視聴者からのご意見

2012年2月に視聴者から寄せられた意見

2012年2月に視聴者から寄せられた意見

番組の収録中に若手お笑い芸人が事故で大怪我をしたことについて、番組制作体制や、テレビ局の安全管理の意識のなさを批判する意見が多かった。出演している犬が声帯除去手術を受けていたことで、動物愛護の精神に反しているとの声もあった。

2012年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,093件で、1月と比較して250件減少した。
意見のアクセス方法の割合はメール68%、電話27%、FAX2%、手紙ほか3%。性別は男性72%、女性23%、不明5%。年代は30歳代33%、40歳代25%、20歳代16%、50歳代14%、60歳以上7%、10歳代5%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は387件【35局】であった。

このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

2月の視聴者意見は1,093件と先月より250件減り、今年度でもっとも少ない意見数だった。
報道関連やドラマなどへの意見は先月より減り、バラエティー番組への意見が目立った。
番組の収録中に若手お笑い芸人が事故で大怪我をしたことについて、番組制作体制や、テレビ局の安全管理の意識のなさを批判する意見が多かった。出演している犬が声帯除去手術を受けていたことで、動物愛護の精神に反しているとの声もあった。大家族の日常を追った他局の番組をパロディー化したバラエティー番組に対しては、「皮肉や嘲り」は、笑えない。制作者の驕りを感じるといった厳しい批判意見があった。
放送上の問題では、CMの音量、スタジオ出演者のワイプの無意味さなどに意見が多かった。
ラジオに関しては、深夜放送に限らずパーソナリティーの発言が少し性的に過激すぎるのではなどの意見があり、全部で25件。CMに関する意見は31件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は110件で、前月より80件ほど減少した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が35件、次いでCMに関する意見が20件、視聴者意見への反論・同意が10件と続いた。
低俗・モラルに反するとの意見については、主にバラエティー番組に対し「子どもに悪影響を与える」「子どもが見る時間帯に不適切だ」などの批判意見が寄せられた。CMに関する意見については、オンラインゲームのCMでの表現に対し「子どもがまねをする恐れがあり危険だ」などの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • NHK松山放送局が、誤報テロップを流した。ニュース「おはようえひめ」の中で、「窃盗の疑い、愛媛大学教授を逮捕」と誤った字幕を流した。同番組内と正午のニュースの最後に、アナウンサーが「全く架空の内容で、字幕のような事実はありません。おわびします」などと謝罪した。放送中の操作ミスで、テスト用に作っていた字幕の一つが流れたという。放送界は「ぴーかんテレビ」の反省はないのか。「セシウムさん」は、作らなければ済んだこと。NHKも架空の大学名にしておけばよかったことだと思う。
  • 報道等におけるミスには、毎回残念な思いを抱く。テレビを見ていると、毎日のように人名テロップや写真等で誤りがあり、後にそれを訂正しお詫びをするということを見かける。こういった初歩的なミスは、放送前に確認すれば防げることだ。こういった小さなミスでも、それが日常的に繰り返されていることは問題だ。訂正すればよいとか、これが当たり前といったような悪い習慣にならないよう、最終確認を行ってほしい。より良い番組作り、情報発信につながることを願う。
  • 被災地のガレキ処理が進まないのは、他の地方自治体が協力する姿勢がないからだと報道していた。しかしこの問題は、原発事故による放射性物質がガレキに含まれているか、含まれていないかを調査した資料を政府が隠蔽せずに国民に公表して、誰もが本心から安心できるようにすればいいことではないか。
  • 田中防衛相に対する質問を、「まるでクイズだ」と批判している番組が多い。自公政権時代には当時の首相を、漢字が読めないと批判していた。防衛に関する事を聞いて、クイズをしているとマスコミが批判することには違和感がある。批判するなら、漢字テストの時の報道を再度放送してマスコミが謝罪してからにしてほしい。この問題でわかるように、報道に主観が入りすぎて偏向報道が多い。マスコミは政治を批判する前に自己批判しないといけない。
  • 光市母子殺害事件で、元少年の死刑が確定した。この判決を受けて、放送局は一斉に「死刑判決が出たことで、更正の機会がなくなった」として、元少年の実名を報道した。「死刑だから、更正の必要がないから」と、少年法の理念を無視して実名報道してもいいのだろうか。違和感が残った。報道する側の理屈はよくわからないが、最後まで匿名にすべきではなかったか。
  • 女性芸能人が霊能者と称する人物に洗脳されているとする報道について、ゲストが霊能者をペテン師呼ばわりして批判しておきながら、自分達は風水師にコメントを求めた挙句に「この鏡を外に出すことはおかしい」などと、風水師の発言を当然の前提として解説している。もはや漫画だ。風水師のご託宣をありがたがって番組で扱うメディアが、霊能者を批判する資格があるのか。五十歩百歩ではないか。さらには、運び出されたソファについて家具屋まで引っ張り出して解説していたが、家具がいくらしたかなど大きなお世話だ。間取りまでフリップで解説していたが、ここまで芸能人のプライバシーを公開することにどんな意味があるのだろうか。
  • 私は生活保護を受けている。報道で生活保護を取り上げる場合、「不正受給」や受給者の「怠慢」ばかりを指摘し、就労者の一方的な目線で受給者を批判している。障害を抱えて働けない受給者も多く、好んで生活保護を受けているわけではない。高齢者と同じように生活保護受給者も弱者です。正確に公平に報道してください。

【番組全般・その他】

  • 番組収録中に、お笑い芸人が腰の骨を折る大けがを負った。この放送局のバラエティー番組は事故が多い。しかも、事故や怪我をするのはいつも若手芸人。この先一生、車椅子生活だと思うと、若手芸人に対しての補償はどうなっているのか気になる。番組制作責任者の安全管理意識はどうなっているのか。番組司会の大物芸人の責任はどうなのか。結局、いつものように若手芸人の泣き寝入りで終わるのか。そのうち死人が出るだろう。
  • 出演している犬が声帯除去手術を受けていたそうだ。飼い主の自由ではあるが、去勢手術と違い犬にとって何のメリットもない。このような手術は動物虐待と紙一重だ。もし、テレビ局が強制したとすれば問題だ。仮に強制しなかったとしても、番組に都合が良いからという理由で声帯を除去している犬を選んだという事実に変わりはない。本来であれば吠えることのないようにしっかり躾された犬を起用すべきだった。人間の都合や欲望の為に体の一部を切り取られた犬を起用することは、倫理観の欠如であり、公共性の高いテレビという点から考えてもおかしい。
  • 生きたブリをビニールプールに放し、芸人たちが素手で捕まえて、3秒間キスできたら商品をGETという内容だった。魚を抱きかかえたり、尻尾を持ってわざとこけてみたりと、魚が弱ってしまう行為を延々と2ゲーム続けた結果、2ゲーム目には白い腹を見せ、死んで動かないブリもいた。見ていて腹が立った。食べるために絞めるときは一瞬のうちに急所を突くのだが、あの内容は逆に人間を海の中に放り込むのと同じぐらいブリに苦痛を与えたと思う。
  • 他局の大家族番組をパロディー化し、「夫婦喧嘩の解決は男女関係」「2階の窓から突き落とす」「最後にはお金を貰うストーリー」まで、誇張した番組には悪意が感じられた。家族が必死で生きようとする努力を、バラエティーだからといって茶化すのは許されることではない。今後あの家族はどうなるのか。世間の笑いの材料にされる子ども達の立場はどうなるのか。台詞の引用・家族構成・色紙の文字・服の文字・背中にビッグダディーの文字。個人をピンポイントで特定できる内容。明らかに人権侵害・名誉毀損だ。番組制作者はなにか勘違いしているのではないか。何かを表現しようというものが、弱いものいじめをしてどうする。
  • 震災から1年が経とうとしているのに、まだ現地は大変な状態だと新聞などを見て感じる。それなのにテレビは、高級で美味しいものを食べる、芸能人の裕福な姿を見る、など無駄遣い的な番組を垂れ流している。違和感を覚える。同じ日本にいながら、福島をはじめ震災のあった地域が「外国」なみの遠さに感じる。テレビや新聞に期待したい部分もあるのだが。
  • 番組終盤で紹介したメニューを「詳細は番組の最後に紹介します」というアナウンスでCMになり、CM終了後「最後のメニューの詳細はホームページで」というような流れで番組は終了した。ホームページへ誘導したいことは分かるが、「紹介します」とアナウンスした以上は、テレビで紹介すべきではないか。このような作り方はCMを見せたいだけの詐欺的行為だ。こういった手法は倫理的に問題とならないのか
  • スタジオの芸人の顔を画面隅に表示する「ワイプ」は、散々いらないと言われているのに、なぜテレビ局は表示をやめないのか。「ワイプは興ざめする」とわかっていてなぜ表示するのだろうか。「みんなテレビを見なくなった」などと馬鹿なことを言う前に、このような視聴者を興ざめさせるようなことをやめるべきだ。

【ラジオ】

  • 歯のホワイトニングに関するラジオショッピングをよく聴く。「販売している商品で歯についたヤニが取れて云々~」という内容があるが、歯のホワイトニングとは、生まれつき色が黄ばんでいたりする場合に歯の色を白く変えることだ。汚れを取るものではない。それならば歯科医院で歯石を取ったりすればきれいになる。それをあたかも歯科医院でやったら何万円もかかると堂々と言っていることには開いた口がふさがらない。
  • 放送中に「キンタマ」発言が数回あった。パーソナリティーの女性も連呼していた。公共の電波でつかう言葉ではない。二度と言わないでいただきたい。他にも「セックスは気持ちいい」との発言があり、昼間の番組で連呼するとは恐れいった。
  • パーソナリティーが「オナニー」と発言した。不適切だ。また、女の子を育てるゲームソフトについて「女の子にいやらしい言葉を教えておくと、とんでもない時にとんでもないことを言い出す」と笑っていた。いい年をしていやらしい。お爺さんが何を口走っているのだ。これでは単なる”エロオヤジ”ではないか。中学生ではないのだから、欲望のままに口を開くな。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • 突拍子もない行動をする兄弟を怖いもの知らずとして笑いを取る内容のバラエティーだが、きちんとしつけがされず、責任も知らず、好き勝手し放題な子どもを肯定しているようにしか思えない。親は何をしているのか。同じ年代の子どもも見るだろう時間帯に放送されているが、真似したりするとどうなるのか。放送局は考慮しなくてはいけないと思う。
  • 最近色々な番組で子役をもてはやしすぎる。しかもバラエティー番組等では、一緒に子役が出ているにもかかわらず芸人達が平然と下ネタを連発している。子役とて子どもであることに変わりはない。その場の状況に相応しい番組作りをするようBPOで指導するべきだ。
  • バラエティー番組でゲームコーナー終了後、出演者が物を乱暴に投げつけていた。一緒に見ていた子どもは驚き30分泣き続けていた。夕飯時の楽しい時間のはずが台無しになった。子どもを持つ親として、教育上よくないことだと思った。

【性的表現に関する意見】

  • 深夜に放送されているアニメで、偶然見ていたところ不謹慎極まりない性的な描写が繰り返し放送され、とても驚いた。誰でも見られる地上波でこのようなシーンを放送していいのか。とても気分が悪くなった。深夜に表現が過激な番組が多く放送されていることは知っていたが、こんな過激なシーンを許しているのか。放送局は倫理観やモラルに欠けている。
  • いつも家族で楽しく見ているバラエティー番組だが、昨夜の放送はとても家族で見ていられるものではなかった。外国人女性のほとんど裸体のような姿や下半身のアップは子どもと見られない。放送時間は丁度夕食時でもあるので、以前のような日本の良さを紹介していくような内容に戻ることを望んでいる。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組で、ベテラン芸人が若手芸人に熱い液体をかけ、そのリアクションを笑う場面が数回あった。子どもの世界に置き換えるといじめにつながりかねない。こういう行動を子どもが真似し、それを「おもしろいからいい」と思うようになると残念だ。人を傷つけてそのリアクションを楽しむことは、子どもの教育上よくない。芸人が本当の笑いを求めるなら、誰も傷つけずに心から笑える笑いを伝えてほしい。

【危険行為に関する意見】

  • 子どもに人気の朝のアニメを小学生の娘と見た。番組冒頭、主人公の女の子が見通しの悪い曲がり角を走って飛び出すというシーンがあった。いつも子どもに道路上では突然飛び出したりしないよう教えている身としては、ハッとするシーンだった。特に小さい子どもは番組内容に影響を受けやすいので、このようなシーンは好ましくない。
  • 屋外で昆虫を探すコーナーで、出演者の帽子に虫メガネで陽の光をあて、焦がすという悪ふざけをしていた。被害者が虫メガネの方を見上げた時に、顔にも光の焦点が一瞬あたっていた。これは悪ふざけで済む問題ではない。もし目に焦点が合ったら、失明する危険な行為だ。子ども番組だからこそ、放送してはいけない場面だ。

【報道に関する意見】

  • 女児の死体遺棄事件のニュースは子どもには見せたくない。我が家には6歳の子どもがいるが、ワイドショーやニュースで「母親が子どもを殺した」と怖がっている。この事件をセンセーショナルに取り上げることは子どもに悪影響だ。事実だけを静かに報道してほしい。

【非科学的な事柄に関する意見】

  • 動物と話せるという外国人が出演しているバラエティー番組。あらゆる動物との会話を放送しているが、いったい何を根拠に真実として放送しているのか。週末のゴールデンタイムということもあり子どもが見ている。小さい子は疑いもなく信じてしまうなど、教育上も問題である。

【虐待に関する意見】

  • 小学生の子役に対し、「消えてほしい」などと批判する内容のランキングが放送された。子どもに対し暴言を吐くことは、大人に対し同様の暴言を吐くことと比べ、はるかに大きな悪影響を及ぼしかねない。このような内容を放送することは公然の児童虐待ではないか。

【言葉に関する意見】

  • 最近、バラエティーやドラマで、良い意味で使う言葉の頭に「くそ」を使うことが多い。聞くに堪えない。本来「くそ」は悪い意味で用いられるものだ。若者の誤った言葉遣いを正すことができるような番組作りを放送局はするべきではないのか。

【視聴者意見への反論・同意】

  • ここ最近の視聴者意見を見ると、番組に少しでも過激なシーンがあると「子どもに有害」とする短絡的な批判が多い。しかし、番組の評価は全体を通しての内容や作り手の意図も考えて行うべきだ。子どもも番組の一部のみに注目しているわけではないはずだ。番組構成上、過激なシーンが必要な場合もあるし、そうしたシーンがあっても、全体を通して命や友情の大切さなどを伝えてくれる番組はある。一部を切り取っての批判は不適切だ。

【CMに関する意見】

  • パチンコのCMが多すぎる。子どもが必要以上に興味を持ち、教育によくない。深夜帯を中心にする、もしくは回数を減らす等の考慮をしていただきたい。
  • 携帯ゲームのCMで、モンスターを電子レンジに入れる内容は不適切だ。小さな子どもが真似をして、子犬やハムスターを電子レンジに入れそうで恐ろしい。