青少年委員会

青少年委員会 意見交換会

2014年9月9日

意見交換会(仙台)概要

◆概要◆

青少年委員会は、言論と表現の自由を確保しつつ視聴者の基本的人権を擁護し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与するというBPOの目的の為、「視聴者と放送事業者を結ぶ回路としての機能」を果たす役割を担っています。今回その活動の一環として、仙台地区の放送局関係者との相互理解を深め番組向上に役立てるため、9月9日午後2時30分から午後6時までNHK仙台放送局第1スタジオで意見交換会を開催しました。
BPOから、飽戸弘BPO理事長、汐見稔幸委員会委員長、加藤理副委員長、小田桐誠委員、川端裕人委員、最相葉月委員、萩原滋委員、渡邊淳子委員が参加しました。放送局側からは、NHK・東北放送・仙台放送・宮城テレビ放送・東日本放送・FM仙台の各BPO連絡責任者、制作・報道・情報番組関係者など34人が参加しました。
意見交換会は2部構成で行い、第1部では、BPOの紹介及び青少年委員会がこれまでに公表した「見解」などの説明をしました。
第2部では、「震災後3年半を迎えた震災報道」を中心テーマに、"取材時の子どもへの影響や人権への配慮"などについて意見交換しました。
まず、NHK小林智紀記者から、「震災発生から3年半、震災報道 現在の取り組みと課題」をテーマに、次に、仙台放送西村和史ディレクターから「『ともに』を作りながら思うこと」についてそれぞれ基調報告をしてもらいました。
その後、放送局側からは番組制作上の悩みや努力の現状、委員からは報道現場に対する質問や要請が述べられました。
発災当時の報道の在り方と現在の在り方で違いを感じることがあるか?という委員の質問に対して放送局側からは、「発災当時、すぐ気仙沼に三陸沿岸の被災地の震災報道をするという拠点を設けた。当初はその拠点の意味も大きかったが、今は、全国で関心がある情報と地域として一番に伝えるべき情報の中味がだんだんずれてきている。しかし、地域の放送局として、長い道のりではあるが、伝えるべきものを粛々と伝えるべきだというスタンスに変わりはない」などの意見が述べられました。
"子どもへの影響を配慮した震災報道"をどう考えるか?というテーマについては、数人の制作者から、「基本的には取材する側とされる側の人間関係を作ることの重要性」があげられました。親密になった子どもとの会話から、あえて3月11日には取材に行かなかった経験談や、発災直後よりも3年半たった現在の方が子どもへの取材のハードルが高くなった話などが出ました。また、地元放送局として、津波の映像を極力出さないようにしている一方で、「過度の抑制は現実の過酷さを薄めることになるので配慮が必要だ」など、制作者の現場での様々な葛藤が述べられました。

◆まとめ◆

最後に、汐見委員長から出席者に謝辞が述べられるとともに、「この地域の放送関係者が、番組が青少年に与える影響について深く思考しながら、非常に慎重にかつ丁寧に対応されていることについて率直に私は感銘を受けた。今後ともこういった機会を通じて意見交換をしていきたい」旨の表明があり、3時間半にわたる意見交換会を終えました。

以上