第124回 – 2011年7月
視聴者意見について
中高生モニターについて …など
第124回青少年委員会は7月26日に開催され、6月16日から7月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見について、また、7月に寄せられた中高生モニター報告及び8月のテーマ等について審議したほか、今年度の調査・研究について担当委員より進捗状況及び内容等について報告が行われた。
議事の詳細
- 日時
- 2011年7月26日 (火) 午後4時30分~6時30分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
-
視聴者意見について
中高生モニターについて
調査・研究について - 出席者
- 汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員
視聴者意見について
6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見の概要等について担当委員からの報告を受けた上で、視聴対象となる番組はなかった。
中高生モニターについて
7月の中高生モニター報告は、「バラエティー・クイズ・音楽番組」のジャンルの中から「こんな番組が見たい」「こんな番組を作りたい」という企画を考えてみようというもので、31人から提案が寄せられた。内訳は、バラエティー番組18、クイズ番組3、音楽番組10だった。
なかでも”中高生が主役”といった企画が数多く寄せられた。
『(じゅにあ)はいすくーるすちゅうでんと!!』(中学1年女子)。この番組は、まず話題の中高生たちに密着して彼らの”今”を届けたり、インターネットを使って普通の中高生から”生”の悩みや質問を投稿してもらったりという企画で、司会者はベッキーとユースケサンタマリアを起用する。理由は、ベッキーは人柄の良さ、ユースケサンタマリアはいい意味での適当さで2人の良さが存分に発揮され、中高生の考えも知ることができるはず、という内容だった。
『ダウンタウンの国際交流村』(高校2年男子)という企画では、中高生がさまざまな国の外国人とスタジオで交流して”国際化”の一助にしたいという企画。司会は”ボケ”と”ツッコミ”のするどいダウンタウンを起用したいというものだった。
そのほか、中高生の学校で流行っていたこと(わず)、いま流行っていること(なう)を生電話で紹介する『わず&なうmyhome!』(中学2年女子)といったユニークなタイトルの提案も寄せられた。
クイズ番組でも、地上デジタル化に対応して各家庭から参加できるクイズ番組『視聴者完全体験型クイズゴーールドラッシュ』(高校2年男子)、中高生が中心に参加できる『歴史まるごと日本史』(高校2年女子)といった提案が寄せられた。
また、身近な町を知ろうという『意外と知らないマイタウン』(中学2年男子)という企画の一方、誇れるニッポン発掘番組『日本をJAPANに変えてやる!!!』(高校2年女子)という提案も寄せられた。また、もっと”単純に笑える”番組を復活してほしいという『新8時だョ!全員集合』(中学1年男子)、お笑い芸人がすごろくを使って鬼ごっこをする『リアルすごろく』(中学1年女子)という企画を考えた中高生もいた。
次に意見の多かった音楽番組では、生演奏で自分たちが参加できる番組や、生バンドをバックに歌手が歌う番組が欲しいという提案がいくつかあった。視聴者参加型の番組では、『音楽のチカラでジモトを熱く!!チホウのチカラ』(中学3年男子)、ヒット曲を別の歌手が生演奏で歌えば楽しいという『The Dream Music Festival(略称Mフェス)』(中学3年女子)、ロックに徹した音楽番組やブームのK-POPを取り入れて、歌・ダンス・モデルなど韓国でのオーディション番組『Kスター☆』(高校1年女子)などの企画が寄せられた。
【委員の所感】
- 中高生を取り上げた番組が少ない現況から、同年代をターゲットにした番組を作りたい、子どもからお年寄りまでを視聴対象にした番組を作りたいという企画が目につき、テレビを通じて世代を超えた”共有の場”を持ちたいという気持ちが強いことが印象的だった。
- 予想したよりも音楽番組を企画した人が多いことに驚いた。内容も、一般の人が参加する番組からプロの歌手や生演奏のバンドで歌う企画、また、K-POPに焦点を合わせたものなど中身は多種多様だったが、音楽が若者たちに根強く支持されていることがよく分かった。
- デジタル化に伴った双方向性を活用した番組を作りたいという企画や、電話を使ってオーディションをすれば手軽に番組が実現できるのでは、という企画には意外性があった。
- また、今回は”地元”とか”地域”とか、”ディスカバーご近所”的な番組、身近なところから考えた番組が多かったことも特徴的だった。
- 面白い企画が多かったという印象だ。地元に密着した番組とか、おじさん応援番組とか、大震災の影響からか、家族とか地域のことに目を向けた企画が目についた。
- 一般的にどんな番組でも最初は模倣からスタートしている訳だから、今ある番組に少し味付けを変えた企画と、時代を感じて自分にこだわった企画の2通りの傾向があったが、後者のような自分の意見を前面に出したリポートを期待したい。
モニターの企画書に対する在京局の制作現場の方から届いたコメント。
◆◆◆◆
◆企画1.バラエティー番組:『リアルすごろく』(大阪・中学1年女子)
【ねらい・内容】(抜粋)
私が考えている番組の視聴対象は、小中学生以上。出演者はお笑い芸人で売れている人も売れてない人もなんでもアリです。
内容は出演者全員ですごろくの上で鬼ごっこをします。ルールは15人で行って、逃げる人が12人、鬼となって捕まえる人は3人です。はじめに鬼となる人を決めます。次にサイコロをふる順番を決めます。でも鬼は最後です。順番を決めたらサイコロを転がし、逃げる人全員が5マス以上進んでから、鬼がサイコロをふって進んでいくんです。鬼が逃げる人のいるマスに来たら、その人と鬼はチェンジします。マスには「振り出しに戻る」や「鬼になる」などといった仕掛けがたくさんあります。
最後に、鬼にはバツゲームを受けてもらいます。1度でも鬼に捕まらずにゴールに達した人が、バツゲームを決めることができ、ゴールに達した人が誰もいなければ鬼がバツゲームを選ぶんです。本当は私たち視聴者も一緒に参加したいけど、そうなったら間延びしそうだからやめておいた方がいいかもしれません。芸人の必死さを見たいです。
◇◇
【TBSテレビ編成制作局制作センターバラエティ制作3部ディレクターの感想】
コンセプトはわかりやすくていい。出演者は面白くやってくれるかもしれないが、後はすごろくをやっていく中で面白みをどこで出すかと見る側のモチベーションをどこまで保てるかが課題かと思う。もう少し詰めて考えれば、企画になるかもしれない。発想のよさ、可能性は感じる。
◇◇
【テレビ朝日『アメトーーク』『ロンドンハーツ』担当プロデューサー】
「すごろく」…実は僕も数カ月前に興味を持ち、企画に出来ないかと考えました。すごろくを調べると、起源は古代エジプトという説まである、まさに「伝統の遊び」。誰もが楽しめるし、シンプルで素晴らしいですよね。今回の企画のポイントは「鬼ごっこ」になっているという点。しかし、ここに難しさがあると思います。それは、「鬼ごっこ」が持っている面白さは、「逃げる・追う」というスピーディーなドキドキ感。一方、「すごろく」は「1マスごとの指令」という間逆の面白さであること。つまり、この2つは共存できないと思います。
[改善案]
もし、この企画が「すごろく」にこだわるのであれば、シンプルに、誰が1番にゴールするか?誰がビリか?でいいのではないでしょうか?そして、その先にオリジナリティーを出すものを考えるべきです。例えば、マスが全て暴露になっている『暴露すごろく』とか、何かテーマ性を作ってはどうでしょう。
企画を考える上で大切なのは、実際にやったらどうなるかを、しっかりシミュレーションすることなんです。そうすると、色んな問題に気づくことができます。他にも、すごろくには面白さや難しさがありますが、僕も興味をもっている題材なので、この先は企業秘密ということでお願いします(笑)。
◆企画2.バラエティー番組:『夢見たきのう。』(神奈川・高校1年女子)
【ねらい・内容】(抜粋)
視聴対象は、中学生・高校生、30歳~50歳位、男女問わないが、でもどちらかと言えば女性向け?出演者は、アイドル・芸人さんたちで毎回変わる。ナレーションはバカリズムさん。
内容は、出演者の夢を何でも叶えるという番組。夢の内容はなんでもいいけれど、子どものころの夢でなりたかった職業を体験して叶えるとか、今までの人生でやり残したことをやりきる、とか。その夢を叶えるために、夢を叶える人(Dreamer)が頑張っている様子を伝えたい。大事なのは、Dreamer自身が自覚を持って行動、努力し、自分で夢を掴みにいくという姿勢。制作側は、Dreamerに夢を叶えるチャンスを与えるだけ。このDreamerが頑張っている様子から、視聴者は何かすがすがしい思い、明日への活力を感じられるといい。ただ、あくまでもバラエティーなので、Dreamerの真剣さを伝えると同時に少しのギャグ要素を加えたい。勢いよく笑える番組ではないが、見ていてなんだかいいよね、というような番組にしたい。
◇◇
【TBSテレビ編成制作局制作センターバラエティ制作3部ディレクターの感想】
まずタイトルがおしゃれ。女性らしいセンスを感じた。中身は出演者の夢を叶える企画ですが、毎回の放送を1人のDreamerを対象としていくとすると、それなりの物語、見どころが必要なので、結構キャリーしていくのが大変な感じかなと思います。ただ、既存の番組の中のコーナーとしてであれば可能性あるか?
◆企画3.バラエティー番組:『日本をJAPANに変えてやる!!!』(東京・高校2年女子)
【ねらい・内容】(抜粋)
視聴対象は、小学校高学年~すべて。司会はくりぃむしちゅー、関根麻里。出演者は世界が好き、旅行によく出かける芸能人等。
番組は、海外の考え方を受け入れ、幅広い部分からの視点で物事をとらえる1つの指標となるというのがコンセプト。日本や海外の国に対する良いところや悪いところ探しではなく、あくまでも、純粋に日本と他国との違いや、そこから発生する面白さをとらえることをテーマとする。
コーナーのひとつ、「日本の社会問題について、世界がモノ申す!」。現在の日本の社会問題について、他国だったらどのように対応するのかを色々な国の専門家に話して頂くコーナー。もちろん日本の専門家も交じって、話を聞くこととなる。色々な国の対応をのぞいてみることで、国民性の違いにも気づかされるものとなるだろう。また、現在の日本に足りないものはなんなのかをゲスト出演者に聞いてみたり、事前に話すテーマについての質問を視聴者から受け付けておいたりすると、内容が充実すると思われる。
二つ目のコーナーは、「セカイとニホン!」。日本に来て驚いたこと、もしくは、世界に行って日本人が驚いたこと、等の旅行でびっくりしたこと、面白体験等の紹介。体験談はゲスト出演者の体験話でもいいし、視聴者からの話を募集する形でもいいと思われる。(例:日本から外国に行って、チップを渡すという習慣について)また、特派員等が世界各地へ向かい、標識や世界の新聞広告、CM、お菓子のパッケージ、日本にはない謎のものなどを表示して、クイズ形式として視聴者と一緒に楽しむ形式も想定している。
◇◇
【TBSテレビ編成制作局制作センターバラエティ制作3部ディレクターの感想】
海外と日本との比較という切り口はわかるが、コーナー内容がちょっとゆるい気がする。ただ、世界の標識や新聞広告、CM、お菓子のパッケージなどで驚けたりする部分はあるかもとは思う。
◆企画4.音楽番組:『Kスター☆』(神奈川・高校1年女子)
【ねらい】(抜粋)
なぜ、私がこのような番組を企画したかというと、日本以外の国をもっと紹介してほしいと思ったからです。また、今は韓流ブームということもあり多くの人に韓国は支持されていると思ったので、今回は韓国についての番組にしようと思いました。
【内容1】K‐POPグループや韓流スターたちが総出演し、韓国のおススメスポット、文化、教育、ファッション、食べ物などを紹介する。また、歌やダンス、出演者でのトークも行う。
【内容2】まだデビューしていないグループや個人のオーディションを、歌・ダンス・モデル・キッズなど、部門ごとに行い、未来のスターを見つける。
司会進行は島田紳助さんにしました。私はこの前のレポートに紳助さんは嫌いだと書きましたが、今回紳助さんにやってもらう理由は、紳助さんは人を褒めるトーク力があるからです。オーディションを受ける人の長所をすぐに見つけ、うまく褒めることができるのは、紳助さんだけだと思います。審査員は、日本の女優・俳優、アイドル、プロデューサー、モデル、歌手。
オーディションを行う理由は、日本人のオーディションはたくさんありますが、韓国人のオーディションは聞いたことがないのでやったら面白いと思ったし、それがきっかけでデビューできたら、オーディションの時から見ていれば、ファンが長く応援してくれると思ったからです。
◇◇
【TBSテレビ編成制作局制作センターバラエティ制作3部ディレクターの感想】
韓国人のパフォーマー、エンターティナーのオーディション番組。結構いいなと思いました。韓国情報およびまだ見ぬスター”青田買い”という2大構成のため、韓国をしゃぶりつくした後、違う国で同じことができるのかというのが検討課題かと思います。
◆企画5.バラエティー番組:『おじさん応援番組おじさんFight!!』(東京・中学2年女子)
【ねらい・内容】(抜粋)
世の中にいるかっこいい、おもしろいオジサンを紹介する。ねらいは、父子関係の回復を図ったり、家族の中で肩身の狭い思いをしているお父さんに共感を与えたりする、オジサンのイメージアップ番組。
(例)「おもしろいオジサン」・終電後で酔っ払っているオジサンに共通の話題についての意見を求める(原発問題・節電…)。その意見を比較する。そして最後に、家族への愛や会社(社会)への不満を叫んでもらう。
「かっこいいオジサン」・1つの会社を取材して、学生が憧れるようなすごい開発をした人にインタビューをする。そして最後に、家族への愛や会社(社会)への不満を叫んでもらう。
司会・出演者は、ピース(芸人)・滝川クリステル・温水洋一・柳原可奈子など。
◇◇
【フジテレビ『ごきげんよう』担当プロデューサーの感想】
中高生の皆さんの企画の多くが情報番組であることを知り、皆さんの知的好奇心のすごさに驚かされました。クイズだったり地域密着型バラエティだったりと番組の形式は様々でしたが、その中で僕が一番おもしろいなと思った企画は『おじさん応援番組おじさんFight!!』です。世の中にいるかっこいい、おもしろいおじさんを紹介するというシンプルな企画なのですが、同じ情報でも「おじさん」という哀愁ある生き物を通して伝わる情報に、クスッとした温かい笑いが潜んでいるような気がしたからです。
伝えたいメッセージや情報をそのまま伝えるのではなく、オリジナリティーあふれるフィルター(=企画)を通して伝えることがエンターテイメントの作り手としてとても大事なことだと思います。
◆企画6.音楽番組:『電話で、オーディション』(北海道・中学2年男子)
【ねらい・内容】(抜粋)
僕には、”こんな番組が作りたい”という夢があります。それは、視聴者が楽しめて、それに参加もできる音楽番組です。放送時間は、日曜の午後8:00から生放送というのがポイント。司会は中居正広さん、審査員は歌手、音楽プロデューサー。
視聴者がテレビスタジオで歌い、音楽プロデューサーがその場でスカウトするといった番組はありますが、視聴者が電話で参加して歌うといった番組は見たことがありません。なかなかスタジオに行って歌う勇気がなくても電話なら、と思う人もいるでしょう。参加したくても場所の関係で参加できないという人もいるでしょう。だからこそ、”電話”なんです。音楽プロデューサーに、アドバイスや感想などをその人に向けてしてもらうだけの番組で十分だと思います。僕は、”歌の魅力を皆に知ってもらう”、そんな番組を作りたいと夢を持っています。
◇◇
【テレビ朝日『ミュージックステーション』担当プロデューサーの感想】
「なかなかスタジオに行って歌う勇気がなくても、電話なら、と思う人もいるでしょう。だからこそ電話なんです」と力強く書いているあたり、逆に普通の人にはない想像力を感じさせます。通常なら、「テレビである以上、声のみでの参加は映像的に持たないし、企画として物足りない」と考えるでしょう。
しかし、そこにこそ、この企画の可能性があるのかもしれません。下世話な自己顕示欲とは無縁な、純粋に音楽を愛する気持ちを汲み取りたい、という真摯な想い。ルックスやその他の付帯条件を切り捨てた「純粋に声のみで音楽を伝えたい」というシンプルな意図。「人前に出ることが怖い」という引っ込み思案なシャイネスの奥にこそ、まだ見ぬ才能の原石があるはずと考える慧眼。セオリー通りに発想しないことの面白さ、逆転の発想が…。
そのためには、あえて「声だけ」にこだわるために、そこを補完する上でどんな工夫をしたらいいか、もう少し具体的に考えて書くといいでしょう。
視聴者や出演者がイマジネーションを膨らますための手助けとなる、演出やストーリーづくり、見せ方などを考えてみてください。誰の真似でもない企画を実現させるためには、発想の発端は、常に純粋で無垢でシンプルであるべきです。だからこそ、それを商品として成立させるためには、もう少し踏み込んだ「大人の計算」にチャンレジしてみてください。
◆企画7.クイズ番組:『視聴者完全体験型クイズ・ゴーールドラッシュ』(千葉・高校2年男子)
【ねらい・内容】(抜粋)
アナログ放送から地上デジタル放送に完全移行した今なので、『クイズ$ミリオネア』を彷彿とさせるようでありながら、視聴者が全面参加できるクイズ番組。データ放送に特有の青・赤・緑・黄の4つのボタンを使用し、視聴者が放送される問題に答え、番組終了までに正解した数により、得点を獲得でき、その得点数に見合う特典やプレゼントをゲットできる。毎週見続けていて、かつその得点数により、××旅行が当たる、食品が当たるなどがあると視聴者側も見続けてやろう、という気になると思われる。また、番組を観覧できる権利から『クイズ$ミリオネア』のように賞金を懸けて、実際に番組に出演できる権利などがあれば”本当に××なんて商品が当たるのか?当たんないしやめよう”という気にさせにくい。問題は、冠婚葬祭に始まる一般常識、芸能・スポーツ、出演者に関する問題などを出題する。家族全員で話あって答えを決めてもらうことで、ただ出演者がおもしろおかしく答える番組よりも好感度も良くなる。
出演者は局アナ、その時々に合わせたタレントなどで、司会者以外にレギュラーで固定はしない。なるべく出演者にお金をかけないようにすることで視聴者プレゼントに還元できるようにする。司会は頭の回転も早く、出演者も活かすことができ、現在右肩上がりの有吉弘行さんを採用。放送時間は夕飯の支度も終わる午後7時30分にすることにより家族で視聴できるようにした。
◇◇
【テレビ朝日『ナニコレ珍百景』担当プロデューサーの感想】
地上デジタル放送に切り替わった今、視聴者参加型の本格的な双方向番組が、近い将来、続々と誕生することは間違いないと思います。それをクイズ番組に利用することは大抵思いつくことでしょう。
しかし、企画を出した彼は、『ポイント制』や『スタジオにも招待してクイズに挑戦』という新たなシステムを取り組むことで、より一層厚みを増した企画にしています。ただし、あまり複雑な要素を盛り込むと…。
番組最大の魅力が何なのか?
例)・テレビの前で気軽に参加できること
・賞金や景品が必ずもらえること
・クイズに実際に参加できること、
など、どれが番組のキモの部分なのかがぼやけてしまいとっつきにくい番組になるかもしれません。ただ、ひとつ言えることは高校生の彼の「新しいモノを生み出そう!」という、既成概念にとらわれない発想。これこそが今のテレビには大切だということ。彼の発想力にあやかりたいと正直に思いました。
[企画総評]
【NHK制作局エンターテインメント番組部チーフプロデューサーの感想】
いずれも楽しく拝読しました。センスの良さが光るタイトルが多かったですね。まず幾つかあった視聴者参加型企画、このタイプは参加する方はともかく、一般視聴者にとって面白くなるような工夫が必要です。中高生だけに受けるようでは、番組は伸びません。音楽番組では『Mフェス』のバラエティ感のある音楽番組志向に光るものを感じました。現在テレビ界では、芸人がひな壇で目まぐるしいトークを展開させるバラエティ番組が大流行。これはお客を逃さないために発明した効果的な手法です。しかし、今後のゲームや通信業界などとの厳しい競合時代には、手法も大切ですが、他が作ることが出来ない「大きな感動」をいかに紡いでゆけるかがとりわけ大事だと考えます。その点、『新8時だョ!全員集合』の企画にはハッとさせられ、『意外と知らないマイタウン』の”人と関わる温かさ”を共有したいという主張には感動しました。どんな番組でも一番大切なのは「人の心」だと思います。
【日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』担当プロデューサーの感想】
30あまりの企画書には、「視聴者を飽きさせない様々な工夫」「タレントの適正を考えたキャスティング」など、様々な番組構成案が書かれており、テレビ番組を作る上でのポイントやテクニックを本当によく知っていると感心した。しかし一方、多くの企画は斬新さやオリジナリティーという輝きが乏しく残念だった。様々な人気番組から面白い要素を集めたり、人気番組を中高生向けにアレンジしたり…。人は絵を描けと言われた時、過去に見た好きな絵をつい模倣してしまう…。良い絵を模倣することは決して悪いことではないが、「自分が一番描きたいものは何か」「多くの人に見てもらいたいものは何か」と考え、粗っぽくてもいい、既成の番組の呪縛から離れた独創的な企画にチャレンジしてほしい。また、今の閉塞感のある時代を反映しているのかスケールの大きい企画も無かった。「お金や時間がどれだけ掛かってしまうのか」と驚くような企画も期待したい。
【TBSテレビ編成制作センターバラエティ制作1部プロデューサーの感想】
今回「中高生モニター報告」の中で30あまりの企画書を見させて頂いて…。最初に感じた事は、「一般視聴者の参加型企画」が多いことです。テレビ関係者はもちろん意識している事ですが、中高生の皆さんもデジタル化に伴い相互放送への意識が高く、僕らにとっても非常に参考になる企画書が多かったです。
また「外に向かっての企画」が目に付き、中高生の皆さんが《内輪的バラエティ》よりも《外に向かって何かしら発信》する番組への期待が高い事がわかりました。
総じて現在テレビ番組を作っている僕らよりも、放送時間帯や、制作費など気にせず「とにかく自分が面白い」と思うことを企画にする姿勢が見受けられ、中高生の皆さんの数々の企画書に刺激を受けた自分がいました。
【テレビ東京制作局長の感想】
全体的には、真面目で大人しい企画が多いなと感じました。震災後に皆さんが感じた日本や日本人、身近なものを見直す風潮もあり、馬鹿馬鹿しいお笑いよりも役に立って楽しめる企画が多くを占めていました。10代の本音やトレンドを取り込んだ企画も数点見受けられ、中高生らしいピュアでストレートな感覚を番組化することはとても大切なことだと改めて思いました。
最近どの局も同じような内容の番組が多いといわれる中で、我々も斬新で尖った企画を常に考え、求めています。皆さんも10代の今しか発想できないスゴイ番組を是非妄想し続けて下さい。”レディ・ガガを連れて国際宇宙ステーションへ行き、ライブを世界生中継する”なんていう企画も自由自在!番組企画はタダで出来る素晴らしい脳トレなのです。
調査・研究について
本年度予定されている番組制作者を対象とした調査について、担当委員よりその分析及び概要が報告された。また今後の作業日程及び作業分担等について協議が行われた。