視聴者からのご意見

2014年4月に視聴者から寄せられた意見

2014年4月に視聴者から寄せられた意見

STAP細胞の研究者の記者会見があったが、真偽はともかく、現在のマスコミの取材状況が「メディアスクラム」ではないかなどの批判意見。消費税8%の事前報道が過熱し、いらぬ購買をあおった、などの意見。

2014年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,203件で、先月と比較して26件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話28%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性69%、女性28%、不明3%で、世代別では30歳代27%、40歳代27%、20歳代16%、50歳代17%、60歳以上9%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は528件【53局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

消費税が5%から8%に引き上げられたが、事前の煽るような報道のせいで、いらぬ出費をさせられたなどといった声が寄せられた。
STAP細胞について当事者たちの記者会見が開かれたが、マスコミの無責任な報道姿勢に対し、批判意見が多く寄せられた。
韓国の旅客船の海難事故の報道に対して、日本人の犠牲者がいないのに、なぜ長い時間を割いて報道するのかといった声が寄せられた。
ラジオに関する意見は38件、CMについては47件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は124件で、前月より10件増加した。
今月は、「性的表現に関する意見」が27件、次いで「暴力・殺人・残虐シーンに関する意見」が15件、「低俗・モラルに反する意見」と「言葉に関する意見」がそれぞれ10件と続いた。
「性的表現に関する意見」では、中高生向けのラジオ番組で、パーソナリティーがリスナーに性的な経験を聞いたことに対し、未成年に興味本位で聞くべきことではないとの意見が複数寄せられている。
「暴力・殺人・残虐シーンに関する意見」では、高校生が主人公の漫画を原作とした映画について、暴力シーンが過剰であり、不良少年を美化しているとの意見があった。なお、同映画については、青少年の喫煙を助長するとの意見も寄せられている。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 消費税が4月1日に8%になったばかりだが、あるタレントが他番組で「いいよ10%で」と発言したことから、来年は消費税が10%になる話になった。番組に同席していた出演者も10%になることを何だか肯定しているような雰囲気だった。生活に困っている我々は消費税の再度の値上げは阻止したい。庶民への配慮が感じられず、不愉快であった。

  • 消費税について様々なことが報道されているが、あまりの過熱報道のために、いらぬ出費をする人が大勢出た。食材やトイレットペーパーなど、以前の税率アップのときと大差のないような物まで買いあさる人もいた。消費税にかかわらず、食物が不作の時や異常気象などが起きると、必ずといって良い程マスコミは国民に不安を与えるような報道をするが、影響力を真摯に考えてほしい。

  • STAP細胞の報道がひどい。今日は本人の会見があったが、記者の上から目線の言葉遣いや涙を流したところで一斉にフラッシュをたくなど、見ていて吐き気がした。30歳前半の女性が一人で大勢の記者に囲まれ激しいフラッシュを浴びる。その上で上から目線や強い口調で言われて、どんなに心の負担になるだろうか。アナウンサーやテレビ出演者には嘘つき呼ばわりする人もいて、気分が悪い。視聴者から意見を募集しても、批判の意見しか読まないなど、平等ではない。

  • STAP細胞疑惑で現在、女性研究者が全マスコミの標的になっているが、マスク姿まで撮って、彼女を追い詰めることは如何なものなのだろうか。自殺のおそれもあるというのに、執拗に追いかけることは考えた方がいい。もともとマスコミがよく知らないで、大々的に報じ、そのせいで、渦中の人になってしまったのだ。虚偽・捏造があったのかどうか知らないが、いまの状況はまさに「メディアスクラム」ではないのだろうか。

  • 女性研究者の他者からの引用・盗作ということについて、中学校生の時に書いた読書感想文を「アニメの文から盗作した」などと決めつけたような報道があった。アニメの原作者のところまでいって「これは盗作ではないか」などと取材する。本題のSTAP論文の問題から大きく逸脱していて、女性研究者本人を中傷するネタを集めているようにしか思えなかった。

  • 韓国の客船事故が連日大きく報道されている。大変痛ましい出来事ではあるが、日本人が巻き込まれたわけでもない海外の事故である以上、ここまで時間を割く必要性があるとは思えない。海外のニュースならウクライナ情勢のような日本に影響するものを詳しく取り上げるべきだ。

  • 韓国の沈没した船のニュースを未だに取り上げている。番組の内容が野次馬根性的で不愉快だ。自国でこのような悲劇が起こらないためには、または、海外で事故に遭遇したときに自分の命をどのように守るか、そのことをテーマにしてほしい。興味本位や揚げ足取りではなく、悲劇を繰り返さないための教訓を学ぶ番組にしてほしい。事故が落ち着いてからの検証番組で十分だ。

  • 韓国で起きた旅客船沈没事件に関して、いまだ修学旅行生が数多く行方不明になっている。捜索によって見つかった修学旅行生の発見について「遺体が回収された」と報じたが、耳を疑った。「遺体が収容された」なら分かるが、人を「回収」などと聞いたのは初めてだ。事故そのものに対する悲しみと憤りが続く中で、「遺体を回収した」との伝え方が、更なる悲しみと憤りを生んだ。このような言葉の表現に問題を感じた。

  • 韓国船の沈没事故の報道では、船から見つかった水死体を男性キャスターが「ご遺体」と伝え、北海道のOL殺人事件の報道では、路上で発見された焼死体を女性キャスターが単に「遺体」と伝えた。「ご遺体」と「遺体」と、伝え方に差をつける理由は何なのか。

  • チリで起きた地震による津波の画像情報を流しているが、CMになると表示しない。注意警報を出すなら、スポンサーに配慮などせずにCM中も表記すべきではないか。また「10cmの津波」などといった表記が出ているが、私は津波を体験したことがないので、危険性を全く感じない。低い津波でも危険であるなら、それをきちんと伝えるべきではないか。

  • チリの大地震による津波注意報が発令され、日本地図のテロップを表示していたが、録画にとっては邪魔なものだ。データ放送を生かし、表示を消すことができる技術を取り入れてほしい。

  • 「国際司法裁判所が日本の調査捕鯨に中止命令」と判断したことを取り上げていた。この中で男性キャスターが「日本は(鯨を)年間何百頭も殺している」という発言をしていた。いくらなんでも「殺している」という言い方は不適切だ。情報番組の司会者として相応しい発言を心がけるべきだ。

  • 記者会見でのカメラのフラッシュなどで、映像が激しく点滅・変化することがある。NHKは画面を暗く処理して、きちんと対応ができているが、民放は各局とも一部の例外を除いて、相変わらずそのままの映像で、フラッシュ注意を促すテロップを出しているだけだ。画面を暗く処理することを義務付けるべきだ。

  • 四国遍路の巡礼者が利用する徳島県の休憩所に「大切な遍路道を守りましょう」と印字し、外国人排除を訴える紙が貼られていたという報道があった。四国八十八ケ所霊場会は「差別は許されない。ほかにも貼っているようであればやめさせたい」と話したとのこと。しかし、もともと韓国の人が、外国人が迷わないよう、矢印やイラストで道順を示すハングル語ステッカーを貼る活動をしたからで、貼り紙はこうした行為を中傷したためとみられる。無神経にハングルステッカーを貼りまくる行為も、問題ではないだろうか。是々非々の報道を期待したい。

  • 「憲法改正国民投票」また「憲法改正案」などの報道がされているが、この「改正」という言葉は、不適当なところや、不備な点を改めることであり、「改正」自体が正しいものであるとの印象を与えるものである。潜在的イメージを作り上げる「改正」という表現は避けるべきである。今回の国民投票は憲法を改正すべきか否かの判断が国民に委ねられている。それにもかかわらず、安易に「改正」という言葉を用いることは国民の判断を左右しかねないばかりか、マインドコントロールの危険性を孕んでいる。各報道機関は「改正」に代わって「変更」という言葉を使用するべきだ。言葉を慎重に選んでほしい。

  • 報道系の情報番組は現在、玉石混交状態だ。たとえば過激な発言を売りにする大阪の有名な番組は、出演者をはじめあまりに右翼的で、見るに堪えないし、そうかといえば先日のある番組では、メディアの使命として、政治の監視、視聴者に知らしめる役割、示唆する役割などをあげ、見ていて非常に役にたった。番組制作者にはこれからの日本のため、ぜひとも頑張ってほしい。

【番組全般・その他】

  • 過去に付き合っていた元彼がどのくらい危ないかを判定するという内容だった。女性タレントそれぞれがVTRに出演していた。過去の恋愛事情を持ち出してそれを公にさらして暴露する番組が多いが、これもまさにそうだった。タレントや芸人は芸を見せるのが本業だと思うが、最近は公に恥さらしするようなプライベートの切り売りが目立つ。業界内の暴露や個人のプライバシーを切り売りする放送は不快だ。

  • 「通勤途中の人に声をかけ、仕事場にお邪魔してよいか」という内容だった。通勤時間帯に会社に向かう方々に声掛け、場合によっては体をつかみ無理やりその場に引きとめていた。これから職場に向かう方々に対して失礼極まりない行為だし、その場でいきなり「仕事場におじゃましてよいか」とは、仕事を軽んじているような行動だと思う。私は専門職なので、この発言を聞いて、プロの仕事をナメているのではないかと思った。

  • 番組の放送時間の変更の理由が知りたいと思い、地元の系列局に問い合わせをした。しかし「編成上の問題ですから」と面倒くさそうに何度も繰り返すばかりで、何の回答にもなっていなかった。我々一般視聴者は"編成上"などと言われてもピンとこない。素人にもわかるように丁寧に説明してくれても良いのではないか。"売り言葉に買い言葉"で最終的には口論となってしまった。電話応対の仕方をもっと勉強するべきだ。

  • 最近のゴールデンタイムでは、別々の番組がひとつになる、いわゆる「合体スペシャル」がある。しかし、その多くが結局のところ、いつもの内容を別々でやっているので、単体の番組でもいいと思う。録画もしづらいし、本当に見たい番組が見られなくて迷惑だ。時間ごとに区切って、単体番組として放送してほしい。

  • 深夜のバラエティー番組で、美女と不細工な女性の対決をやっていたが、不快だった。バーでは、美女は可愛らしいカクテルを作ってもらっていたが、不細工な女性は見た目も悪く、名前も悪意のあるカクテルをバーテンダーが出していた。出演者は笑いながら見ていたが、容姿を笑いにするなんて、やっていいわけがない。最近のバラエティー番組の容姿差別は目に余る。

  • 番組のメイン出演者がホームレスと思われる人を指さして大笑いしていた。その人自身は、モザイクによって隠されていたが、話の内容からおそらくホームレスがゴミ箱か何かを漁っていたのだろう。高額の収入を得ている人間が、社会的弱者を見て大笑いしていたのだとすれば、これほどの偏見はない。

  • パネルボードを読みながら説明したり、新聞記事の部分を隠して剥がしながら読んでいく方法がある。隠すことによってその部分に興味を集中させたいのだろうが、隠す部分が多すぎてかえってわかりにくい。読みながら剥がしていくなら、隠さない方が理解しやすい。

  • ネット上の面白動画を紹介するテレビ番組だが、他人が作ったものを流すだけで、放送する理由がよく分からない。ただのハプニング映像で画質が悪い場合も多い。なぜ、工夫もなにもないインターネットで拾ってきただけの動画を見なければならないのか。

  • 最近のゴールデンタイムに放送されているバラエティー番組は芸人がツルんでバカ騒ぎしているだけの内容のないものが多いが、この番組は様々な物を作る職人に密着したり、我々が知っているようで、じつは意外に知られていない、外国で使われている日本にまつわる物などを取り上げており、大変良いと思った。どれも大変良いと思うが、特に気に入っている内容は、半年ほど前に放送されたものだ。外国からの取材班に密着するという特集は、外国人の視点で各地を回ることで、日本の良さを改めて再発見させてくれる。この特集はどうやら不定期の放送らしいが、是非とも続編の放送を期待したい。

  • 「霊園での花見の禁止はやりすぎ」という論調で取り上げていた。しかしおかしいのは霊園内で花見という名の飲酒・飲食の方ではないだろうか。しかも近距離には有名な花見の名所がある。このような見解とはあきれた。しかも安易に来年の宴会再開を強要するような締め方をしていた。ゆっくり永住の地で魂を休めている先人の眠る墓所で、飲酒飲食をしたいと考える浅はかさを責めるべきではないか。

  • 音信不通になった子を探してほしいと親が番組に依頼して、親子の再会を企画する内容だった。しかし、親と絶縁したことによって平穏を得られ、子が新しい人生を歩んでいることもある。決心した子にとって、親に自分を探されているということ自体が脅迫になる可能性もある。それほど、家庭内暴力の親が子に与える心理的破壊力は甚大であり、それについて親が反省の意を示したとしても時間は巻き戻せないし、恐怖は時間では癒せない。私自身は被虐待児ではないが、親の支配から必死に逃がれた人たちを知っている。彼らの平穏を破らないでほしい。

  • 3年前の流行というテーマの回で、東日本大震災を「懐かしく感じる」か、それとも「最近のこと」と感じるか、二者選択のアンケートを実地していた。これは公式ホームページで確認できる。凄惨だった震災を「懐かしく」感じるとはどういうことか。アンケート対象者である中高生が疑問に思わなかったことも不思議だが、それ以上に番組スタッフが、なぜこのような馬鹿げたことに気付かなかったのか不思議でならない。

【ラジオ】

  • 今日のテーマは「密かにあだ名を付けていた、あの人のお話し」だった。男性パーソナリティーが学生時代の話として、「同じクラスにいた女性の○○さんは"個性的な顔立ち"で、"ミックスピザのような顔"、サラミが目で・・、だから、本人に内緒のあだ名は『ピザ』だった」と実名を出していた。公共のラジオで個人名を出すことは問題ではないか。もしも本人が聞いていたら、自分のことであることに気付くだろうし、また、ネット時代なのだから、すぐに本人を探し出すことができる。

  • ヤンキーの話題から、女性パーソナリティー(シンガーソングライター)が「ヤンキーが好みで、A型かO型のヤンキーが良い」と、ヤンキーを持ち上げる発言と血液型差別とも受け取れる発言をした。放送終了間際までヤンキーの話題で引っ張り、ヤンキーを美化する発言が目立った。不快に感じる人もいるだろうし、影響力のあるパーソナリティーがヤンキーを持ち上げる発言をすることは如何なものか。

【CM】

  • CMで、若い男女がキスをする場面が昼夜構わず流されるのは不快だ。町中でカップルがキスをしていることも余り良いものではないが、テレビで次々と若いカップルがキスをすることを見せられて気持ちが悪い。やめてほしい。

  • ネットスラングの「w」を乱用してある文章が出てくるが、不愉快極まりない。しかも、若者言葉丸出しで鬱陶しい。気持ちが悪い。一刻も早く放送中止にしてほしい。

青少年に関する意見

【性的表現に関する意見】

  • 夕方に小学生の子どもとテレビを見ていたところ、新番組の"番組宣伝スポット"があり、出演者の性的な発言がテロップ付きで放送された。番組であれば、注意して見ないようにすることも可能だが、"番組宣伝スポット"はそうはいかない。子どもの目に触れる時間帯にふさわしい内容かどうか、精査してから放送すべきである。

  • 中高生向けのラジオ番組で、パーソナリティーが未成年者に対して、興味本位と思われる性的な質問をしていた。未成年者への質問としては不適切であり、不快である。

【飲酒・喫煙に関する意見】

  • 春休み期間の昼帯の生放送番組に、司会者が二日酔いだと公言したうえで出演し、反省する様子もなく、開き直りととらえられるような発言を繰り返していた。一般社会ではこのような状態で仕事をすることは許されない。子どもが見ている可能性があるにも関わらず、このような放送を行うのは無神経だ。

  • 高校生が主人公の映画で、不良学生が制服姿でタバコを吸うシーンがあった。未成年者がタバコを吸うきっかけになりかねないので、放送にあたっては配慮してほしい。

【言葉に関する意見】

  • バラエティー番組で、お笑いタレントの薄毛をテロップでからかうシーンがあった。人の容姿を"笑い"のネタにすべきではない。

【危険行為に関する意見】

  • 工場で完成した新幹線を車両基地まで輸送する作業を紹介するシーンで、車道で鉄道写真を撮っている人を取材・紹介していた。車道での撮影は交通事故の危険性が高い。子どもが真似しないよう、安全な場所で撮影をしている人だけを取材・紹介してほしい。

  • 子ども向けの番組で、ドライアイスを使用して飛翔能力を高めたペットボトルロケットを作成していた。ドライアイスの使用は危険を伴うので、子どもたちにも危険性が伝わるよう、もっと注意文言を分かりやすく表示すべきだ。

【暴力・殺人・残虐シーンに関する意見】

  • スクープ映像を紹介する番組で、死体などについてはモザイクがかけられていたものの、大量の血痕などの過激な映像はそのまま使用されていた。子どもが視聴する時間帯での放送であり、さらなる配慮を求めたい。