視聴者からのご意見

2012年3月に視聴者から寄せられた意見

2012年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から1年が経過し、各放送局が特別番組を報道したことへの反響、意見が多かった。CMでは女性アイドルグループが飴を口移しでリレーしていく製菓会社のCMに、「不衛生」だとの強い批判が多数あった。

2012年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,191件で、2月と比較して93件増加した。
意見のアクセス方法の割合はメール66%、電話30%、FAX2%、手紙ほか2%。性別は男性66%、女性29%、不明5%。年代は30歳代33%、40歳代20%、20歳代22%、50歳代12%、60歳以上8%、10歳代5%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は388件【31局】であった。

このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、31件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

3月の視聴者意見は1,191件と先月より93件増えた。
これにより2011年度の視聴者意見の総数は前年度より1,211件減少し、1万9,208件となった。
東日本大震災から1年が経過し、各放送局が特別番組を報道したことへの反響、意見が多かった。津波被害の映像など、被災者に過剰な心的負担を与えかねないとして映像の使用に注意が払われたが、それでも被災者からは「もう見たくない」という声が、少なからず寄せられた。取材対象地域も被害の大きかった一部地域にかぎられ、表面的なショーアップが不愉快だとの声や、被災地で苦労を重ねる人々の現状を、もっときめこまかに報道してほしいとの意見もあった。
番組制作上の安全管理の問題では、疑惑が指摘されたら、過去の番組でも調査しなおすべきだなど、放送局への不信の声も多かった。
ワイドショーなどで、女性タレントの引きこもりが話題となったが、本人や同居する”自称占い師”への取材のあり方をめぐって、「やりすぎ」「非常識」だとの批判が多かった。
放送上の問題では、春の改編特番が長時間すぎることや、肝心のところでCMになる「CMまたぎ」に対する反発が強かった。
CMでは女性アイドルグループが飴を口移しでリレーしていく製菓会社のCMに、「不衛生」だとの強い批判が多かった。
ラジオに関しては30件。CMに関する意見は190件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は196件で、前月より86件増加した。
今月は、CMに関する意見が116件、次いで低俗・モラルに反するとの意見が17件、表現・演出に関する意見が16件と続いた。
CMに関する意見が突出した数となったが、これはアイドルグループのメンバーがお菓子を口移しで渡すシーンへの嫌悪感を示す意見がほとんどであった。低俗・モラルに反する意見では、子どもが見る時間帯への配慮を求める意見が寄せられた。表現・演出に関する意見では、バラエティー番組の中で、座ろうとする人の椅子を引いて転ばせる場面について危険だとする意見が複数寄せられた。その他、津波映像の取り扱いに関する意見も複数寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 震災1年の特別番組が各局で放送された。有名人が被災地に出向いたり、バラエティー番組でも被災者に私物をあげたりしている。それらは放送局の自己満足であり、私はただの偽善行為だと思う。どの番組も被害が大きかったことで有名になってしまった市町村から中継する。限られた地域の方のみがイベントに参加でき、買い物もろくにできないような本当に支援の必要な山奥の小さな村や集落、身体の不自由な方、お年寄りの方々は参加すらできないし、見向きもされない。お笑い芸人が大挙して押し寄せイベントを行うくらいなら瓦礫撤去でもしたほうが多くの方々のためになるはずだ。
  • 各局とも終日震災特集を組んでいた。しかしどの番組も、震災の物凄さをあらためて強調することにこだわり過ぎている。津波によるショッキングな映像をまるでショーのように繰り返し流されるのは被災地住民として耐えられない。節目の日の放送なのに、「これからの展望」というもっとも大切な視点がなおざりになっていたことが残念だった。
  • 被災地での卒業式の模様を報道していた。子どもが無事に卒業した家庭なら嬉しいことだろうが、私のように妻や子供3人を津波にさらわれた者としては辛すぎる。そういう場面を自粛してほしい。何かというと直ぐ東北の震災地域を意識してか、その地域だけがピックアップされた報道が目立つ。被災地が他地域から差別化されたようにさえ感じる。
  • 震災をエンターテイメントとして扱っている。災害としてありのまま報道することは理解できるが、民放がしていることは芸能人を多数使い、泣いていたり、叫んでいたりする映像を垂れ流している。災害を警告するというより過剰に煽って、全局で自分のところが大きな災害に見えるだろうと競争しているように見える。番組宣伝を連発で流す必要もないのに、どの局も競うように惨い映像を使って宣伝している。モラルがない。
  • ドキュメンタリー、ニュースなどでも「震災1年」と題して、集中的に被災地のものものしい映像が目立つ。日本は地震国であり、大きな被害をもたらす災害が起こり得ること、また原子力発電の事故により甚大な被害が起こることを伝えきれなかったこと、津波の警報が適切でなかったこと等、報道のあり方が問われているのに、「震災1年だ」と興味本位のものものしい映像を流すことは倫理に反している。
  • 津波のショッキングな映像が放送された。私は被災者だが、もう見たくない。衝撃的な映像を使うことは、制作者の自己満足としか思えない。誰のための放送なのか。被災者の気持ちを考えたことがあるのか。
  • 芸能人や会社社長をしている人たちが、自宅や私物を見せている番組があるが、どれも高級品だし、靴やバックなどの小物類を数十個も持っている人もいる。その使っていない物や見せびらかしている品物を売って、被災地の支援にまわせないものかと不快に思う。被災地では今でも仮設住宅で暮らし、地方に移り住んだとしても、震災前の生活に経済的にも精神的にも戻れない人たちが居ることを、本当にわかっているのだろうか。
  • 「東日本大震災」から一年、ことあるごとに日赤を通じて義援金を送ってきたが、義援金が被災者に届かない報道が相次いだ。最近はその報道もなくなり、義援金がどうなったか気になる。特に有効に使われた情報を知りたい。お金の問題ではなく、気持ちが届いたかを具体的に知りたい。義援金を募った放送局には報告する義務があると思う。芸能人の洗脳騒動や幼稚なバラエティー番組はもうたくさん。義援金の使われ方の番組を放送すべきだ。
  • 震災について、被災地の妊婦が腕時計型の線量計をつけていることや、番組スタッフがチェルノブイリまで取材に行っていたことなど、私の知らなかった事実をたくさん放送していた。スタッフの「政治家なんかに任せてはおけない」という気持ちを感じ取れる、とても興味深い内容だった。
  • お笑いコンビ・オセロの中島知子さんについて、民放は連日報道している。いずれの報道も、カルトや洗脳の危険を煽り、おためごかしに粉飾しているが、全くの欺瞞だ。自宅に張り付いて出入りを監視し、昼夜を問わず実家に押しかけて居座っている。無関係の芸能人の葬儀の場にまで押しかけて、中島さんの件についてコメントを求めるなど、もはやメディアによる迷惑行為と人権蹂躙だ。カルトや洗脳の危険についての啓蒙は、まず民放のあらゆる番組が占いやオカルト、風水や手相、超能力や疑似科学などに関する情報の垂れ流しをやめることから始めるべきだ。

【番組全般・その他】

  • 芸人を並べただけのつまらない番組ばかりで、見たいものがない。あのような番組ばかりでは馬鹿になる。スポーツもろくに放送しないし、時代劇もついになくなった。そういう番組は有料放送で見なさいということらしい。しかしそう言われても、見たいチャンネルを選んでいちいち契約するのは、私のような年齢の者には大変面倒くさい。せっかく地上波があるのだから、そちらの内容を充実させ、無料でいろいろな種類の番組を楽しめるようにしてほしい。
  • 最近、オネエといわれるタレントが男性タレントに抱きつきキスをねだる行為が、バラエティー番組でよく見受けられる。小学生が見るような時間帯にも多く見られ、保護者としてはとても不快だ。セクシャルは多種多様だし、犯罪でない限り尊重されるべきだが、男性タレントが女性タレントにしたら、訴えられるようなことを、笑えるからという理由で公共の電波で放送するべきではない。
  • 改編期のスペシャル番組を見たが、「CMまたぎ」はもちろんのこと、各編を1部ずつ完了させず、別のエピソードでつなぎ、また本編に戻るという込み入った手法で構成していた。内容を引っ張り、視聴率を稼ごうという狙いだろうが、視聴者は不自然な演出に翻弄され、番組を楽しむ余裕もなくただ疲れた。通常の1時間番組であればまだしも、4時間半にわたる放送だったので、うんざりした。
  • 「続きはCMの後で」という、いわゆる「CMまたぎの手法」が増えているが、見ていてイライラする。制作者は、視聴者の思いをどこまで理解しているのだろうか。視聴率だけが目的の番組作りは、放送局の傲慢以外の何ものでもない。視聴者目線に立って”番組作りそのもの”について考え直してもらいたい。
  • 妻がBSの通販番組を見て「包丁セット」を購入した。「すごく良く切れる」「素人でもプロ並みの切れ味」等の謳い文句で、出演者が大げさに紹介していた。しかし手元に届いた商品はあまりにお粗末で、とても使えるような代物ではなかったので消費者センターに訴えた。この番組に限らず、通販番組での”誇大な謳い文句”や大袈裟なリアクションは迷惑だ。通販番組として放送する以上、テレビ局にも責任はある。
  • 最近の番組で疑問と不快に思うことは、アナウンサーやキャスターの「原稿読みの間違いの多さ」と「原稿の見すぎ」だ。たとえば、商品の名前、価格や人物名の読み違いと文字違い。最近のアナウンサー・キャスターは原稿読みの教育や事前読みなどしていないのか。謝罪しておしまいでは、「プロ意識」がなさ過ぎる。報道・情報の「信頼性」がなくなる。今一度「アナウンサー」としての職業意識を持って伝えてほしい。

【CM】

  • アイドルの宣伝にしか見えず何を伝えたいのかわからないCMや、うるさいだけのCM、内容をかいつまんだ番組のCMが多くてうんざりしている。気持ちよく印象に残るCMが少ない。CMを見て、逆に商品の購買意欲が薄れたりする。
  • AKB48が口移しでキスをしてお菓子を食べる「ぷっちょ」のCM。こんな品位の欠けるCMはやめてほしい。食べ物を口移しでリレーすることは不衛生だし、気持ちが悪い。オタクだかファンだかを喜ばせるようなことがしたいのか不明だが、このグループはPVで10代の女の子を含む子が下着になって抱き合ったり、「私と赤ちゃん作らない?」というCMをしたり、非常に不快である。CMをいちいち情報番組で取り上げるので、見たくなくてもくだらない情報が入ってくる。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 夫婦の性生活(セックスレス)などについてのテーマが挙げられていた。この時間帯は家族や子どもが見るのに、いかがわしい内容の番組を放送することはどうだろうか。私はその時、両親と一緒にみていたがとても気まずく感じた。さらに、セックスレス解消のためといった対策なども紹介までされていた。もう少し配慮をしてほしい。
  • バラエティー番組に子役を出し過ぎだ。場違いな番組に、多数出演している。最初はかわいいと思ったが、これだけ見せられるとうんざりする。子役にはドラマの中で、子どもらしさを表現させるべきだ。
  • 大人と子どもが意見を言うという内容のラジオ番組に、23時から14歳の少女が生電話で出演していたが、これはおかしくないのか。23時に14歳の子どもが起きていることに違和感がある。
  • 新人俳優賞の表彰式に5歳の子役を出演させインタビューをしていた。あきらかに労働基準法違反ではないか。「生放送」として21時からスタートしているので、5歳の子は21時過ぎに出演していることになる。もし録画ならば「生放送」と記していることは嘘である。いずれにしても、問題ではないのか。

【表現・演出に関する意見】

  • 東日本大震災1周年を前にして、BPOの青少年委員会からも津波映像の取り扱いについての要請が行われ、放送では画像が出る前に注釈やコメントがあり良かったと思う。ただ、中には有名人が歓迎されている画像等を多く使い、番組や出演者を自画自賛しているような番組もあった。また、津波被害の大きかった所や福島県内の特定の場所しかクローズアップされていなかったように思う。
  • アイドルグループが、座ろうとしている人の椅子を引いて転ばせるというドッキリをしていた。テロップで「真似しないでください」と但し書きはしていたが、児童や考えの浅い人々がマネをした場合、損傷がひどいと腰椎損傷により下半身不随などの重大な後遺症を伴う。その場が面白ければいいという考えではなく、笑えるドッキリを企画していただきたい。

【性的表現に関する意見】

  • 出演者が「大人のおもちゃ」を買ってきて、使用方法まで説明していた。子どもから「これは何?」と聞かれて返事に困った。夕方5時に放送する内容ではない。生放送をいいことにやりたい放題だ。

【要望・提案】

  • 私は仙台市に住んでいる。3月2日付で「子どもへの影響を配慮した震災報道についての要望」がBPOから出されたにもかかわらず、震災1周年関連番組のスポットとして、津波が押し寄せてくる映像が繰り返し流されている。番組は自分の意思で見る、見ないが選択できるが、スポットは突然予告なく出てくるので、いやでも津波映像を見てしまう。被災者の心情を理解せず、津波の映像を垂れ流すこれらの放送局に、津波映像を使用したスポットを即時に中止するよう再度要請していただきたい。

【差別・偏見に関する意見】

  • 「授業参観に来てほしくない人」をランキング形式で紹介していた。候補である芸能人数名の写真を小学生に見せて投票させていたが、人を外見で判断することは人権の侵害になる。子どもにこんなことをさせるべきではない。

【殺人シーンに関する意見】

  • 「猟奇的な殺人事件」などを扱うドラマが午後3時台から再放送されているが、この時間帯は学校から帰って来た子ども達が、偶然見てしまう可能性もある。この時間帯の再放送はやめてもらいたい。

【いじめに関する意見】

  • 男子グループがクラスメイトの男の子に盗みを強要し、それに失敗すると学校の屋上で制服のズボンと下着を脱がして携帯カメラで股下を撮影し、次盗んでこなかったら画像を流出させるという、性的いじめが放送されていた。これは、ふざけ遊びのレベルではなく「犯罪」だ。正直見ていて気分が悪くなった。「命」をテーマにしていたそうだが、模倣した犯行が起きたらどうするつもりなのか。

【人権に関する意見】

  • 芸人が知人宅を訪問してお風呂を借りるロケ番組だった。芸人数名が満員状態で風呂に入るシーンがあり、直後「このあと、あの人が珍入」というナレーションとテロップが出てきて、その家庭の11歳、6歳、4歳の三兄弟が登場した。お風呂場面とはいえ子どもを素っ裸で参加させ、全裸の状態を撮影することは児童ポルノに相当するのではないか。長男は恥ずかしがっていたように見えた。満員状態の風呂へ子どもが自主的に裸になって参加したとは思えない。明るく照らされた取材現場で素っ裸の状態をカメラに収めることは子どもの心を傷付ける。今回は子どものお尻の部分は修正なしで映り、股間は象のマークで修正されていた。このような修正は不十分だ。「珍入」というテロップは、男性器を強調しているようでセクハラ的で大変不快。登場する子どもが人権侵害を受けるような番組であってはならない。

【CMに関する意見】

  • アイドルグループがお菓子を口移ししていくCMは、子どもが真似をしそうだ。口腔内細菌も怖いし、同性愛を助長するようにも思える。子ども向けのお菓子のCMなのに、いかがなものか。子どもの視点だと食べ物で遊んでいるとも取れる。とにかく汚いのでやめてもらいたい。
  • お菓子が主体というより、アイドル同士の「口移し」場面を強調しているようにも感じ取れ、CM自体に意味が無いようにも思われる。CMやテレビ番組は、子どもたちや社会に大きな影響力がある。教育上好ましくないので、このCMを直ちに放送中止にするべきだ。
  • アニメを2歳の子どもと見ていたら、女の子同士が口移しでお菓子をリレーするというCMが流れ、とても不愉快な気分になった。子どもも、何のためにこの女の子たちはキスをするのかと気持ち悪がり、親としても説明に困ってしまった。せめて子どもの目に触れぬよう、アニメの合間に流すことだけでもやめてもらいたい。
  • アイドルの女の子同士がお菓子を口移しするCMを見て、保育園児の子どもが、お菓子の代わりに消しゴムをくわえてキスをする真似をしたが、間違えて飲み込まないかと心配した。
  • パチンコのCMをなぜ流せるのか。競馬や競輪、競艇などの公営ギャンブルとは別物で、パチンコは違法な営業をしているところだ。違法でも収益が多いからCMを流せるのか。不快だ。18禁でもある。なぜそのテロップも入らないのか理解できない。子どもが見ている時間帯に流れていることが多いし、教育上良くない。人間を駄目にする団体のCMはやめてほしい。
  • 女優が階段の手すりを勢いよく滑るCMは危険だ。滑り台のように簡単に滑れるものなのかと、子どもが真似をする危険性がある。すぐに放送を中止すべきだ。