。在来線の本数の減便や運賃の値上げなど、生活に直結した現状も伝えるべきだ。

  • 大阪の警官が起こした殺人事件について、その上司である署長の謝罪録音テープがテレビで流された。しかし犯罪者の勤務先の上司はどのような法的責任があるのか。道義的責任から謝りに行ったのに、録音され、放送され、世間のさらし者にされた。怒りをむけるべきは犯人である。テレビが自分勝手な正義の仮面をかぶり鉄槌をくだすことはメディアリンチだ。

  • 政務活動費の問題で辞めた元県議を執拗に追いかけ、無理矢理インタビューしようとしていた。映像を見る限り、あからさまな弱い者いじめで、吐き気がした。テレビ局のモラル欠如などですむ問題ではなく、マスコミによるリンチと言われても仕方がない。いじめの問題などを取り上げることの多いニュース番組でのこのような事態が残念でならない。

  • 民放の夕方のニュース番組に意見したい。長い時間を費やしているのに、グルメや芸能ニュースに力を入れている。それよりも国会での質疑や提言などを、詳細に放送してほしい。新聞を取らず、インターネットも使わない世代はテレビの情報がすべてだ。グルメもいいが、もっと大事な情報があるはずだ。

  • コメンテーターの1人が降板することが明らかになった。降板に際して、圧力に屈したテレビ局を批判するような発言をしていたが、私は彼を評価したい。新聞社の論説委員ばかりのコメンテーターの中で、彼が一番わかりやすく、本当のことを言ってくれているような気がした。彼を降板させるのは、報道の自由が侵害されたのも同然だ。

  • コメンテーターが番組降板に当たり、「圧力」や「それに屈したテレビ局が原因」など、私憤としか思えないことをとうとうと述べていた。こんな個人的な意見を放送するのは問題ではないのだろうか。確たる証拠も示さず公共の場で述べることは、名誉毀損に当たるのではないか。

【番組全般・その他】

  • 実際に発生した難解な殺人事件を題材にして、警察が如何にして容疑者を特定したのかをクイズにしていた。事件は海外で起きたもので、夫が若い不倫相手の女性に夢中になり、一家を惨殺するに至ったという凄惨な事件だった。幼い子ども達までもが無残に殺害された事件にもかかわらず、クイズ形式で出演者たちに出題して、正解すればプレゼントという演出に、倫理上とても違和感を覚えた。ちなみに出演者たちは正解することができ、上機嫌で笑っていた。番組制作者は、殺害された被害者や殺人に関することをクイズの題材にして放送することを、どう思っているのだろうか。

  • 関東近辺の情報ばかり全国に垂れ流している。関東以外の視聴者を完全に無視していることが許せない。嫌なら見なければいいと言っている次元ではない。昼休みや家事の合間など、全国の人が見る貴重な時間帯に、なぜ関東紹介だけをするのか。わざわざ全国ネットにする必要がどこにあるのか。どうせ視聴率も関東の数字なのだから関東ローカルにするべきなのではないか。

  • 犬の虐待動画の投稿が相次いでいるというニュースが流れた。原稿を読み上げるだけならまだしも、動画そのものを放送したことに強い憤りを覚える。そもそも個人が撮影した動画を本人の同意なしに放送することは、許される行為なのだろうか。また視聴者の中には、人間よりも動物が虐げられている映像の方が不愉快に感じる人もいる。映像を流す前にキャスターが一言断るか、テロップ等で注意を促すべきであった。

  • このほど渋谷区が同性婚のパートナーシップ証明を認めると発表したことを受け、討論していた。しかしゲストのレズビアンカップルは当然としても、レギュラー陣らがそろって同性婚を認める発言をしていた。わずかに国会議員だけが家族制度や伝統を重視する慎重な意見を言っていた。彼が一言発すると皆が一斉に反発し、多勢に無勢の構図だった。同性愛者の存在を認めるのは時代の流れかも知れないが、「婚姻」となると別次元の話だ。「討論番組」を謳うなら、反対派や慎重派などの出演者も揃えるべきだ。

  • 「番組をインターネットにアップロードするのは違法です」というテロップが頻繁に表示されるようになったが、目障りだ。映像よりテロップの方に目が行ってしまうことも多く、気が散って集中できない。いわゆるユーチューバーが必ずしもそういうことをやっている訳ではないし、テロップを表示したところで番組を動画サイトに投稿する人間がいなくなる訳ではない。

  • ここ数年のバラエティー番組の制作が横一列で呆れている。回答の直前にCMを入れたり、同じ場面を何回も繰り返す。このやり方はもうウンザリする。各局の個性溢れる番組制作に期待する。

  • 電車内で不快と思われる行為に、ベビーカーの使用が挙げられていた。不快に思うのは女性が多いという内容だった。その中で、ゲストが「女性のこの意見は子どもを産んでいない人が多いのではないか」という発言をした。何の根拠もなく、このような発言をすることは許せない。このような不適切で差別的な思い込みの発言を放送するテレビ局にも怒りを感じる。不妊で苦しんでいる女性や子どもに恵まれない方々を傷つける言葉の暴力だ。

  • 新聞の番組欄やHPに、例えば「今夜もスゲェの撮れてます」などという惹起文句が踊っている。ガラの悪い不良が使いそうな言葉で、なんとも品がない。深夜番組であればまだしも、ゴールデンタイムの番組として相応しくない。目立ちさえすれば良いという安易な発想はやめるべきだ。

  • 中国の挟まれ事故をパロディーにして、フェンスやロッカーに挟まれた人を救助隊が油を掛けて救出するコントをしていたが、JRの脱線事故を思いだし、大変不快に感じた。私はJRグループで働いており一部始終を知っている。損傷の激しかった車内で鉄製の手すりに挟まれ苦しみながら息絶えた方がいたことを思いだし、悲しかった。

  • 芸能コーナーで「ゆるキャラーの経済効果」についてテロップが出ていた。女性アナも「凄いですね」と言っていたが、どうなのだろうか。経済効果というのは「これぐらいの人がこれだけ買うだろうから、これぐらいの金額になる」といった憶測の金額だ。ある教授が「経済効果ほどデタラメな数字はない」と発言していたが、大げさな数字を言うだけのものになっている「経済効果」という言葉は禁止するべきではないだろうか。

  • 男性のお笑い芸人が、グラビアアイドルにした行為はセクハラではないか。テーブルに乗って足を組み、胸を突き出すポーズを取った彼女に対し、露出した太ももを叩き、さらに胸に手をやり、そのまま揉んだ。このようなことは深夜のバラエティー番組であるからといって容認することは、社会的影響を考えても害悪であり、立場の弱い人間に対しての人権侵害だと思う。

  • 3人の女性ゲストを呼んでいた。女性のうちの1人が大きい胸の人の感触を確かめるということをやっていたが、視聴率稼ぎにしか思えず下品だ。また女性タレントが、乳首の色や状態を暴露した。こんな下劣な番組は今すぐやめるべきだ。

  • 都内の神社での撮影だった。敷地内で若い女性をパンツ1枚にして、芸をやらせていた。乳首の部分は星印で隠していたが、如何なものか。神社や寺院ではマズイのではないのか。

  • 「世界最小」「ギネス認定」などと称して、身体の小さな方、大きな方を見世物にしていた。それぞれさまざまな身体の障害があって、自身の意思に反してこのような体格になっているのに、「超人」とはどういうことなのか。しかも海外からわざわざ呼び、日本で大勢の前で見世物にして、出演者は笑ってばかりいる。障害のある方々と接している私からすると、障害を笑いものにして放送することが信じられない。

  • 男性タレントと半同棲しているらしき男性についての特集だった。「国民的アイドルの同性愛疑惑」という演出の思惑がよく伝わってきた。「ゲイ疑惑」「禁断の関係」と、まるで同性愛が悪いものであるかのように取り上げ、実際はただの友達に過ぎない男性との交友関係を過剰な表現で盛り立てていた。「ゲイ疑惑」といった同性愛を斜めに見たテーマありきの番組だった。ゲイの親友がいる私にとっては涙が出るくらい辛かった。

  • 日本の評価されている部分の根底は各人の努力だけでなく、世界各国で産み出された技術や産物があってこそ成り立っている部分もあるといった「ものづくり」において大切な部分が繊細に描かれていて、大変良い番組と感じた。昨今は一方からの意見を鵜呑みにしたひどい企画や、タレントだらけでバカ騒ぎする情報番組にうんざりしているので、尚更だった。普段テレビをあまり見ないビジネスマンでも、ゆっくり腰を据えて見られる構成もよかった。

  • 海外での大食い対戦の様子を放送していたが、その国には食べることに窮する貧しい人々が大勢いるのに、嫌がらせのように感じた。食べ物に対する冒涜でもある。私の弟は難病指定の潰瘍性大腸炎を患い、手術後の経過も思わしくなく、満足に食事がとれない。全国にはいろいろな事情で十分に食事ができない人たちがいることに配慮せずに、このような番組を続けることは放送倫理に反するのではないのか。

  • 今日の日本のテレビの大きな問題の一つは、メディアの「総エンタメ化」「総バラエティー化」だと思う。どんな問題でも、面白おかしく取り上げ、エンタメ化することでしか視聴率や話題性が取れないと思い込んでいる。そういった「エンタメ依存」が今日のメディアの質的低下を誘発している。また政治家の言葉尻を捉え、面白おかしくあるいはスキャンダラスに紹介したりする。もっと放送に真摯に向かい合ってほしい。

【ラジオ】

  • 週刊誌の記事を紹介するコーナーで、川崎市中1殺害事件に関連して少年犯罪の実名報道について取り上げていた。この件では週刊誌が容疑者の少年の氏名と顔写真を公表しているが、当日の番組では番組パーソナリティーが記事を取り上げ、容疑者少年の氏名を読み上げて記事を紹介していた。少年法に関わる実名報道の是非は議論の別れるところであるが、現状は少なくとも放送においては公表しない取り扱いをしているものだと思っていたので、衝撃を受けた。また、他社の記事を紹介する形でこのような実名報道を安易に放送に乗せてしまうことにも違和感を覚えた。

  • パーソナリティーの対応だが、相手の素性によって差がありすぎる。番組内での暴言もひどい。例えば有識者や年配のゲストには媚びるように下手に出るが、若いゲストに向かっては「おまえ」「バカ」「帰れ」などと暴言を浴びせることが多い。聴取者として不快な気分になる。相手によって態度をこうも変えることは人間としていかがなものか。

【CM】

  • フリーターや就職浪人の自立支援を謳う企業のアニメ風CMが不快だ。企業と面接を受けるフリーターをそれぞれボクサーに見立て、"企業役"の巨漢ボクサーが「お前を雇う会社がどこにある」などと詰りながら、フリーター役の小柄ボクサーを叩きのめす。しかし、この企業で更生したフリーターが逆転勝ちをおさめ、決め台詞を吐くといった内容だが、フリーターはダメ人間と決めつけるのは、如何なものか。

青少年に関する意見

【言葉」に関する意見】

  • バラエティー番組でゲストが自分の妻に対して、「殺していい?」などの暴言を吐く場面が繰り返し放送された。当該タレントが日常生活でそのような発言をしているのだとしても、公共の電波を使って放送するレベルを超えている。この放送を人格形成中の子どもが見たらどう思うだろうか。なかには大人がこういう言葉を使うのだから、自分も使っていいと誤解する子どももいるかもしれない。

  • バラエティー番組で、ゲストが自分の子どもと電話している場面を放送していたが、「殺すぞ」といった言葉を多用していた。中学生が殺される事件があったばかりにもかかわらず、このような言葉を無神経に使っており腹が立った。テレビの影響で子どもたちがこのような言葉を安易に使用することも考えられるので、より一層の配慮が必要ではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • お笑いタレントが面白い体験談を話す番組で、あるタレントが、子どものときに姉の寝室に忍び込んで胸を触ったり、入浴シーンをビデオ撮影しようとしたことを話していた。これは性的いたずらであり、家庭内性暴力とも言えるのではないか。犯罪行為を面白い話として話すのは、青少年への悪影響が強いと思われる。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 人気アイドルグループが出演するドラマの暴力シーンが過激すぎる。川崎市で中学生が殺害され、世間がその悲惨な出来事に心を痛めている中、このような暴力シーンを放送すべきではない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、若手お笑いタレントに激辛食品を食べさせたり、唐辛子風呂に入れさせたりしていた。この番組に限らず、多くのバラエティー番組で若手や売れないタレントに過激な行為を強要して、その姿を司会者などが笑うという手法が使われているが、パワーハラスメントではないかと感じる。いじめに苦しんでいる子どもたちが見たら、どう思うだろうか。

【「表現・演出」に関する意見】

  • ハンター役から一定時間逃げ切ると賞金がもらえる企画に女児タレントが出演していた。悲鳴をあげながら逃げ回ったり、何度も怖いと言っており、幼い子どもをこのような企画に参加させるべきではないと感じた。