第212回 – 2014年9月
散骨場計画報道への申立て
放送人権委員会 判断ガイド2014…など
「散骨場計画報道への申立て」を審理要請案件として検討し、審理入りを決定した。
刊行された「放送人権委員会 判断ガイド2014」が配布され、その特徴や活用方法等について意見交換した。
議事の詳細
- 日時
- 2014年9月16日(火)午後4時~6時20分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1.審理要請案件:散骨場計画報道への申立て
2.『放送人権委員会 判断ガイド2014』について
3.その他 - 出席者
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三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、
小山委員、曽我部委員、田中委員、林委員
1.審理要請案件:散骨場計画報道への申立て
上記申立てについて審理入りを決定した。
対象となった番組は、静岡放送(SBS)が本年6月11日に放送したローカルニュース番組『イブアイしずおか・ニュース』。番組は、静岡県熱海市で民間業者が進める「散骨場」建設計画について、民間業者の社長が市役所に計画の修正案を提出したうえで記者会見する模様を取材し、社長の映像を使用して放送した。
この放送に対し社長は、記者会見は熱海記者会との間で個人名と顔の映像は露出しない条件で応じたとして、熱海記者会の幹事に抗議した。一方、静岡放送は同社長に電話して「会ってお詫びしたい」と伝えたが、社長は話し合いには応じられない姿勢を示した。
その後社長は6月17日、本件放送による人権侵害・肖像権侵害を訴え、「謝罪と誠意ある対応」を求める申立書を委員会に提出した。申立書はまた、顔出し映像の放送は担当記者による「故意だと思われる」と主張している。
これに対し静岡放送は8月20日に委員会に提出した「経緯と見解」書面で、同社長と熱海記者会との間に「顔と個人名の露出は避ける」という約束があったことを認めたうえで、「故意によるものではなく、担当者の不注意・失念によるもの。業者社長にはお詫びの申し上げようもありません」と述べている。
委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らし、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。
次回委員会より実質審理に入る。
2.『放送人権委員会 判断ガイド2014』について
この春から編集作業を進めてきた『放送人権委員会 判断ガイド2014』が刊行され、委員会で配られた。監修にあたった委員からは「使いやすさ、見やすさの観点から、構成や見出し、表現をいろいろ工夫した。各局で活用して欲しい」、「最近、BPOの決定を論評する論文なども見られ、研究者の資料としても使える」等の発言があった。
『判断ガイド』は各局に送付したほか、地方での意見交換会等でも活用し放送倫理の向上に役立てることにしている。(『判断ガイド』の内容、頒布については別掲を参照)
3.その他
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9月4日に札幌で開かれた意見交換会について事務局から報告するとともに、その模様を伝える地元局のニュース番組の同録DVDを視聴した。
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10月7日に名古屋で開催する地区別意見交換会(中部地区)について、事務局から議題、議事進行等概要を説明した。
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次回委員会は10月21日に開かれる。
以上