第199回 – 2013年7月
大津いじめ事件報道事案の審理
大阪市長選関連報道事案の審理…など
「大津いじめ事件報道に対する申立て」事案の「委員会決定」案を了承し、本事案の決定に関する通知・公表を8月9日(金)に行うことになった。「大阪市長選関連報道への申立て」事案の審理を行い、「委員会決定」案について検討した。
議事の詳細
- 日時
- 2013年7月16日(火)午後4時~8時00分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1.大津いじめ事件報道事案の審理
2.大阪市長選関連報道事案の審理
3.宗教団体会員からの申立て事案の審理
4.その他 - 出席者
-
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、曽我部委員、田中委員、林委員
1.「大津いじめ事件報道に対する申立て」事案の審理
フジテレビが2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』において、大津市でいじめを受けて自殺したとして中学生の両親が起こした民事訴訟の口頭弁論を前に、原告側準備書面としてその内容を報道した。この中で加害者として民事訴訟を起こされている少年の実名部分にモザイク処理の施されていない映像が放送され、少年の名前を読み取れる静止画像がインターネット上に流出したとして、少年と母親が放送によるプライバシーの侵害を訴え、申し立てた事案。
この日の委員会では、「委員会決定」の修正案を検討した。事務局が本文を読み上げながら内容を確認し、一部文章、字句の追加・修正を行うことで、最終的に決定案を了承した。
これにより、本事案の「委員会決定」に関する通知と公表が8月9日(金)に行われることになった。
2.「大阪市長選関連報道への申立て」事案の審理
朝日放送が2012年2月の『ABCニュース』(午前11時台)において、「大阪市交通局の労働組合が、去年の大阪市長選挙で現職市長の支援に協力しなければ、不利益があると職員を脅すように指示していた疑いが、独自の取材で明らかになりました」との前説で伝えたニュースについて、交通労組と組合員が事実と異なる報道によって名誉や信用を毀損されたとして謝罪等を求めて申し立てた事案。内部告発者から大阪維新の会の市議会議員に持ち込まれたリストに基づくスクープ報道だったが、その後リストは内部告発者によるねつ造だったことが分かった。朝日放送は「疑惑が出たこと自体視聴者に知らせるべきニュースであり、弊社を含むすべての報道機関が第一報として報道している。労組が関与していなかったことは続報で明らかにしている」等と主張している。
今月の委員会では、前回委員会でのヒアリングとその後の起草委員会をふまえて「委員会決定」案が示され、委員会の判断と結論に向けて話し合った。本件放送やねつ造の事実を伝えた続報と申立人の社会的評価の関係等について議論を行い、起草委員会で再度決定案を検討して次回の委員会に諮ることになった。
3.「宗教団体会員からの申立て」事案の審理
テレビ東京が2012年12月30日に放送した報道番組「あの声が聞こえる~麻原回帰するオウム~」において、番組で紹介された男性が、個人情報を公表されたうえ、何の断りもなく公道で盗撮された容姿・姿態が放送されるなどプライバシーが侵害されたとして、謝罪と今後二度と当該番組を放送しないと誓約するよう求めて申し立てた事案。
この日の委員会では、起草担当委員から論点およびヒアリングに向けた質問項目案が提示され、各委員の了承を得た。
次回委員会では申立人・被申立人から直接ヒアリングを行う。
4.その他
次回委員会は8月20日(火)に開かれることとなった。
以上