放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第88回

第88回–2014年12月

佐村河内守氏が"別人に作曲依頼"を審理

川内原発報道で事実誤認と不適切な編集
テレビ朝日の『報道ステーション』を審議…など

第88回放送倫理検証委員会は12月12日に開催された。
"全聾の作曲家"と多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、委員会決定の内容や方向性をめぐって意見交換が行われた。次回は、担当委員から委員会決定の原案が示される予定である。
テレビ朝日の『報道ステーション』が放送した九州電力川内原子力発電所に関するニュースに、事実誤認と不適切な編集があった事案については、担当委員から委員会決定の原案が提出された。意見交換の結果をふまえて、次回までに修正案を作成し、意見の集約をめざすこととなった。

議事の詳細

日時
2014年12月12日(金)午後5時~9時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、小町谷委員長代行、是枝委員長代行、香山委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、藤田委員、升味委員、森委員

1.「全聾の作曲家」と称していた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案を審理

全聾でありながら『交響曲第1番HIROSHIMA』などを作曲したとして、多くのドキュメンタリー番組等で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、これまでの調査をもとに、委員会決定に盛り込む内容や方向性をめぐって意見交換が行われた。
とりわけ、審理の対象となった番組のすべてが佐村河内氏を「全聾の作曲家」であると信じ、制作されたことについてどう考えるのか、ドキュメンタリーの制作手法として何が問題だったのか、番組が視聴者に与えた誤解の大きさと障害者や被災者を虚偽の放送に巻き込んだことも踏まえると、問題発覚後の各局の対応は十分であったのか、などの論点については、長時間にわたる議論が交わされた。
その結果、これらの議論を踏まえて、次回委員会までに担当委員が委員会決定(見解)の原案を作成し、さらに議論を深めることになった。

2.川内原発をめぐる原子力規制委員会の報道に事実誤認と不適切な編集があったテレビ朝日の『報道ステーション』を審議

テレビ朝日の『報道ステーション』で、原子力規制委員会が九州電力川内原発について新規制基準に適合していると正式に認めたニュースを伝えた際に、事実誤認や不適切な編集があった事案について、担当委員から、前回までの議論を踏まえた委員会決定(意見)の原案が提出された。
原案では、問題となった事実誤認や不適切な編集がなされた経緯や原因などに加えて、背後に潜む問題点などが指摘されたが、不適切な編集が行われた原因をどうとらえるべきなのかなどを含め、質疑や意見交換が行われた。
その結果、これらの意見をもとに担当委員が修正案を作成し、次回委員会で意見の集約をめざすことになった。

以上