青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第125回

第125回 – 2011年9月

視聴者意見について

中高生モニターについて …など

第125回青少年委員会は9月27日に開催され、7月16日から9月13日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、長時間番組の中の未明から早朝にかけて放送されたコーナーについて視聴し審議した。また、9月に寄せられた中高生モニター報告及び10月のテーマ等について審議したほか、今年度に取りまとめて公表する予定の調査・研究についての報告が行われた。

議事の詳細

日時
2011年 9月27日(火) 午後4時30分~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

フジテレビ『FNS27時間テレビ』(7月23日~24日放送)
27時間テレビ中、24日未明から早朝にかけて放送された、女性の下半身にハケ状の物を回転させるいわゆる”ハケ水車”企画について、視聴者から「卑猥な描写や言動で夏休み中の子どもには見せられない内容」等の意見が寄せられ、番組を視聴の上審議した。

【委員の主な意見】

  • 『27時間テレビ』はフジ系列のステーションイメージを高めるブランド力のある番組であったはず。特に今年は被災地復興をテーマに掲げていたはずなのに、こういう企画が放送されることは理解に苦しむ。
  • テレビの現状は、3月11日の大災害を経験するとともに、地デジ化開始当日を迎え、今後どういう方向に進むのかという事が問われている時。制作者はどういう認識でこの企画を制作、放送したのだろうか。
  • かつて、テレビの深夜枠の性的表現について国会で議論され規制の声があがり、番組自粛の動きがあった。このような放送がそういう窮屈な状況をまねく恐れがあることを危惧する。
  • 視聴者は早朝の時間帯にこういう放送を流すことに強い憤りを持っている。夏休みで青少年が見ている可能性が高いという倫理的問題等を自覚しているのか問いたい。
  • 一般的に番組が男性の大人の目線で作られていて、制作者に女性や子どもの視点が欠けていることから、今回のような番組が制作されることになる。
  • かなり昔には深夜帯では裸を出したりするもっとどぎつい番組がたくさん放送されていた。それに比べると、裸でもなく水着でもなく、顔も隠していて配慮しているようにも見えるが、それが逆に覚悟なしでやっているようなすっきりしない印象を受ける。
  • 女性から見たら不快だろうと思うが、中身的にはぜんぜんリアリティーはなく、笑える部分もある。何をもって問題とするかは難しい。

以上の審議の結果、委員会としては番組の制作プロセスや企画意図等について、次回委員会で制作担当者等当該局からの説明を受け、引き続き審議を行うこととした。

中高生モニターについて

9月のテーマは、報道・情報・ドキュメンタリー番組の中から「いつも見ている好きな番組」について、どんな情報に関心が高いのか、どんな内容や構成に好感を抱いているのか、また、司会者やキャスターのどんなところに魅力を感じるかなど意見を求め、29人から報告が届いた。
まず朝のニュース・情報番組については12人から9番組について意見が寄せられた。複数回答があった番組は『めざましテレビ』(フジテレビ)が3人、『ZIP!』(日本テレビ)が2人で、学校へ出かける前の朝の忙しい時間帯に「テンポよく」「手短にニュース」を知ることができると同時に、エンターテインメント的な要素を含んだ番組が好まれていた。

  • 「私は家から学校が遠いのでゆっくり見られるわけではないのですが、『めざましテレビ』は、政治、芸能、スポーツと幅広いジャンルの最新情報をしっかり伝えてくれるので、とても役に立ちます。そしてメインキャスターの大塚さんをはじめ、皆さんがとても仲が良さそうなのが伝わってきます。ほかにも、『ココ調』というコーナーでは、今どきの若者のことだとか、どうでもいいようなことを調べていて朝から笑ってしまいます。」(高校2年・女子)
  • 「私が好きな番組は、『ZIP!』です。『ズームイン!!朝!』から毎朝、どんなに忙しくても10分は見るようにしています。報道番組はメインの司会者が気に入るかどうかで見ていました。新しい試みとして曜日ごとにメインの司会者が変わる、という点があります。最初のうちは慣れない生放送で、大丈夫なの?という風に感じましたが、徐々に慣れていって上手く噛み合うようになってきた今では、バラエティー番組に近い感覚で見ることができます。」(高校2年・男子)
  • 「最初は親が『NHKニュースおはよう日本』を見ているので私もなんとなく見ていたのですが、最近では毎朝これを見ないと一日が引き締まりません。この番組のいいところは、1つ1つのニュースが簡潔にまとめられていて、短時間で核心が伝わってくるのです。私は毎朝忙しいので30分ぐらいしか見ることができないのですが、それだけでもしっかり時代について行けます。」(高校1年・女子)

そのほか意見が寄せられた番組は、『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ)、『みのもんたのサタデーずばッと』『サンデージャポン』(TBS)、『やじうまワイド!』(テレビ朝日)、『あさイチ』(NHK)『知りたがり!』(フジテレビ)。
次に、夕方から夜の報道番組には12人から9番組について報告が寄せられた。複数回答のあった番組は『報道ステーション』(テレビ朝日)が6人、『情報7daysニュースキャスター』(TBS)が2人だった。リポートからは、その日一日(もしくは一週間)に起きたたくさんのニュースを的確に伝えてくれると同時に、キャスターたちが硬軟おりまぜた明確なメッセージを伝えてくれる番組が好んで視聴されている傾向がうかがえた。

  • 「僕がいつも見ている番組は『報道ステーション』です。まず、古舘さんはひとつひとつのニュースに力・熱を入れて視聴者の方々に伝えているのが分かります。大震災の特集では、古舘さんが宮城の気仙沼市に行って現場から中継していて、その中で最も印象に残った言葉は『テレビで見るよりも実際に見る方がもっと被害が大きい』と伝えていて、テレビでは隅々までは伝えられないけど、古舘さんの言葉でホントに被害が大きいというのが伝わってきました。」(中学3年・男子)
  • 「私がこの番組が好きなのは、今国民が最も関心のある事柄を真っ先に取り上げ、それに対して真っ向から向かい合っているところです。国民が今何を望んでいるか、何を知りたいのか、政治、経済、教育、文化、スポーツ、芸能等どの分野も網羅して報道してくれるので、いつも満足して見ています。また、反対に歴史の狭間で忘れ去られた事も、敢えて時間をかけて取材し、埋もれていたことを知らせてくれます。さらに、父から聞きましたが、古舘さんが全盛期の頃のプロレス番組を担当されていたとか。実況中継をされていたことがあるだけに、歯切れが良く、知りたいことをズバリと言える能力を身につけておられ、安心して見ていることができます。」(高校2年・女子)
  • 「私が『情報7daysニュースキャスター』を好んでいる理由として、”バラエティー要素を含んでいる”ことがあげられる。ビートたけしがボケ、隣にいる安住アナがぴしゃりと締めるツッコミは、場面転換においてとても切り替えの良いものとなっており、”笑わせすぎない”ところが魅力的な番組だ。ビートたけしの発言が不謹慎で、クレームがくるのではないかと思う場面もあり、笑いが”過度”な部分もあるが、私たちやそれ以上の年齢の方たちにとっては十分面白い。子どもたちはもっと社会を知るべきだ。早すぎるということはない。自分の周りしか知らない彼らに、まだ見たことのない世界を見せること。それがテレビの役目であり、”社会を知る”大人へと育て上げる”教育者”でもあるのだ。」(高校2年・男子)

そのほか意見の寄せられた番組は、『クローズアップ現代』(NHK)、『NEWSZERO』『Going! Sports & News』(日本テレビ)、『スーパーJチャンネル』『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』(テレビ朝日)、『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)。
ドキュメンタリー番組には6人から5番組について意見が寄せられた。リポートの傾向は、さまざまな人物や事象に”密着”して真実に迫ろうとしている番組に強い関心が持たれていて、複数の意見が寄せられた番組は『情熱大陸』(毎日放送)だった。

  • 「私が今回見た『情熱大陸』は、発生から半年がたった東日本大震災について取り上げ、被災地の宮城県石巻市にある石巻日日新聞に密着取材していました。震災当日、津波によって浸水、漏電し機械類などすべてSTOPしてしまったので、もちろん印刷することなどできませんでした。しかし翌日から『壁新聞』を書き始めたのです。私はそのことに対して、驚きと尊敬を同時に感じました。家族の安否も分からないなか、情報を伝えるためにいろんな場所を取材する。それも翌日からです。本当にすごいなと思いました。石巻日日新聞社の方たちや被災者の方たちの生の声がとても多く、震災に直接は関係なかった私でも、とても考えさせられるものがありました。」(中学2年・女子)

そのほか意見の寄せられた番組は、『ダーウィンが来た!』『BS世界のドキュメンタリー』(NHK)、『カンブリア宮殿』(テレビ東京)、各局で放送される『警察24時』だった。

【委員の主な所感】

  • 時代のすう勢か、エンターテインメント系のニュース・報道番組がよく見られているのが今回の特徴で、もっと掘り下げた報道を求める声が少ない印象だった。
  • 報道番組にコメントがあった方がいいという意見と、コメントが要らないという2つの意見に注目した。『報道ステーション』を見ているという報告が多かったのは、深刻な話題が多い今日、大量の情報を分かりやすく解説してほしいという時代を反映していると感じた。
  • “分かりやすくて面白い”番組が好まれている傾向が強く、分からないけれど”なぜなんだろう”という疑問符のついたリポートが少なかったことが惜しまれた。
  • 『情報7daysニュースキャスター』について2人から報告が寄せられたが、ビートたけしの発言や役割を評価している意見は意外だった。我々から見ると彼の話は要らないと思うのだが、中高生が評価しているところに世代間の感覚にズレがあることがよく分かった。
  • 生真面目に伝えるニュースより、バラエティー化したニュース番組がよく見られている傾向が数多く目についたが、『おはよう日本』について書いてくれたリポートでは、さまざまな情報を簡潔にストレートに伝えてくれる番組がいいという意見には同感である。

「今月のキラ★報告」(東京・高校2年女子)

私がドキュメンタリーで見ている好きな番組は、『BS世界のドキュメンタリー』です。
NHKで放送されているこのドキュメンタリー番組は、海外で制作されたものを日本語に翻訳して放映しています。ドキュメンタリーの制作国は統一されているわけではなく、その時々にあった内容のものが毎回取り扱われています。今月は9.11テロが起こって10年目なのでそのことが中心に取り扱われています。
私が、この番組を好きな理由は、(1)海外で制作されたものをそのまま取り扱っていること、(2)翻訳の仕方、(3)司会者がいない、の3点です。
まず、海外で制作されているものを取り扱っているということが、私の中では非常に大切な点です。日本国内にいる以上、新聞やTVなど私の周りには常に日本の価値観が渦巻いています。海外でとらえている視点に触れるということは日常的にありません。そのなかで、日本独自制作のものではなく、海外制作のドキュメンタリーに日本語で触れることができるというのは大変貴重な機会だと思います。なので、そのまま丸ごと海外制作のものを放映してくれる番組というのは、日本においても、私たちにおいても必要不可欠なものだと思っています。
また、番組の翻訳の仕方が工夫されているように感じます。実際の英語の音声に被せて翻訳する場面と、字幕による翻訳で使い分けられていました。字幕の部分には、感情をあらわにしている人々の肉声がそのままこちらに伝わってくるようにされているのです。すべてナレーターの方に吹き替えられているのものでは、迫力やその人の思いなど伝わってこないものもあるので、きちんと使い分けられているのには好感が持てました。
最後に、この番組には司会者、というものがいません。つまり、このドキュメンタリーについてのコメント等が一切無いということです。私としては、ドキュメンタリー後に司会者の方から番組についてのコメントがあると、やはりその考えに偏ってしまうように感じています。コメントが無い方がもっとそのドキュメンタリーを見て思ったことに対して制限がかけられずに、ふくらませることができると考えているので、司会者なしで、ドキュメンタリーだけを流すというこの番組の構成を私は気に入っています。

【委員会の推薦理由】

日本の価値観だけでものごとを判断するのではなく、海外の情報をストレートに伝えてくれる番組を見て考えようという、”複眼”でものを見ようという姿勢が高く評価されました。また、外国語の伝え方について、字幕とコメントの違いを的確に分析していることも高評価の理由です。これからも”良い眼”を磨いて報告してくれることを期待します。

調査・研究について

本年度予定されている番組制作者及び一般視聴者を対象とした調査について、担当委員よりその分析及び関連等の概要が報告され、調査報告発表までの日程等について協議が行われた。